オーディオ測定、オーディオ用測定器の解説

 測定器と、他は過去に学んだことへのコメント。

インダクタンスと限界電流値が未知のチョークの測定法

2018年11月19日 | 測定/オーディオ

8800g 7H 700mA   35Ω
5300g 10H 400mA  31Ω
5120g 20mH 15A  11mΩ
3540g 10h 300mA  63Ω
3230g 5H  400mA  55Ω
2040g 630mH 800mA 10Ω
2010g 320mH  1A   3Ω
2350g 10H 250mA 117Ω
1900g 10H 200mA 150Ω
1610g  5H  250mA 80Ω
1100g 10h 130mA 165Ω
980g 10H 125mA  250Ω
930g  10h 100mA 230Ω
510g  20H 50mA  430Ω
440g   5mH  3A    3Ω
390g  100mH 0.5A  4Ω
290g  20mH  1A 638mΩ
150g  1H  150mA  24Ω




インダクタンスと限界電流値が未知のチョークの測定法



 平滑用チョークのインダクタンスと限界電流値を測ることは原理そのものは難しさはありません。DCを流す測り方も電流が小さい場合は普通のブリッジでも可能です。然し、電流が大きくなるに従って困難さが著しく増大します。専用の測定器がかつて米国GR社によって製造されましたが、ブリッジ部、200Wの電力増幅器、強力なDC電源の三点セットから成り、重量も150Kgに達する猛烈なものでした。その他のメーカーからも大掛かりなものが出ているようですが、ひどく高価なものです。此処は薀蓄を披露する場ではなく、アマチュアが絶対入手出きないものを知っても意味が無いので詳細は省略します。以下は物量と資金にごくごく低いレヴェルでの限界が有るアマチュア向けの測定法です。

簡便測定法/直列比較法

 

1、インダクタンスと電流値が不明のチョークLxとそれらが既知で電流値がLxより大きいことがハッキリ分っているチョークLsを直列に接続して100Hz(60Hz地域では120Hz)の脈流を加えます。
2、LxとLsそれぞれに発生する交流電圧を2CHミリバルで比較します。交流電圧の比はほぼインダクタンスの比を示します。交流電圧の測定は出来る限り2CHミリバルが望ましいです。測定値よりも二つの指針の開きの変化を見るのが視覚的に分りやすいのであります。
3、LxとLsに発生する交流電圧は当初は比例関係を保ちますが、電流を増やしていくと、許容電流の小さいほうが先にマイッて(磁気飽和して)、その比が大きく変わります。この時2CHミリバルの二つの針の角度が大きく変わります。これによりLxの限界電流値を得ます。

 鉄心が入ったチョークは電流だけでなく加わる電圧でもその値が変動します。表示する基準が厳格に定められていないのなら大きく(良く)表示する余地が有るわけです。市販されている平滑チョークのインダクタンスと電流値の表示を調べるとメーカーにより甘辛が有り、どうやら表示の基準が各社同一ではないようです。そこで前述において辛めのタムラ、東立などのものを選んでそれとの比較で表示するほうが実際的です。
 一般的に言ってどんな分野でも、老舗のメーカーは控え目に表示し、後発のメーカーは目を惹くように表示することが起こりがちなので、経験有るユーザーはそのことを予測し、カタログ数値のみで比較することは有りません。

補足1:平滑チョークは、PP用の出力トランスに比べれば、コアにギャップが有るためにLの変化は随分小さいので(シングル用OPTの一次インダクタンス変化が小さいのはそれです)、直流を流さない測り方でも大雑把になら予測することは出来ます。そこでごく簡単に前以てLをブリッジ(或いは他の方法で)で測っておきます。ついでに重さとDCRを測ればどれくらいの電流を流せるかはあまり酷い誤りが無い範囲で予測出来ます。直列比較法ではLxよりは限界電流の多いLsを用意しますが、万一LsよりLxの限界電流が大きい場合は更に電流の大きいLsを用意するか、Rで代用します。Lsの替りにRで代用するのはLxの電流が大きいときは案外面倒なので、なるべく電流の多いLはLs用にとっておきます。

補足2:平滑チュークに流せる電流を上記説明とは全く無関係に巻き線の抵抗値が20%増加(すなわち巻き線温度上昇)する電流値によって限界を推定する方法も有ります。こちらの限界が上記説明文より低い場合はこちらを採用すべきです。


 以下にも別法を示しますが、いずれも限界電流値を得るのがやや面倒です。

補足3:適当な脈流を用意し、そこに、試料によるパイ型フィルターを作ってフィルターの前と後とのリップルの減衰比を知り、それが1/(ω^2LC)であることからLを求める方法は有効な方法です。メーカー製の表示と近似させる為には測定条件も近似させる必要が有り、その為には脈流の電源電圧と負荷抵抗の両方を調整出来るようにする等の特別の工夫が必要です。これが案外面倒なのであります。





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