「当たり前のことを言うが、出生率が死亡率より高くなるような何らかの変化をもたらさない限り、日本は消滅するだろう」と、イーロン・マスク氏がツイートしたとして、ネット上で議論になっています。マスク氏に言われるまでもなく、日本の少子化は大きな問題だと国内でも課題となっています。
少子化の原因は、様々なことが言われていますが、低賃金の非正規雇用者の増加が未婚化を加速していること、女性の社会進出が進んでいますが、子育て支援体制が十分でないことや、子育てにより仕事を離れる際に失う所得が大きいことも、子どもを産むことを躊躇させているようです。
「あなたの国は、子どもを産み育てやすい国だと思いますか」の質問に対して、日本では4割以上が「そう思わない」と回答しており、国際的に見てその割合は相当に高くなっています。少子化の原因を除去するための国の支援が不十分であることを示しています。
中国の大躍進と目を覆いたくなる日本の衰退、もはや日本は先進国ではないと言われて久しい。暫くの間、円安に誘導していると思われる施策を取って来たようであるが、国民の努力で円の価値を上げてきたことを、簡単に売り払っている印象を受けます。物価上昇率を上げることが、デフレからの脱却の指標と考えることがおかしいと考えています。賃金の上昇がない現在、円安で物価が上昇するために、低賃金世帯の生活が厳しくなって来ると思われます。
格差の増大、弱者の切り捨てを政府が率先している日本では、ナチスの障害者安楽死計画の思想と同様に、相模原障害者施設殺傷事件やインフルエンサーによる弱者切り捨て主張などがおきています。中高生のホームレス襲撃事件なども、そうした流れで原因を探ることができます。
世界比較で見ると、日本の子どもには夢がない。日本の子どもの貧困率は、世界的にも極めて高い。ひとり親世帯の貧困率は、目を覆うばかりだ。自己肯定感が低く、過度な自己責任論が蔓延して、子どもがチャレンジしづらい世の中になっているということも将来を考えづらい状況を生み出しています。また、若者が革新的な産業を創出することも、日本においては同様の理由で難しいと思います。セーフティネットがなく、落ちてしまったら命の危険さえある場合、冒険できない世の中となるでしょう。日本においては、自己責任論に縛られて、弱者が救済を求めづらい状況も見られます。
ネット上では、自分の考え方と異なる人に対して、馬鹿だ・アホだ・クソだと言った攻撃的な下品な言葉で溢れています。日本人の美点の一つとして、他人を思いやる慣習があると思いましたが、急速に失われているようです。まず政府の立ち位置から見直し、格差是正と貧困撲滅に積極的な施策を実行してほしいと願っています。それが、少子化を是正する方法の一つであると考えます。