桑の木と言えば、蚕の餌として使う葉を採るために栽培している木として、養蚕とセットに記憶される木です。
そうした理由から、その人が生まれ育った地域により、馴染みがあるかどうか差異が大きい木です。
かつて、養蚕が盛んであった時代、群馬や福島などに、桑畑が広がっていました。
蚕を、群馬出身の友達が“オカイコサマ”と呼んだのに、私は驚かされました。
御と様をつけて呼ぶほど、その地方の人たちの生計を支えていたのでしょう。

桑の木
そうした時代は過ぎ去り、養蚕が廃れた今日、桑畑は様々に用途変更され活用されているか、または地方の少子高齢化の波にさらされ荒れ地となっている のでしょう。
私は、新潟で育ちましたので、町を少し出ると水田が果てしなく広がっていました。
したがって、桑畑は私の周囲にはなく、新潟では意識して見たことも無く成長しました。
大学時代、列車に乗って上京する際に、群馬辺りを通過するとき、車窓から「あれが桑畑かな?」と言った程度の、桑との付き合いでした。
桑の木には、食べられる実が成ることも知ってはいましたが、実際それを見たことは、子どもの頃にはありませんでした。
その後、山に登り始めるようになって、山間部に入ると、「もしかしたらこれが桑の実では?」と思わせる実を付けた木を見かけることがありました。
…それにしても、桑畑の桑の木とは大分異なり、それがとても大きな木だったりして、確信が持てなく、その実を口にすることもありませんでした。
昨年、私の山菜師匠Y氏と山に登った際、その下山路に大きな桑の木があり、熟した桑の実をいっぱいつけていました。
師匠は、落ちていた黒く熟した実を口に入れ、美味しそうにそれを食べてしまいました。
「オー、やっぱりこれが桑の実だったんだ!」…私にとって一つ問題が解決しましたが、その時はその実を食べることはしませんでした。
なぜなら、その木は、要壁の上に根をはっていて、食べるとしたら、落ちている実だけでしたから!
師匠と山に入ると、彼は木イチゴなど食べられそうな実を、むしゃむしゃ手当たり次第に食べてしまいます。
初めは、洗わない自然の実を食べるのは、不衛生だなと感じていましたが、慣れてしまうと、そうしたことは気にならなくなり、ついに現在では私も師匠に右習えの状態です。
「オッ、これはもしや!」
私のブログを読んでおられる方はご存知のように、時折午前中、住んでいる周辺を散歩します。
その散歩コースの公園に、なんと桑の木が生えているではありませんか。

桑の葉…この様に切れ込みが入ったものと、丸い葉のものがあります
「こんな場所に、桑の木を植栽しているとは。」
よく見ると、まだ色は青いですが、しっかりとたっぷりと実をつけていました。

桑の実
「よし、今年はこの桑の実を使って、ジャムを作ってみよう!」
この時から、胸がワクワクする私の「桑の実ジャム作戦」が始まったのでした。
「何を採っておられるんですか?」

小さなタッパーを手に、桑の実を取っていると、見知らぬ人から聞かれます。…実は、私は聞かれたくないんだけれど……人は、自分のしていることを質問されるのは苦手らしい。
無論丁寧に答えます。…「桑の実を採っているんです。」
「これが、桑の実ですか。それで、これは食べられるんですか……。」
そうした質問をする方は、私よりもだいぶ年を取っておられる方が多く、中高年も桑の実を知らない人が意外に多いことを知りました。
赤く実ってくるごとに、小さなタッパーがいっぱいになれば充分な程度に、小分けに桑の実を採集しました。…なぜなら、鳥よりも虫よりも、そして競争相手よりも先に、その実を収穫する必要があったからです。

採集した実は、きれいに洗い、砂糖漬けして次々と冷蔵庫に保管しました。
いよいよ、桑の実ジャムを作るに充分な量が確保され、ジャム作りの実行です。
材料は、採集した桑の実・砂糖・レモン・ゲル化剤。
様々なジャムを作ってきましたので、今回の桑の実のジャムも、さほど苦労することなく、一般的なジャムの作り方で完成しました。

なんか、見栄えが悪いな!
味はグー!しかし虫のジャムみたいだな!

