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「一問必答」は、「一問一答」に掛けた造語として、今回のシリーズで用います。中学受験した学校に合格するために、ぜひ正解してほしい問題の中で、特に経験的に修得すべき基礎的知識を含む26年度の問題を取り上げ、ポイントを解説します。
前回に引き続いて、中学入試問題の図形問題で、経験的に覚えていなければならない問題を取り上げ解説します。学校では小学4年生で学習する、二等辺三角形の性質を使う問題を、今回と次回の二回に分けて説明しましょう。
学校で学習する二等辺三角形の性質を問う入試問題は、頻出問題と言えるほど、今回取り上げた学校以外にも多くの学校で出題されています。
【26年度の入試問題】 (分数の表記および記号が、実際の入試問題と若干異なります。)
今回は、高輪中学校・品川女子学院中等部・横浜雙葉中学校の入試問題を取り上げます。
1.高輪中学校
下の図のように、正三角形ABCの辺BCをのばした直線と、頂点Aを通る直線が、点Eで交わっています。また、AC=CD=DEです。図の(あ)の角の大きさは何度ですか。
2.品川女子学院中等部
次の図で角アは角イの4倍の大きさで、辺BC,CD,DE,EFの長さは等しいです。三角形AEFが二等辺三角形であるとき、角ウの大きさは□°です。
3.横浜雙葉中学校
下の図の三角形ABCはAB=ACの二等辺三角形で、角アは75度、BC=BF=EF,AD=DEです。イの角度は何度ですか。
【解答と理解しておくべきポイント】
二等辺三角形の定義は、 「二つの辺の長さが等しい三角形」です。山の形の頂上の角を頂角、下の二つの角を底角と言います。二等辺三角形は、2辺の長さが等しいだけではなく、2つの底角の大きさが等しくなります。
また、頂角の大きさが定まると、残りの底角の大きさが決まり、一つの底角の大きさが定まると、残りの底角および頂角の大きさが決まります。
まず、高輪中学校の問題から解説します。
高輪の算数は、問題1に計算4題、問題2が小問4題、その後それぞれ小問が3つずつある大問が3題出題されました。今回の問題は、問題2の小問の一つです。
この種の問題は、二等辺三角形の底角が等しいという性質と、三角形の外角の定理を上手く使って求める、基本的な問題です。
下の図のように、最も小さな底角Eの大きさを①と置きます。三角形DCEの外角ADCは、角Eと角DCEの和となりますから、その大きさは②です。
同様に三角形ACEの外角BCAは、角Eと角EACの和ですから、その大きさは③と表すことが出来ます。
三角形ABCは正三角形ですので、角BCA=60度=③
よって求める(あ)の角の大きさは、①ですので、60÷3=20度
次は品川女子の問題です。
品川女子の算数の問題は、問題1が計算2題、問題2が小問6題、それに小問が2題ずつある大きな問題が4題で構成されています。今回の問題は、問題2の小問の一つです。
条件の「角アは角イの4倍の大きさ」から、角イをもとにしていますので、角イの大きさを①と置きます。すると角アの大きさは④となります。
高輪中学と同様に、二等辺三角形の性質と、三角形の外角の定理を使って、それぞれの角の大きさを下の図のように表してみます。
三角形AEFが二等辺三角形であるなら、頂角の大きさが④で、底角の大きさが⑬と表すことができます。
よって、④+⑬×2=180という式が出てきます。
マル30=180度ですので ①=6度
よって求める角ウの大きさは、
180-(⑤+⑬)=180-⑱=180-6×18=72度
最後は、横浜雙葉の問題です。
横浜雙葉の算数は、問題1が計算を含む小問8題、問題2は小問4題・問題3が小問3題で構成された大問で作られています。
今回問題は、問題1の小問の一つとして出題されています。
条件を図に記入します。まず一番大切なことは、三角形ABCと三角形BCFは底角が共通の75度ですから、相似な二等辺三角形であることに気づくことです。
頂角75度の二等辺三角形の頂角の大きさは、
180-75×2=30度
よって角A=30度ですので、外角の定理より角EDF=30×2=60度
また角EBF=角ABC-角FBC=75-30=45度、
角BFE=180-45×2=90度
このことから、角EFD=180-(75+90)=15度
角イ=180-(角EDF+角EFD)=180-(60+15)=105度
以上の問題とその解法を理解すると、こうした問題に目が慣れて来るはずで、そうした経験が、新たな問題を考えるときに解き方のヒントになります。
次回は、今回と同様に二等辺三角形の性質を使う問題ですが、少し変形された問題について考えてみましょう。
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このような記事は経済的に塾に行けなかったり自学自習に励んでいる生徒にとってありがたいでしょうね。
50年前の私も、と思います。
角度を求める計算は、学力があまりない子でも勘を働かせて求めたりできますので、自信をつけさせるにもよかったりした経験があります。
できるだけ多くの生徒たちが数学嫌いにさせない、というのは大事だと思います。
私のブログの中で、今回のような学習指導に関わる記事を、多くの方がご覧になっていることが、アクセスの解析で分かります。私のブログの一つの柱でもあります。
父母・指導者、それから小中学生からも、コメントをもらうことがあるので、子どもたちも検索して見ているようです。ついつい、大人の視線を意識して綴っているので、子どもにとって解説が難しいかも知れません。
対象を多くの人とすると、ぼやけた印象の文章になり、対象を絞ると焦点が合った文章になりますが、多くの人に読んでもらうことができません。
もっと問題なのは、そんなふうに読者を意識し過ぎると、ブログをつづることが楽しくなくなることです。あくまでも自分流に綴ることが、ブログを長く続ける秘訣でもありますね。