ブギーナイツの館 - 青春の蹉跌から超暇人への道までを記すブログ

のんきな人です。とにかくどうでも良いブログ。

トイズファクトリー時代までの筋肉少女帯について 8 「サーカス団パノラマ島へ帰る」

2018-01-21 17:43:40 | 音楽
本願寺月光蟲です。

ナゴム~トイズ時代までの筋肉少女帯を私的に解説を勝手にしたいと思ってたりします。
しかもあえて時代を遡って書いてます。

一回目はコレ→「トイズファクトリー時代までの筋肉少女帯について 1 UFOと恋人」
2回目はコレ→トイズファクトリー時代までの筋肉少女帯について 2 エリーゼのために
3回目はコレ→トイズファクトリー時代までの筋肉少女帯について 3 SPACE SHOWER ARCHIVE 筋肉少女帯 LIVE 9103
4目はこれ→トイズファクトリー時代までの筋肉少女帯について 4「断罪断罪また残罪」
5目はこれ→トイズファクトリー時代までの筋肉少女帯について 5 「月光蟲」
6回目はこれ→トイズファクトリー時代までの筋肉少女帯について 6 「筋少の大水銀」
7回目はコレ→トイズファクトリー時代までの筋肉少女帯について 7 「どこへでも行ける切手 初期アルバム1st~8th曲限定ライブSP」

第8回は筋肉少女帯の出世作となった「サーカス団パノラマ島へ帰る」です。



収録曲はこちら↓


サーカスの来た日
(作曲:橘高文彦 / 編曲:筋肉少女帯、是永巧一)
2.ビッキー・ホリディの唄
(作詞:大槻ケンヂ / 作曲:大槻ケンヂ / 編曲:筋肉少女帯、是永巧一)
3.詩人オウムの世界
(作詞:大槻ケンヂ / 作曲:橘高文彦 / 編曲:筋肉少女帯、是永巧一)
狂った詩人オウムが世界を破滅させようとするストーリー。曲名と内容がオウム真理教に酷似しているがこの曲はオウム真理教が社会問題になる前に作られた曲なので一切関係ない。
4.労働者M
(作詞:大槻ケンヂ、内田雄一郎、前島明博 / 作曲:内田雄一郎、前島明博 / 編曲:筋肉少女帯、是永巧一)
クレジットにある前島明博とは大槻・内田のクラスメイト。淡々と工場で働く労働者の葛藤を描いている。この曲のコンセプトはももいろクローバーZの「労働讃歌」に受け継がれている(作詞は大槻ケンヂ)。
5.アメリカン・ショートヘアーの少年
(作詞:大槻ケンヂ / 作曲:内田雄一郎、橘高文彦 / 編曲:筋肉少女帯、是永巧一)
6.23の瞳
(作詞:大槻ケンヂ / 作曲:大槻ケンヂ / 編曲:筋肉少女帯、是永巧一)
7.電波Boogie
(作詞:大槻ケンヂ / 作曲:筋肉少女帯 / 編曲:筋肉少女帯、是永巧一)
8.パノラマ島へ帰る
(作詞:大槻ケンヂ / 作曲:大槻ケンヂ / 編曲:ホッピー神山、是永巧一)
9.航海の日
(作曲:橘高文彦 / 編曲:筋肉少女帯、是永巧一)
10.また会えたらいいね
(作詞:大槻ケンヂ / 作曲:大槻ケンヂ、内田雄一郎 / 編曲:筋肉少女帯、是永巧一)
11.お別れの日
(作曲:太田明 / 編曲:筋肉少女帯、是永巧一)
12.元祖高木ブー伝説

(作詞:大槻ケンヂ / 作曲:大槻ケンヂ / 編曲:筋肉少女帯・オーケストラアレンジ:上野耕路)


↑収録曲はこれらの曲だがこのアルバムはいわゆるコンセプトアルバムになっています。
発売当初を振り返ってみます。

発売日は1990年2月。
当時のロック産業は儲かりすぎてる時代。
いわゆるバンドブームで、Xやボウイ、ユニコーンに限らず、いわゆるバンドをやるのがブームでした。
今の時代(2018年)ならラップのブームや第二次V系ブームよりも凄かったんです。
「息子や娘がグレる位なら楽器を買ってあげてバンドやらせたほうがマシ」というような状況でもありました。
ヤンキーに走らないように親が楽器を子供に買ってあげる時代だったんですよ。
親が高価な楽器を買ってあげるって、今は信じられないかもしれないけれど、当時の親達は団塊世代なので貧乏な家庭ってあまりなかったんです。
当時、ヤンキーがギターを学校でよく弾いてたのを覚えています。
ヤンキーとロックの境目が【テレビや他のメディア】のおかげでバンドを組むのがブームだったんです。
時代と言えばそれまでですが、そんだけバンドがブームだったんです。
テクノやラップのブームはもう少し後になりますね。

確かに当時の親達にしてみたら「ヤンキーになるより楽器買ってあげてバンドやってた方がマシ」という状況でした。

そんな時代の中、出たのがこの「サーカス団パノラマ島へ帰る」でした。
なんと当時、オリコン3位という偉業を成し遂げた筋肉少女帯。

何故3位に入ったのか?という疑問があるわけですが、答えはいくつかある。

●バンドブームだった
●ボーナストラックの「元祖高木ブー伝説」目当てな人が多数いた
●コミックバンドを求めてた人達がかなりいた
●筋肉少女帯をコミックバンドとして勘違いしていた人がかなりの人数だった