初め作った桑の実ジャム…実は煮くずれないで元の形状のまま
そこで、このジャムをすり鉢に入れて、実をつぶしてみました。
今度は、できあがったジャムは、イチゴジャムそっくりの色と形状になりました。

すり鉢で、実をすりつぶした後のジャム
桑の実のジャムは、考えていたよりも癖が無く、イチゴジャムといって他の人に食べさせれば、そう信じて食べるような出来具合です。
イチゴジャムのように、小さな種がジャムに浮かんでいるのも同じです。
こうして、私の『桑の実ジャム作戦』は成功裏に終わりました。
「あれ、どうしたんだ!」
桑の実ジャム第二弾を考えて、例の桑の木が生えていた場所に行って、驚きました。
まだ、たっぷりと実をつけていた桑の木が剪定され、幹とそこにわずかばかりの小枝が生えているほどに、すっかりその姿を変えていたのでした。

剪定された桑の木
それだけでなく、植え込みの「ヒルガオ」、そして「ヤマイモ」のツルもすっかり取り払われ整然として、しかしそれらの植物にとっては、悲惨な状況になっていました。
ヤマイモのムカゴを、秋には収穫できると目論んでいましたが、これでは無理か?
それとも、これからまたつるを伸ばして、秋にはムカゴを付けるのか?
これは、昨年初めて秋にムカゴがなっていることに気づき収穫した私には、答えは出ません。
桑の実のように、都市化した住宅街にも、かつて人々が楽しんだ自然の恵みが、よく観察すると残っていたり、植栽されていたりします。
そうした自然の恵みを捜してみるのも、日常生活を楽しく送るヒントとなり、また四季折々の自然を楽しむ方法でもあるように思います。

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そうした理由から、その人が生まれ育った地域により、馴染みがあるかどうか差異が大きい木です。
かつて、養蚕が盛んであった時代、群馬や福島などに、桑畑が広がっていました。
蚕を、群馬出身の友達が“オカイコサマ”と呼んだのに、私は驚かされました。
御と様をつけて呼ぶほど、その地方の人たちの生計を支えていたのでしょう。

桑の木
そうした時代は過ぎ去り、養蚕が廃れた今日、桑畑は様々に用途変更され活用されているか、または地方の少子高齢化の波にさらされ荒れ地となっている のでしょう。
私は、新潟で育ちましたので、町を少し出ると水田が果てしなく広がっていました。
したがって、桑畑は私の周囲にはなく、新潟では意識して見たことも無く成長しました。
大学時代、列車に乗って上京する際に、群馬辺りを通過するとき、車窓から「あれが桑畑かな?」と言った程度の、桑との付き合いでした。
桑の木には、食べられる実が成ることも知ってはいましたが、実際それを見たことは、子どもの頃にはありませんでした。
その後、山に登り始めるようになって、山間部に入ると、「もしかしたらこれが桑の実では?」と思わせる実を付けた木を見かけることがありました。
…それにしても、桑畑の桑の木とは大分異なり、それがとても大きな木だったりして、確信が持てなく、その実を口にすることもありませんでした。
昨年、私の山菜師匠Y氏と山に登った際、その下山路に大きな桑の木があり、熟した桑の実をいっぱいつけていました。
師匠は、落ちていた黒く熟した実を口に入れ、美味しそうにそれを食べてしまいました。
「オー、やっぱりこれが桑の実だったんだ!」…私にとって一つ問題が解決しましたが、その時はその実を食べることはしませんでした。
なぜなら、その木は、要壁の上に根をはっていて、食べるとしたら、落ちている実だけでしたから!
師匠と山に入ると、彼は木イチゴなど食べられそうな実を、むしゃむしゃ手当たり次第に食べてしまいます。
初めは、洗わない自然の実を食べるのは、不衛生だなと感じていましたが、慣れてしまうと、そうしたことは気にならなくなり、ついに現在では私も師匠に右習えの状態です。
「オッ、これはもしや!」
私のブログを読んでおられる方はご存知のように、時折午前中、住んでいる周辺を散歩します。
その散歩コースの公園に、なんと桑の木が生えているではありませんか。

