「マッキーのつれづれ日記」

進学教室の主宰が、豊富な経験を基に、教育や受験必勝法を伝授。また、時事問題・趣味の山登り・美術鑑賞などについて綴る。

マッキーの一問必答(10):二等辺三角形の性質を利用する問題(2)

2015年02月07日 | 学習指導法



にほんブログ村 教育ブログ 教育論・教育問題へ
ブログ人気投票にクリックいただけると幸いです!


 「一問必答」は、「一問一答」に掛けた造語として、今回のシリーズで用います。中学受験した学校に合格するために、ぜひ正解してほしい問題の中で、特に経験的に修得すべき基礎的知識を含む26年度の問題を取り上げ、ポイントを解説します。

 今回は、前回に引き続いて二等辺三角形の性質を利用する問題です。ただ、ちょっと変形されているので、条件をよく整理して考えましょう。


【26年度の入試問題】 (分数の表記および記号が、実際の入試問題と若干異なります。)

 今回取り上げる中学校は、女子美術大学付属中学校・頌栄女子学院中学校・鴎友学園女子中学校の3校です。いずれも26年度の入試問題です。

1.女子美術大学付属中学校

 26年度の女子美の算数は、問題1が計算3題を含む小問10題、後は幾つかの小問を含む大問4題で構成されています。今回取り上げた問題は、問題1の小問の一つです。

【問題】下の図で、OA=OB=OC、角AOCの大きさが140°のとき、角ABCの大きさを求めなさい。




2.頌栄女子学院中学校

頌栄の26年度入試問題は、問題1が計算問題を含む小問6題、その後大問4題の構成です。取り上げた問題は、問題1の小問の一つです。

【問題】下の図の三角形ABCはAB=ACの二等辺三角形です。xの角の大きさを求めなさい。




3.鴎友学園女子中学校

26年度の問題は、小問に近い問題が2題、問題3から問題7までは、小問2~3題で構成された大問5題でできていて、計算は出題されていません。そのうち今回の問題は、最初から2番目の問題です。

【問題】図のように、平行四辺形ABCDの対角線ACで三角形ABCを折り返してできる三角形を三角形AECとします。AB=ACのとき、角アの大きさを求めなさい。



 このシリーズで取り上げる今春の中学入試問題は、私が作成した解説および解答を見ずに、まずは自力で解いてみることをお勧めします。大人には頭の体操になりますし、また受験生は、算数に対する興味や面白さが、倍増するはずです!


【解答と理解しておくべきポイント】

1.女子美術大学付属中学校の解答

2つの二等辺三角形が組み合わされた図形です。
この問題と同じように解く問題を、以下のブログで最近取り上げました。

マッキーの一問必答(8):慶應中等部の図形問題

三角形OABと三角形OBCの頂角の和が140度です。
下の図のように、等しい底角に印を付けます。
すると、求める角ABCは、2つの二等辺三角形の底角一つずつの和になっています。

2つの二等辺三角形の底角の和は、180×2-140=220
よって求める角ABCは、220÷2=110度
 



2.頌栄女子学院中学校の解答

この問題は、太線で示した四角形の角Bを求めることからスタートします。
これは一般的には、角Bの大きさが出ていて、130度の角を求めさせる問題として出題されます。
三角形の内角の和と、外角の定理を用いて角Bを出します。
公立小学校の5年生の算数指導を行ったとき、この角Bを求める方法をみんなに考えてもらいましたが、様々な解き方を考えてもらい、有意義な授業を行うことができました。

今日は、最も基本的な考え方を使って説明しますと、角130度と隣り合う内側にある角の大きさを、360-130=230度として求めます。
すると太線で示した四角形の3つの角の大きさが分かりますから、求める残りの角Bの大きさは、
360-(230+38+34)=58度と簡単に求めることができます。

三角形ABCは二等辺三角形でその底角の大きさが58度。
よって、その頂角BACの大きさは、180-58×2=64(度)
求める角Xは、64-38=26度




3.鴎友学園女子中学校の解答

下の図形で、折り重ねて重なった部分の三角形が二等辺三角形になっていることが分かるでしょうか。
角BACと角EACは折った同じ図形の頂角ですから等しいのは当然です。
また、角BACと角DCAは、平行線の錯角ですので、大きさは等しくなります。

このことより角EACと角DCAの大きさが等しくなリますので、角EAC=(180-88)÷2=46度
頂角46度の二等辺三角形の一つの底角の大きさは、角AEC=(180-46)÷2=67度
三角形の外角の定理(角AEC+角ア=88度)から求める角アは、88-67=21度



学校で小学4年に学習する二等辺三角形の性質を使う問題でしたが、その基本的な性質を入試問題で使えるためには、こうした問題を経験的に知識として習得する必要があります。

二回にわたって説明してきた二等辺三角形の問題は、その角度に注目して解く問題でもありました。次回は、特殊な角度に注目して解く問題について取り上げて解説しましょう。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« マッキーの山登り:シモバシ... | トップ | マッキーのお出かけ:1月の... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

学習指導法」カテゴリの最新記事