てな理由が含まれたた記憶があります。
大槻が笑っていいともやとんねるずの番組に出たり、ラジオやったりとメディア露出も凄かったです。
メディアは大槻もエッセイで語っているように「バンドマンで話せるやつ」をマスコミが求めてた時代です。
そうなってくると、デーモン小暮、大槻、リモートの池田貴族、電気グルーヴ、氏神一番、、、、、。
ボウイやx、ユニコーン等はテレビに出てもあまり話さず。


このアルバムは不思議な売れ方で奇跡を起こしたわけですが、このアルバム前に「元祖高木ブー伝説」をシングルで出したからってのが、売れた理由が事実としてあると思います。
シングルの「元祖高木ブー伝説」はトップテンなどの歌番組で歌ったり、と。
しかもその前に「日本インド化計画」もミニアルバムに入っていて、悪い言い方すると色物、もしくはコミックバンドとして認知されていて、爆風スランプの後釜みたいなイメージがついていた。
「高木ブー伝説」は元々インディーズの時代の曲だったが。

本題に戻ります。
このアルバムはコンセプトアルバムになっています。
この当時買った客の大半は「元祖高木ブー伝説」目当てだったんだけど、聴いてみると拍子抜けした人が大半だったはずです。
そもそも、コンセプトアルバムなのにボーナストラックとして「元祖高木ブー伝説」が入ってるわけだが、本当は真面目なバンドだったわけで。
しかも真面目なバンドだと認識されつつも、買った人間の大半は小馬鹿にしていて「よくわからん歌をうたっている」と言う風に受け取ったわけです。
サーカスだのピエロだの電波だの猫だの、普通にノリで買った人は笑いを求めてるのにそのズレが酷く、売れたのに数年後までに中古レコ-ド屋にあふれるようになったんです。

時代は実は筋肉少女帯を求めてなかったような気がします。
演奏は上手いし歌詞も素晴らしい。
だがテレビやラジオで筋肉少女帯を知った人達は、そんな事は気にしないわけで。
「とにかく笑わせろ」みたいになってた時期だと思います。

だが、一部の熱狂的な客はこのアルバムは名盤として扱われていると思います。
むしろ、もっといううと「ボーナストラックの元祖高木ブー伝説はいらなかった」と発売当時に思ったと思います。
コンセプトアルバムがゆえに、ボーナストラックの「元祖高木ブー伝説」は無意味という気分になった客がかなりいたと思います。
ですが、当時オリコン3位に入った理由の一番の理由はやはり「元祖高木ブー伝説」が入ってたのはでかいと思います。
知名度が上がったものの誤解を受ける筋肉少女帯。
当時、大槻が言っていたのは「受けるために笑いを取り入れた」みたいな発言を多くしていたのを覚えています。

ファンとしてはジレンマというか、他人に「筋肉少女帯が好きだ」と言えない空気がとにかく満載。
大槻も後のエッセイで語ってるように、「せいきまつ、すかんと、筋肉少女帯 の3バンドはバンギャから嫌われてた」と言っているけれど、確かにその通りだった時代でしたね。
男もボウイやエックス、バービーボーイズ、マニアぶってる男女もV系初期バンドばかり好きだったわけです。
だから面白い話だけれど「笑いたいし、気になってるからこのアルバム買ったけど人に言えない」みたいな感じで、皆が他人に言わない。
その人数が膨大でオリコン3位というわけのわからない状態になる。

当時の音楽雑誌のライターですらまともな評価はしてなかったと記憶しています。

アルバムは実は素晴らしい内用。
コンセプトアルバムなだけあって本当に素晴らしいです。
スラッシュメタルからプログレに挑み、ポップなチューンが多く素晴らしい出来でしたが当時は上記の理由で過小評価されてた気がします。

バンドブーム絶頂期に出たアルバムでコンセプトアルバムでボーナストラックは売れたシングル「元祖高木ブー伝説」と、色々な奇跡が起こりオリコン3位という記録に。
本来そんなに売れるわけないはずだが奇跡を起こしたアルバム。

曲はすべてにおいて素晴らしいです。
ですが、ライブツアーは大槻の【お仕事感満載】でありまして、武道館だのでかいとろだけ頑張ってて、地方は手抜きなイメージが本当に強く・・・・・。
「上手くこなしてる」的なライブばかりだったのを覚えています。

しかし、このアルバムも今リマスター再発されていますが他のアルバムより評価が低い気がするんですよねえ。何故だろうか。
トイズファクトリー時代のこの時期、そして「月光蟲」あたりまでは幻想的な曲が多いからかもしれませんね。

コンセプトアルバムとして本当に素晴らしいし、いまだにボーナストラックの「元祖高木ブー伝説」もいらなかった気はします(笑)
あと、このアルバムの「労働者M」なんて、当時、ケラさん(ナゴムレコード社長・今は劇団ナイロン100℃主催で劇団で有名)が怒ってたのもここに記しておきたい。
元々は大槻と内田とケラのユニット空手バカボンの曲で、ケラが当時「なんで人の作った曲を筋肉少女帯名義で出してるんだよ」と・・・・・・。
まあねえ・・・・わからんでもないけど(笑)
そこらへんは大槻の性格というか頭の良さというか、空手バカボンの曲が筋肉少女帯に使う場合かなり練り直されてるんだよなあ。
客にはあまり違和感がないしなあ。
ケラさん気の毒というか・・・・。
まあ、「許してやってよ」というような感じですね。

このアルバム、コンセプトアルバムとして本当に素晴らしいので聞き込んでみてください。
いかにボーナストラックがいらないかわかりますから(笑)




  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする