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「マッキーのつれづれ日記」

進学教室の主宰が、豊富な経験を基に、教育や受験必勝法を伝授。また、時事問題・趣味の山登り・美術鑑賞などについて綴る。

マッキーが教える算数…今春の中学入試問題にチャレンジ(3)…小町算

2008年08月06日 | 学習指導法
公立一貫校・私立中学校両方に出題可能な問題

公立一貫校が、私立中学の入試問題を意識しながら作成されるのと同様に、私立中学入試問題が、公立一貫校の問題に影響を受けることもあります。

小町算は、私立中学入試には、今まで馴染まない問題と考えられて出題も希でしたが、最近出題率が高まっているようです。

数値計算処理に慣れているかどうか。
根気よく順序よく解答を求めることができるか。
小町算は、そのような力を見る問題としては、毛色の違った問題です。
そのパズル性が、どなたにも興味を持てる問題だと思います。

公立小学校で、以前この小町算を課題として取り上げて、学習しました。
やはり案の定、子供たちはそのパズル性に興味を持ったようでした。


「小町算」とは?

「小町算」は、平安時代の歌人『小野小町』にちなんで、江戸時代の数学者が考えたものです。

元の問題は、1から9までの数字を、順序を変えないで演算記号(+、-、×、÷)を使って、99または100に等しくなるように等式を作るというものです。
時間があったらチャレンジしてみて下さい。


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【ウォーミングアップ問題】

まず入試問題を解く前に、基本的問題を解いてみましょう。
つぎの□の中に、+、-、×、÷の記号や(  )を使って、次の等式を完成させて下さい。
各記号は、使っても使わなくてもよいものとします。
(答えは、1通りではありません)
3□3□3□3=1        
3□3□3□3=2        
3□3□3□3=3        
3□3□3□3=4        
3□3□3□3=5 
       

【問題その1】

獨協埼玉中学校【1の(2)】
次の□の中に、+、-、×、÷のどれかを入れて、式を完成させなさい。
2/3×9+36□4=21-(5-2)□2


【問題その2】

東海大学附属浦安高等学校中等部【3】
2,3,6,9の数字が書いてあるカードと、+、×、÷の記号が書いてあるカードが、1枚ずつ合計7枚あります。
数字のカードと記号のカードを交互にすべて並べることで、計算式をつくることにしました。
次の問いに答えなさい。
(1)計算式は何通りできますか。
(2)計算式の結果で一番小さい数を求めなさい。


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【問題その3】

麻布中学校【4】
次の□にたし算の記号+か、かけ算の記号×のいずれかを入れて計算をします。
次の問いに答えなさい。
(1)1□2□3□4 を計算したとき、それぞれの計算結果を小さい順に答えなさい。
ただし、計算結果が同じ時は1回だけ書きなさい。
(2)次の式の□に当てはまる+、×の入れ方を2通り答えなさい。+、×の記号はていねいに書きなさい。
1□2□3□4□5=2□3□4□5□6


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【ウォーミングアップ問題解説】

この問題は、小町算としては、とても簡単な問題です。
公立小学校の生徒も、かなり素早く解答していました。

この問題の解答は、何通りもあります。
私が解答したものを、具体例として下に挙げておきます。

3×3÷3÷3=1        
3÷3+3÷3=2        
(3+3+3)÷3=3        
(3×3+3)÷3=4        
(3+3)÷3+3=5        

やり方を理解した人は、この問題で答えが6~10になるように□に記号を入れてみて下さい。
(公立小学校の生徒には、宿題として出しました。)


【問題その1解説】

獨協埼玉の最初の計算・小問の2番目の問題です。
制限時間は、90秒デス。

2/3×9+36□4=21-(5-2)□2

この問題は、まずこの式を簡単にしましょう。
6+36□4=21-3□2
両辺から6を引いて、36□4=15-3□2

ここから、この式が成り立つように□の中に記号を入れると、
36÷4=15-3×2 となります。
よって、□のなかにはいる記号は、左から順に「÷、×」となります。


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【問題その2解説】

この問題は、東海大浦安の大きな問題【3】に出題されました。
(1)の解説
数字を□、記号を○で表すと、
□○□○□○□と並びます。

□の中に入れる数2,3,6,9の入れ方は、
順列(並べ方)の計算方法で、
4×3×2×1=24通り

また、○の中に入れる記号+、×、÷の入れ方は、
同様に、3×2×1=6通り

よって、積の法則で
24×6=144通りが答えです。
この問題(1)は、小町算というより、「順列の問題」と言って良いでしょう

(2)の解説
一番小さい数を出すには、÷9を利用したい。
したがって、
2+3×6÷9=4
よって一番小さい数は、4です。


【問題その3解説】

(1)の解説
1□2□3□4の計算結果は、
□の中にはそれぞれ、+か×の記号が入るから、
同じ答えも含めて、2×2×2=8通り考えられます。

このことを、まず念頭に置き、書き並べて考えていきます。
1+2+3+4=10
1×2+3+4=9
1+2×3+4=11
1+2+3×4=15
1×2×3+4=10
1×2+3×4=14
1+2×3×4=25
1×2×3×4=24
よって、計算結果を小さい順に並べると
答えは、9,10,11,14,15,24,25となります。


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(2)の解説
1□2□3□4□5=2□3□4□5□6
当然解答は、何通りか考えられると予想されます。
こうした問題を、適当に解いていっても意味ありません。
どうしたら、上手く解答できるか工夫しましょう。
まず、□の中に記号を入れて、数値変化の大きい右辺に注目します。

2+3+4+5+6=20
2×3+4+5+6=21
2+3×4+5+6=25
2+3+4×5+6=31
2+3+4+5×6=39
……
できればこの辺までで、左辺と一致する解答がでることを願いたいもの。

1+2+3×4+5=2+3+4+5+6(=20)…1個目…見っけ

1×2+3+4×5=2+3×4+5+6(=25)…2個目…やった

結構早い段階で、解答が出てきました。
もしもこの段階で、解答が出ない場合、実際のテストでは、この問題を後回しにすることも考慮しましょう。

麻布に合格したいなら、この程度の難易度の問題は、確実に得点に結びつけていく解答をしなければなりません。


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石井スポーツで買い物の後、Tさんに教えてもらった雰囲気のある店です


入試では、こうした問題は、時間との勝負となりますから、

順序立てて素早く計算して書き並べていきます。

家庭で挑戦する場合は、小学4年生以上なら十分解答が可能な問題です。

時間を気にせずに、楽しく解いてみましょう




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