「マッキーのつれづれ日記」

進学教室の主宰が、豊富な経験を基に、教育や受験必勝法を伝授。また、時事問題・趣味の山登り・美術鑑賞などについて綴る。

マッキーの時事随想:ロシアのウクライナ侵攻で考えたこと

2022年05月08日 | 時事随想

 世界的な出来事として、また人々の関心を集めている出来事として、ロシアのウクライナ侵攻が多くの人に様々なことを考えさせています。この出来事を単純に解釈すれば、大国ロシアが自分たちの都合に合わせ隣国のウクライナに侵攻した戦争です。正義のウクライナに対して、不義あるいは悪のロシアが、侵略した出来事であり、ロシアが世界から非難を浴びる事件です。

 戦争は国と国との戦いではありますが、最も悲惨な目に合うのは、老人や子供や女性など一般人です。今回の戦いでも、悲惨な目にあっている子どもたちの画像は、多くの人に戦争の悲惨さを否が応でも見せつけました。戦っている若者も、命の危険を冒しながら、相手の戦闘員を殺すことに必死です。殺し合いには、自分に正義が伴うと思えなければ、意欲も喪失してしまいます。

 戦争の厄介なところは、お互いに自分たちが正義だと信じているところだと思われます。ロシアの指導者プーチンも、戦闘員の一人ひとりも、正義の戦いだと思っているのでしょう。世界が不義だ!悪だ!と叫んでも、簡単には考え方を変えることは無いでしょう。

 今回の戦争で、私たちは戦争の悲惨さを再認識させられただけではなく、現在の日本を取り巻く世界情勢を考えさせられました。隣国から侵略されないために軍備を増強し、戦闘能力を向上させることが必要であると考えた方も多かったことでしょう。この論理に賛同する人たちは、弱小国の北朝鮮が、核武装しアメリカまで届くICBMを開発することが、生き残るためにとても大切であるという考え方に対して、最も良い理解者であることになります。そして、憲法9条を破棄し、日本も核武装すべきという考え方に結びつくと思われます。

 近年、太平洋戦争の日本の行動を、正義だと肯定する人たちが増えているようです。戦争した相手を正義と不義〈悪)に分ける判断は、戦争の勝者が決めて来た歴史があります。したがって、私たちは敗者として、勝者から悪のレッテルを貼られただけだと主張する人もいます。戦争を避ける最大の方法は、軍備を拡張するのではなく、過去に起きた出来事から学ぶことだと考えられます。先の戦争を反省するだけで問題視する最近の風潮が、未来の危険性を増大させています。

 ロシアによる核兵器使用の危惧が現実味を帯びています。無差別に一般市民を対象として、街まるごと破壊する核兵器使用は、人道的にあってはならないことです。アメリカによる日本への核兵器使用は、決死の本土決戦をも考えている日本に対して、自軍の死者を減らす唯一の方法だと正当化しています。そうした観点で、ロシアによるウクライナ侵攻が思うように進まない状況となれば、自軍の損害を減らす方法として、戦術核兵器の使用が机上に上ることはあり得ることです。ウクライナは、無論核保有国ではなく、NATOの一員でもないので、核による反撃も無いと安易に考えることでしょう。ロシアの核使用が、NATOによるロシアへの反撃の核使用に結び付けば、世界が破滅する最終の世界大戦となることも、大げさな空想ではありません。創作の世界が、現実の世界となる危惧を、全世界の人々が共有する必要があります。

 持続可能な社会を目指すために、現在の世界を変えるための17の目標を標榜するSDGsに対して、多くの人が努力を覚悟した近年です。しかし、その基盤となる世界が破滅的な状況に変えられる危険があります。私たちは、自国の安全のためとして、軍拡競争をしてきました。武力が最大の安全装置だとう考えを、私たちは克服することができないでいます。けれどもこのような世界情勢を鑑み、大きな意識変革と世界的な協調により、軍縮を真剣に考えるべきです。争いを避けて、大量破壊兵器を世界的に破棄することが必要です。

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