イエス、ギリシャの教師を教える!!
デルファイ(デルフィ)の神託。紀元前1200年より続いていた神託と言われる。日本で言えば、神懸かりである。その内容は、これでは深くは知ることが出来ない。察しが付く御仁も居るかも知れない。内容はともかく、神託の意義と意味について語る。これは興味深い。
神々が存在する。神々は創造主ではない。神々は上々と解することが出来る。人々の上、即ち、精神と言うことも出来れば、先人(祖先)と解する事も出来る。ともかく、今ある人間には、すべからく源流がある。肉体的には先人(祖先)があるし、精神的には先哲が居る。
<デルフィ>
水が高いところ
から流れるように、人間にも源流がある。その源流には様々な要素があって、中でも精神が重要である。精神があって物質がある。神託はその偉大なる精神が発
するという。これは興味深い。個々の人間にも個々の精神があるが、その精神は深い。自我はホンの一部である。自我は心の中の深い精神から指示を常に受けて
いる。インスピレーションと言うが、それであろう。言わば、個々の人間も神託により揺り動かされているのである。
この日を持って、神託が語らなくなったかどうかは知らないが、この後は人間が人
間に語るとある。それを人間が正しく理解することは難しい。故に、イエスは殺される原点を観る。『神は人をして語らしむ。』とも言うが、人の語るのを見極
めるのは、高度の純粋さと、見識を要する、と感慨する。
イエス、ギリシャの教師を教える。アポロと共にデルファイに行き神託を聞く。神託イエスを証言す。イエス、アポロと共にやどり神の生ける神託と認めらる。アボロに神託の不思議を説明す。
数日問、ギリシャの教師たちは、イエスの語る明快辛辣(しんらつ)な言葉に耳を傾けた。その言うところは十分に理解できなかったとは言え、喜んでその哲学を受け容れた。
一日、イエスとアポロが海岸を歩いていると、デルファイ神殿の使者が急いで来て言う、「アポロ先生、神託が先生にお告げがあるそうです。」
アポロはイエスに言った、「先生、あなたがデルファイの神託を見て、その語るのをお聞きになりたいならば、御一緒する。」イエスは彼について行った。教師たちが急いでデルファイに行って見ると、大きな興奮状態がみなぎっていた。
アポロが神託の前に立つと神託が語って言った、「ギリシャの聖者アポロよ、鐘が十二時を打つ、時代の真夜中が来た。自我の胎内にて時代がみごもる。時代は懐胎し朝日と共に輝かしく生れ、老いた太陽が没すれば、時代はくずれて死ぬ。
デルファイの時代は、光栄と名誉の時代であった。神々は樹木、黄金、宝石の神託を通して、人間の子らに語っていた。デルファイの太陽は没した。神託は衰えるだろう。人々がもうその声を聞かなくなる時が近づいた。
神々は人間によって人間に語るだろう。生きた神託は現に聖林のなかに居る。ロゴスが天から来た。(投稿者注:ロゴスlogos=思想) 今より後、わが智恵、わが力は衰えるであろう。今より後、彼イマヌエルの智恵と力が増し加わるであろう。
すべての教師たちはとどまれ、すべての生物は彼イマヌエルの言葉を聞いてこれをあがめよ。」
それから神託は四十日間再び語らなかった。祭司も、民衆もおどろいた。人々は遠近から来て、生ける神託が神々の智恵を語り出すのを聞こうとした。
それからイエスとギリシャの聖者はそこを去った。アポロの家で生ける神託が四十円間語り出した。或る日、アポロはイエスとふたりだけの時言った、
「この神聖なデルファイの紳託は、ギリシャのために、多くの有益な言葉を語りました。どうか、語る者は何ものか、言って下さい。天使か、人間か、生ける神々か。」
イエス、「語る者は、天使でも人間でも生ける神々でもない。これはギリシャの多くの指導者たちが合して一つの大精神となった無比の智恵です。この大精神は自分に災の本質を自分に取り入れ、そして考え聞き語る。
これは指導者たちが思想、智恵、信仰、希望で養う間は、生きた魂として残ろう。しかし若しギリシャの指導者たちが国から消え失せれば、この大精神も無くなる。従ってその時となれば、デルファイの神託はもう語らなくなろう。」
【宝瓶宮福音書:栗原 基訳】
第十部 ギリシャでのイエスの生活と行動
第四十五章 イエス、ギリシャの教師を教える。アポロと共にデルファイに行き神託を聞く。神託イエスを証言す。イエス、アポロと共にやどり神の生ける神託と認めらる。アボロに神託の不思議を説明す。
1)数日問、ギリシャの教師たちは、イエスの語る明快辛辣(しんらつ)な言葉に耳を傾けた。その言うところは十分に理解できなかったとは言え、喜んでその哲学を受け容れた。
2)一日、イエスとアポロが海岸を歩いていると、デルファイ神殿の使者が急いで来て言う、「アポロ先生、神託が先生にお告げがあるそうです。」