桑の葉…この様に切れ込みが入ったものと、丸い葉のものがあります
「こんな場所に、桑の木を植栽しているとは。」
よく見ると、まだ色は青いですが、しっかりとたっぷりと実をつけていました。

桑の実
「よし、今年はこの桑の実を使って、ジャムを作ってみよう!」
この時から、胸がワクワクする私の「桑の実ジャム作戦」が始まったのでした。
「何を採っておられるんですか?」

小さなタッパーを手に、桑の実を取っていると、見知らぬ人から聞かれます。…実は、私は聞かれたくないんだけれど……人は、自分のしていることを質問されるのは苦手らしい。
無論丁寧に答えます。…「桑の実を採っているんです。」
「これが、桑の実ですか。それで、これは食べられるんですか……。」
そうした質問をする方は、私よりもだいぶ年を取っておられる方が多く、中高年も桑の実を知らない人が意外に多いことを知りました。
赤く実ってくるごとに、小さなタッパーがいっぱいになれば充分な程度に、小分けに桑の実を採集しました。…なぜなら、鳥よりも虫よりも、そして競争相手よりも先に、その実を収穫する必要があったからです。

採集した実は、きれいに洗い、砂糖漬けして次々と冷蔵庫に保管しました。
いよいよ、桑の実ジャムを作るに充分な量が確保され、ジャム作りの実行です。
材料は、採集した桑の実・砂糖・レモン・ゲル化剤。
様々なジャムを作ってきましたので、今回の桑の実のジャムも、さほど苦労することなく、一般的なジャムの作り方で完成しました。

なんか、見栄えが悪いな!
味はグー!しかし虫のジャムみたいだな!

初め作った桑の実ジャム…実は煮くずれないで元の形状のまま
そこで、このジャムをすり鉢に入れて、実をつぶしてみました。
今度は、できあがったジャムは、イチゴジャムそっくりの色と形状になりました。

すり鉢で、実をすりつぶした後のジャム
桑の実のジャムは、考えていたよりも癖が無く、イチゴジャムといって他の人に食べさせれば、そう信じて食べるような出来具合です。
イチゴジャムのように、小さな種がジャムに浮かんでいるのも同じです。
こうして、私の『桑の実ジャム作戦』は成功裏に終わりました。
「あれ、どうしたんだ!」
桑の実ジャム第二弾を考えて、例の桑の木が生えていた場所に行って、驚きました。
まだ、たっぷりと実をつけていた桑の木が剪定され、幹とそこにわずかばかりの小枝が生えているほどに、すっかりその姿を変えていたのでした。

剪定された桑の木
それだけでなく、植え込みの「ヒルガオ」、そして「ヤマイモ」のツルもすっかり取り払われ整然として、しかしそれらの植物にとっては、悲惨な状況になっていました。
ヤマイモのムカゴを、秋には収穫できると目論んでいましたが、これでは無理か?
それとも、これからまたつるを伸ばして、秋にはムカゴを付けるのか?
これは、昨年初めて秋にムカゴがなっていることに気づき収穫した私には、答えは出ません。
桑の実のように、都市化した住宅街にも、かつて人々が楽しんだ自然の恵みが、よく観察すると残っていたり、植栽されていたりします。
そうした自然の恵みを捜してみるのも、日常生活を楽しく送るヒントとなり、また四季折々の自然を楽しむ方法でもあるように思います。

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