オーディオ測定、オーディオ用測定器の解説

 測定器と、他は過去に学んだことへのコメント。

gm測定をやって気づくこと

2018年11月06日 | 測定/オーディオ
 
 gm測定をやってるうちに気づいたことがある。gm測定は原理的な難しさは無いが、真空管回路や交流理論の基本の基本がわからないと、思わぬミスをしてしまうのでオーディオ製作しかやらない人にはハードルは低くない。


 さて、ごく少数ながらTV7やTV2(基本的にTV7のゴージャス型のようなものでメーターは多いが原理はオーソドックスではない)に拠らない測定をして、売ってる人もいるようだ。


 交流的な測定をせず、DC的のみの測定で済ませている人がいて、これまではそれでは不足のように思っていたが、近頃では実用上はそれで十分と思うようになった。

 それは与えられた成極電圧で十分な電流が流れている状態ではgmも不足が無い場合が殆どであり、実用上はgmのテストかDC電流のテストをすれば良い、いいかえるといずれか片方の測定をすれば足りるのだ。


 然るに世の真空管測定器がgm表示としているのはなぜだろうか。

 真空管はパワー管ならばバイアス電圧も大きいが、電圧増幅管では小さいものが少なくない。ここで2ミリモーの真空管を測定しようとすると1V変化させても2ミリAしか動かないが、そもそもバイアスの小さい球のバイアスを1Vも変化させて良いのかという疑問もある。バイアスの変化をより少なくするためにはより微小なDC電流の変化を検出せねばならない。測定器を精密に作ったのでは機器が複雑化、大型化する。

 それだったら、変化分はトランスを使い交流分を測定したほうが簡素化、小型化できる。


 おおかた以上のような事情によるものだろう。それでもgmの小さい球では過大入力にしなければならないのだ。だからマニュアルには測定は短時間でと書いてある。







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