「マッキーのつれづれ日記」

進学教室の主宰が、豊富な経験を基に、教育や受験必勝法を伝授。また、時事問題・趣味の山登り・美術鑑賞などについて綴る。

マッキーの教育:家でカイコを飼育する(2)カイコが繭を作る

2014年05月27日 | 教育



にほんブログ村 教育ブログ 教育論・教育問題へ
ブログ人気投票にクリックいただけると幸いです!


 私の手元に届いてから20日目、孵化してからおよそ50日、12匹のカイコの幼虫が、5月26日ですべて繭を作りました。一般的な成長のスピードからすると、気温などの関係から、だいぶ遅い営繭(えいけん)となりました。

 埼玉県本庄市にお住まいのNさんからいただいたカイコの幼虫ですが、常にその時の状態が、成長プロセスのどの位置なのか分からず、全く手探り状態でした。けれども、届いた時は2.5~3cm程の幼虫が、20日ほどで8~10cm程の大きさになり、21日から26日の間に、すべて無事に繭となりました。

 カイコは、人間が関与すること無くして、生きていけない動物です。カイコの幼虫は、人間と共生していると認識しているような行動を取ります。極めて人懐っこい生き物です。ただし、カイコと触れ合った経験がない人にとっては、カイコの幼虫に対して「ゲッ!」といった印象を受けることでしょう。でも、そういう人たちこそ、カイコを飼育してみたらいいと思います。全ては、慣れることが肝心です。

 つい最近5歳から6歳になった家の幼児は、このカイコの幼虫を初めて見た時から、「可愛い!」を連発していました。たっぷり桑の葉を食べて育った幼虫を、繭になる前、最後のスキンシップとして、手のひらに乗せて喜んでいました(下の画像)。でも、幼虫が壊れやすいほど繊細な生き物であることを知っているので、とても優しく扱います。また、直接カイコに触れる場合、雑菌の感染を防ぐために、しっかりと手を洗ってからにしています。無論、6歳児も手を洗ってから丁寧にカイコに触っていました。



 孵化した幼虫が1齢幼虫で、脱皮を繰り返し、上の画像の幼虫が5齢幼虫です。5齢幼虫が繭を作る頃、体の色がクリーム色になり、体表の文様も多くは消えます。5月21日に最初のカイコが、口から糸を出して、繭を作る体制に入りました。縦5cm・横4cm、横に4室縦に3室(4×3=12室分)の繭をつくる足場となるマブシを、段ボールで予め作っておきました。早速、そのカイコをそこに移しましたが、右往左往しながら、下の画像のように最終的には予定外の屋上に繭を作り始めました。



 作ったマブシの背面に団扇をテープで貼り付け、カイコが移動を少なくする工夫もしてみました。1匹目に続いて、次から次へとカイコは繭を作り始めました。不規則に周囲に糸を交差させ、中空に浮くようにたまご型の繭を作り、だんだんとその繭の厚さを増していきます。初めは繭の中に見えていた幼虫も、やがて見えなくなります。






上の画像の幼虫(真ん中の部屋)は、やがて下の画像(右の部屋)のように、完全に白い繭になります。



 すべてのカイコの幼虫が26日までに繭を作り、マブシに収まりました。三階建てのマブシは、屋上に2匹が繭を作り、一階部分に空室が2つ出来ました。

 この状態から、さてどうしよう?養蚕では、熱湯に繭を漬けて、中のさなぎを殺して、繭から絹糸を紡ぎます。それを6歳時に話すと、「それは絶対にダメ!」と強く主張しました。「そんなの、かわいそうでしょう!」ということでした。上手くいけば、6つのペアーができ、多くの卵を産卵することでしょう。さて、どうしよう?

