ユーラシアの風~2010年・自転車による単独ユーラシア大陸横断記

2010年・自転車による単独ユーラシア大陸横断記

言葉の壁は高く険しい

2010年05月12日 | 中国(1)天津→呼市
北京に着いた。さすがに大都会。人も車もその量は京都の比ではない。

あてにしていた安宿は満室。あると思っていたユースホステルもない。
天津でトライした大学生寮をたずねるにはかなり距離がある。

この日は天津を9時に出発していた。
国道104号線は昼すぎまで強い向かい風。
思うように距離が伸びず、天安門広場へは9時前に着いた。
街は夜を迎えている。

言葉の壁を感じていた。
出る前から分かっていたが、現実になるともうお手上げだ。
何か買ったり、礼を言ったりすることはできても、
道を尋ねたり、自分の境遇を説明することは難しい。
逆に何かを尋ねられると苦笑いするのみ。
きっと助け舟を出してくれている人もいるのに、それに乗れない。
歯がゆい。悔しい。

たまに英語ができる人に出くわしても、
自分の英語力の低さに落胆…。
流暢に英語で語りかけてくれる中国の人々を目の当たりにすると、
一人のアジア人として、日本国民として、自分が不甲斐なく思える。


夜の首都北京は、日本の大都市同様、たくさんの街灯や
きらびやかなネオンに照らされ明るい。

焦りからか、最後の持ち駒のユースを探す途中、道に迷った。
助けてくれたのは日本語ができる中国の人だった。
正確な現在地と、目的地へ至る最短ルートを、
日本語と英語を交えて的確に示してくれた。

何とかチェックインし、ベットに倒れこんだ。
天津から147km、走行時間8時間以上。時計は10時を回っていた。