オーディオ測定、オーディオ用測定器の解説

 測定器と、他は過去に学んだことへのコメント。

測定器解説:校正器

2014年06月12日 | 測定器の種類別解説

校正について

 中古測定器はその正確さが気になるものです。この問題については測定器(およびその取引)に不慣れな人ほど厳格に考える傾向があり、これに対し、ヴェテランはあまり気にしません。何故なら、だいたい測定器というのは、目視で異常が無く、DC的、AC的に異常が無ければ、問題になるほど狂ってるということは殆ど無いのです。ジャンク屋のオヤジは横河のメーターを揺さぶってみて、動いてるみたいよ!といいますが、ああやって動いてるメーターで大きく狂ってるのを見たことは記憶にありません。これはあまりに簡単な例ですが、もっと複雑な構成のものでも事情はそれほど変わりません。

 私の場合、或る交流電圧を発生させる測定器は少なくとも数台は有ります。それを測定する機器も常に数台は有ります。この場合、確率的にみれば或る範囲から離れた計器があれば、それが狂ってる可能性が高く、逆に或る範囲から離れた計器が正確で他が信用出来ない可能性は極端に少ないと言えるでしょう。

 このように出力側と入力側を複数にし、それが近似していれば正確であると予想します。粗っぽいですが、少なくともアマチュアのホームユースではこの発想で十分です。

 費用の話をすれば、定期校正などは個人では実現不可能です。試みにメーカーに問い合わせるのも良いでしょう。特にAC電流は目を剥く高額です。これだけで初級クラスの測定器が買えます。結局、これは資金量の問題なので、正確さについてどのような考えを持つのも自由ですが、自己が支出し得る資金に見合わない考えを持つのは無意味です。


校正器

 校正器というのは普通、直流と交流の電圧と電流、あとは抵抗くらいがメインです。抵抗は横河の標準抵抗器で間に合います。直流と交流の電圧校正は被校正測定器の入力抵抗が問題なので、これが10MΩと言った大きさが有れば、校正器の出力抵抗が1KΩでも誤差は約1/1000となります。然しながら、被校正計器の入力抵抗が低くなれば誤差を少なくする為には出力抵抗も低くならざるを得ず、従って校正器の出力抵抗は出来る限り低いことが求められます。また、電流を校正する電流発生器も低すぎる供給電圧では用を成さない為、結局、市販される標準電圧電流発生器には電力増幅器が別に必要になり、途方も無いコスト、重量となるわけです。

 結局、アマチュアのシャックに於いては校正電圧の発生器等は諦め、やや不便ながら、価格にして高くとも20万円くらいまでのディジボルを三年に一度校正に出すくらいで我慢するのですが、これで不足を覚えることはまず無いと考えられます。それ以上はアマチュアには荷が勝ち過ぎるでしょう。

具体的な製品紹介

横河 2793 ディケード抵抗箱
 0.001Ωー1KΩ
CLAROSTAT 240C 電力型ディケード抵抗箱
CLAROSTAT 250 電力型ディケード抵抗箱
HP/738BR VOLTMETER CALIBRATOR
 出力:DC及びAC(400Hz) 0.3mV-300V 1-3-10及び1.5-5-15ステップ
 出力抵抗最大で7.5KΩ
ESI/RV722 VOLTAGE DIVIDER
 入力抵抗;100KΩ 入力最大700V 7桁
GERTSCH/1011R RATIO TRANSFORMER
GERTSCH/RT-7 RATIO TRANSFORMER

以後書き足し予定有り


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