「マッキーのつれづれ日記」

進学教室の主宰が、豊富な経験を基に、教育や受験必勝法を伝授。また、時事問題・趣味の山登り・美術鑑賞などについて綴る。

マッキーの学習指導法:今年の桜蔭中学入試問題「算数」・・・その3

2016年03月15日 | 学習指導法



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 今日は、今年の桜蔭中学入試問題算数の解説・3回目最終回となります。規則性を考えた容積に関する問題Ⅳを取り上げ考えてみましょう。今日の問題は、容積の問題ですが、与えらえた条件から規則性を考えて、数値の大きい計算単位変換をミス無くこなせば、難しい問題ではありません。

 与えられた条件を読み取ることができずに、問題の意味を日ごろ直ぐに聞こうとする姿勢で学習している子どもがいます。入試問題文は、必ずしも上手な言い回しでないことが多いのですが、それでも相手が述べていることを斟酌する力は、大切な能力です。特別なテクニックを用いる問題ではありませんので、正解したい問題です。


【問題】

 Ⅳ.直方体の形をした池に噴水があります。池の深さは2mで、底面は1辺の長さが10mの正方形です。噴水は、毎時25分から20分間、池の外から引いてきた水をふき出します。噴水に使う水の水の量は毎分100Lです。また、毎時27分から10分間、池の水を外に流し出します。流し出す水の量は毎分150Lです。
 たとえば、9時25分から20分間、噴水は水をふき出します。また、9時27分から10分間、池の水を外に流し出します。これを1時間ごとにくり返します。
 ある日の午前7時の水の深さは1mでした。このとき、次の問いに答えなさい。ただし、水の蒸発は考えないものとし、噴水の水はすべて池の中に落ちるとします。また、噴水の水がふき出してから池に落ちるまでの時間も考えないものとします。

(1)この日の午前8時の水の深さ(cm)を求めなさい。

(2)この日の午前10時30分の水の深さ(cm)を求めなさい。

(3)この日は午前11時に雨が降り始めました。雨が降っている間、水面の高さは毎分0.05mmずつ上がっていきます。午後2時35分に雨がやんだとき、池の中の水の量は何Lであるか求めなさい。


【解答・解説】

(1)は、とても基本的な問題です。7時台の水の出入りを、与えられた条件で考えます。

入った水量:100(L)×20(分)=2000(L)
出ていった水量:150(L)×10(分)=1500(L)
増加した水位:(2000-1500)×1000÷(1000×1000)=0.5(cm)
(500Lを1000倍→立方cm、一辺10m=1000cmの正方形の面積でわると、体積÷底面積=高さの計算で、高さ=増加した水位が出ます。)
よって求める水の深さは、100+0.5=100.5(cm)

(2)は、10時30分という水の出入りの途中の時刻の水位を聞いていることが、この問題のポイントとなります。

まず、10時の段階での水位を考えると、(1)で求めたように、1時間あたり0.5cmの水位の上昇が考えられます。すると、100+0.5×3=101.5(cm)

次に10時台の水位の変動を考えるために、水量の増減を計算します。
入った水量:100×5=500(L)
出ていった水量:150×3=450(L)
(500-450)×1000÷(1000×1000)=0.05(cm)の水位の増加となります。

よって、10時30分での水の深さは、101.5+0.05=101.55(cm)となります。

(3)の問題は、考え方は基本的ですが、単位変換や計算を注意しながら解く必要があります。そこで、14時35分までの水の出入りを考えます。

入った水量:100(L)×(20×7+10)(分)=15000(L)
出ていった水量:150(L)×(10×7+8)(分)=11700(L)
入った雨量:1000×1000×0.005×215(分)÷1000=1075(L)
(池の底面積に毎分0.05mm=毎分0.005cmの高さをかけて、さらに雨の降っていた時間215分をかけると、池の中に入った雨量が計算できます。)

よって、14時35分時点での池の中の水の量は、
10×10×1000+15000-11700+1075=104375(L)

この問題も、基本的な考え方で十分な問題です。けれども、下のような単位関係と、式を1本化分数計算して簡単に行うことが重要です。単位変換ができても、注意深く単位をそろえて式をたてていく必要があります。式を計算して出た数値に単位を付けるという習慣も必要でしょう。

長さの単位:1m=100cm=1000mm
容積の単位:1立方メートル=1kL=1000L、
1L=10dL=1000mL=1000立方センチメートル=1000cc

こうした問題を確実に正解するためには、基本をおろそかにしないで、与えられた条件を理解して、条件と式をきちんとノートに書く、日ごろの学習が必要です。


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