 ところで、カイコの数え方、すなわち助数詞は、何でしょう。蝶やアリなどは、日常ではを使いますが、学術的な言い方では、を使います。実は、カイコも同様で、正確に言えば、「12頭のカイコが繭になりました」となります。

 繭作りを観察していると、カイコには大変な作業のように思われます。孵化してから、眠ることも無く、桑の葉を食べ続け、驚くほどのスピードで成長しました。注意して観察していると、大きくなるカイコを毎日、目で認識することができます。

 繭作りは、カイコが生命を終える前に、子孫を残すための行為です。完全変態する昆虫は、羽化して相手を見つけ、交尾して死んでいきます。羽化は、飛ぶことにより、配偶者を広範囲に選択できる、昆虫の工夫と思われます。

 けれども、カイコはすでに羽も退化し、羽を動かす筋肉も退化し、飛ぶことができません。ならば、頑張って完全変態する意味がないのですが、カイコは繭を丹念に作り、美しい生糸を私たちに提供します。

 カイコは何のために、この地上に生を受け、死んでいくのだろう。ちょっと哀れに思えてきます。ただし、人間界でも、カイコと化している人は、いるかも知れません。

 そうしたカイコの生態と一生を、短時間のうちに経験できることが、カイコ飼育の利点です。多くの子どもたちがカイコを飼育して、その一生を観察することにより、様々な体験をしてほしいと思います。桑の葉さえ入手できれば、比較的簡単に飼育できることが、今回の飼育で分かりました。

カイコに関する次回のブログで、繭がどうなったかを綴ることができるでしょう。




興味ある方は、以下のブログも参考に御覧ください。

マッキーの教育:家でカイコを飼育する(1)カイコが届く!

 

コメント (6)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« マッキーの山登り:大月駅~... | トップ | マッキーの教室:全国統一小... »
最新の画像もっと見る

6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
さてここでどう変化するか (tsuguo-kodera)
2014-05-28 04:25:44
 準備万端の管理人様ゆえに、こうなるだろうと想像していた通りになりました。しかし、蛹から成虫が生まれ、交尾し子孫を作るでしょう。
 そこで6歳児がどのように言うか行動するか私は予想できません。本当に楽しみです。よろしくお願いいたします。
返信する
難しい決断 (マッキー)
2014-05-28 13:19:35
「虫は嫌いだ!」という子どもが増えていることは確かです。捕まえた虫の話や、昆虫の知識を自慢げに話すような子はいなくなりました。第二次ベビー ブームで生まれた親の世代から虫離れし、その子どもはもっと虫からは遠ざかってしまっているように思います。
 首都圏で最もよく見かける昆虫は、ハエ・ゴキブリ・蚊などの害虫で、セミ・チョウ・トンボ・バッタなども見かけることはありますが、昆虫カゴに満足できるほど収まるかと言えば疑問です。
 そういった意味で、人間と共生していると勘違いしているカイコこそ、短期間でその一生を観察できるまたとない昆虫であることが、今回の経験で分かりました。飼育する問題点は、桑の葉を集めることができるかということです。
 実は、繭をどうするか迷っています。一組のペアーで十分産卵も孵化も観察することができるでしょう。けれども、幼虫の段階で雌雄を区別していませんので、幾つかの蛹を羽化させないと、ペアーをつくることは難しい。けれども12匹の蛾の成虫に囲まれるのも大変なように思います。難しく緊急を要する決断をすることになりました。
返信する
拝見しました (本庄市児玉町の根岸)
2014-06-01 21:44:55
本庄市のNです。
ブログ拝見しました。
我が家とは違う視点で蚕に触れ合っているご家族に、敬意を表します。
お届けした蚕が全て繭を作ったとのこと、よかったですね。
うちは、4~5齢の頃に桑を与える量が十分でなかったのと、過密状態であったことから、繭を作っても小さいのばかりなのと、現時点で20匹ほどが病気で死にました。
未だに繭になっていない個体もいるのですが、「タレコ」(地元の呼び名なのだと思いますが)といって、繭になれない固体もあるようで、それらも繭になれるか怪しいです。
今後も楽しく拝見致します。
里親になって頂き有難う御座いました。
返信する
カイコの飼育は貴重な体験 (マッキー)
2014-06-02 13:41:34
 根岸さん、コメントありがとうございます。送って頂いた頃は、振り返れば3齢から4齢の幼虫だったと思います。カイコを飼育している箱は、リビング兼ダイニングの大きなテーブルの上にいつも乗せておきました。
 ですので、私たちが食事をしているときも、その前でカイコも食事をしているといった状況でした。「この子はちょっと食欲がないね。この子はちょっと太り過ぎじゃあないの」といった会話が、しばらく私たちの食卓の上を飛び交っていました。
 繭になり、そうした変化が最近は無くなりましたが、依然としてテーブルの上にカイコの箱は置いてあります。これからどうしようかという決断を先延ばしにするうちに、羽化までの時間が刻々と近づいてきます。
 この後のことも、ブログに綴ろうと思っています。家族が貴重な体験ができたことは、根岸さんのおかげです。ありがとうございました。
 話は変わりますが、私が二十歳代の頃、私の教室に「根岸君」という、やはり埼玉のそちら方面出身の教師がいました。バイクが好きでハーレーに乗っていました。一緒に北アルプスに登ったこともありました。カイコの話を頂いたとき、何かの縁を感じました。

