いちごわさびの徒然草

アニメ大好き! ガンダム大好き! そんなこんなを徒然なるままに・・

(第2話)待ち合わせ・・ / 甘い誘惑

2007-10-15 18:04:45 | [小説]甘い誘惑

<前回の話>
「(第1話)きっかけ・・」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/827b422f95e9ddae3b08ce289246af5f

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そんなこんなで朝が来た・・
毎朝の事ではあるが、あまり気にしないネクタイだが、毎日スーツに
合わせて選んでいる物が、ちょっと、オッサン臭く感じた・・

ちょっと地味だなぁ・・ と、考えている自分に気がつく・・
何やってんだ・・ ちょっと会うだけじゃないか!・・

とは言うものの・・
結局、ちょっぴり派手なネクタイを選んでしまう自分がいた・・

まぁ良いか・・

仕事のほうは、やけに順調に進み少々早く終ってしまった・・
些細なことかもしれないが、気力がアップし生産性が高い・・
営業所の女の子が言う

「今日は良い事があったんですか? なんか、たのしそうですね ♪」 と・・
そうか・・表情にも出ているのか・・

「いや・・ なにも無いよ・・ いつもと同じだよ♪」 と答えるものの・・
その返答も、ちょっとウキウキモードなのかもしれない・・
女の子は敏感だ・・ ちょっとした違いを感性で感じ取るのだろう・・
注意、注意♪・・

そのまま雑談等で時間調整し、待ち合わせの郊外の私鉄の発着駅に向かう・・
しかし、30分以上も早い・・

外は暑い・・ 今年の夏は暑すぎる・・
仕方が無いので、駅前の喫茶店に入り時間をつぶすことにした・・
店に入り、駅前を見ることが出来る窓側の席に着き、コーヒーを注文する・・
こんな用事で喫茶店を利用した事など、何年ぶりだろうか?
いつもはブラックで飲むコーヒー・・ 
でも今日は砂糖とミルクを入れたくなっていた・・

甘い・・ コーヒーってこんなに甘かったのだろうか・・

時間がまったりと流れて行った・・

・・・

20分ほど経っただろうか・・ 喫茶店の窓から駅前を見る・・

ん? 彼女かな? 駅前の柱の陰に女性が見えるが・・
特定する事が出来ない・・ 時間は約束よりも15分ほど前である。

もし彼女であったら、この暑さの中、15分も待たせるのは申し訳ない・・
ひょっとしたら、5分以上も前から、駅前で待っているかもしれないのだ。
でも、彼女でなかったら・・ 今度は私が15分待つ羽目になる・・
こういう時に、携帯電話の電話番号でも知っていれば・・と思う・・

会ったら携帯でも聞いておくか・・

いや待て!
そんな彼女のプライベートな電話番号など、簡単に聞きだすことなど
出来るのか? 聞き出す理由は何だ? そうだ「必然」だ!
これからも、待ち合わせの時に必要ではないか?・・
待て待て・・ これからも・・とは何だ? また彼女と会うつもりか?
いや・・ ひょっとしたら、私は彼女に再度会いたいのか?・・

それは無い! 答えはノーだ! そのはずだ・・彼女もそのように考えるだろう。
自分なりに結論が出た・・ 彼女の電話番号など、聞き出す必要は無いのだ!

と、結論を出すものの・・ 目の前の問題は解決してはいない・・

気になり何度も何度も、窓から駅前を見る・・
彼女らしい人影は、そのままそこに立っている・・
ここまでの10分は異様に長かった・・
この先の5分は・・もっと長く感じるかもしれない・・

そうだ・・ 何気なく、駅前を通過して確認すれば良いのだ!
そうと決めたら私は伝票を掴み会計に向かっていた・・
しかし・・ なぜ、今来た所だよ! というポーズをとらないといけないのだろうか
心のどこかに、待ち遠しくって早く着ちゃった! とは思われたくない・・という
変な気持ちがあったからなのだが・・ この時はそんな心境の変化など、
気がつくはずも無かった・・

・・・

駅前を何事も無いように通過する・・
やはり彼女だった・・ 彼女から声をかけてきてくれた・・

「お忙しいのに、ありがとうございます! 今日は暑いですね♪」

「そうだね・・ 暑いね・・ ずっと待ってたの?」

「いいえ 今さっき来た所です・・」 

うそだ・・ 額にうっすらと汗を浮かべているじゃないか!・・
どうして、もっと早く喫茶店を出てこなかったのか・・
罪悪感が私を襲った・・

「そうなんだ・・ でも、暑いだろ・・ すぐにどこかに入ろう!」

「はい♪」

彼女は真っ直ぐに私を見て、目をそらさずに返事をした・・ ただそれだけなのに・・

このときの彼女の顔を見た瞬間、私は前身に衝撃のようなものを感じた
良く、電気が走った・・というが、それに近い・・
屈託の無い笑顔・・ 邪心も何も無い・・無垢な笑顔・・ 
うっすらと汗を浮かべているのに、そんな事を何も感じさせないぞ!
と言わんばかりの笑顔に、私の罪悪感が一層大きくなり
暫く、彼女の顔を見つめてしまっていた・・


「(第3話)イタメシ屋・・」http://blog.goo.ne.jp/ichigowasabi/e/afaf8f9efa58817468018f27cc5e6013に続く・・・
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(2007/10/15 18:04)



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1 コメント

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この記事へのコメント(投稿順) (いちごわさび)
2007-11-12 06:10:48
この記事へのコメント(投稿順)

まさ↑る
何気ない仕草が可愛く見えるときはありますね~♪

続きを楽しみにしてますんで。
(2007/10/21 01:22) [返信]


いちごわさび
そうですよね・・
決して美人でなくても、輝く瞬間があって・・
その瞬間を見たとき・・ 世の男性は「刺される」のですねσ(^^)

今回のポイントはそこです・・
そんなに気にしていなかったのに・・ その瞬間を見てしまったら・・ 
心は大きく揺らぐのです(^O^)/

ということで、頑張って書いていきま~す!
(2007/10/21 05:19)
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