返信する
週末の旅行 (tsuguo-kodera)
2014-06-02 17:45:53
 先週末、新潟まで行けず、北関東の谷川岳のふもとの駅で下車。折角ですので、有名な温泉地に妻と一緒に宿泊しました。リハビリ温泉旅行となりいろいろなお風呂に6回も入りました。
 暇がある限り、周辺を散策し、タクシーで周辺を観光しました。運転手の説明は大変参考になりました。桑畑が果樹園になったこと、箱物行政で潰れたシャッター通り、ラフティングで栄えている川べりなどなど、バブル期の遺産とその回復の大変さが良く分かりました。
 お役所的なたいそうな施設ができました。周辺の小さな店はぼろぼろ。客の多い売店の女性の対応など問題だらけだと感じました。
 ビジネスが上手く行くのはおもてなしの心だと改めて感じさせられました。美味しいそば屋、味でだけで勝負。でも味も大事、接客態度も大事です。東京の松屋やマックや日高屋のアルバイターの方が私は心を感じました。
 世界遺産の女工哀史の施設に旅行客が押し寄せています。周辺にあった桑畑と農家の養蚕業のお蔭で今の繊維業や世界遺産があるはず。化学業界の大企業もお蚕さんや周辺の農家の苦労があって今があるのでしょう。
 結局、昔と同じ駆け足の旅行になったのですが、お蔭さまで私も知識は増えているようです。何を見ても問題が見えて、採用すべき解決策が浮かんできてしまいます。
 リハビリではなく、勉強旅行になりました。意地汚しですね。落語や歌舞伎で有名な塩原太助、その資料館も行きました。残念なことに潜在お客様への働きかけがないと感じました。地方は沈没するわけです。
 日本中にある落語の主人公の偉人たちの遺跡や記念館めぐりをして、日本の心を紹介したいものだと感じました。
返信する
夫婦一緒 (マッキー)
2014-06-03 08:57:13
 子育てが終わろうとする頃、やっと夫婦2人で過ごす時間が持てると思ったのですが、再びスタートに逆戻りで、そうした時間が持てない私です。かつて、それでもいいのかと念を押した私でしたが、妻はきっぱりと頷きました。
 結婚した翌年に、第一子が生まれましたので、二人の静かな時間を持った記憶は、ほとんどありません。男の平均寿命80歳(余命ですともっと長いはずですが)と、60歳を超えた自分の年齢を考えると、4日の休日の内、3日が過ぎて、4日目に入ったのだと、具体的に対比して、唖然とすることがあります。それでも、ゆったりとした夫婦の時間は持てません。
 koderaさん、何はともあれ、ご夫婦の週末旅行をお楽しみください。修学旅行が名目で、楽しむことが全てであったのと同様、リハビリ旅行・勉強旅行、題目はなんでも結構ですので、これからも楽しいひと時をお過ごしになってください。
 これから、都会と田舎の格差は、ますます大きくなっていくでしょう。ただし、かつての都市問題は比重が小さくなり、独居老人問題や老々介護など、ライフサイクルに係る問題が急浮上してきました。
 地縁的な関係が残る過疎化した田舎よりも、都会の中の独居老人のほうが、住みづらい世の中だとも言えます。外に目を向け見聞を広めることは、自分の足元を見つめる契機になります。
 「日本中にある落語の主人公の偉人たちの遺跡や記念館めぐり」とは、koderaさんらしくて面白い旅の仕方ですね。ご夫婦の旅、また教えて頂きたいと思います。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

教育」カテゴリの最新記事