オーディオ測定、オーディオ用測定器の解説

 測定器と、他は過去に学んだことへのコメント。

測定器解説:スペアナ

2012年04月01日 | 測定器の種類別解説


スペクトラムアナライザー(以後スペアナという)

 初心者には敷居の高い測定器です。内容はスーパーヘテロダイン受信機と非常に構成が似ていて、内部に局発が有り、入って来る周波数と混合して、という毎度おなじみのスーパーラジオと似た構成です。言って見れば受信する周波数を連続的に変える(掃引する)ラジオのようなものです。また、低周波スペアナは受信する周波数と同期して変化する発振器(トラッキングジェネレーターと言い、以後TRGと記す)が付属するのが普通なので、これにより増幅器の入出力特性が分るというスグレモノになります。これを使いこなせるようになる為には広範囲の知識が要りますが、習得すると、大変なメリットが有ります。おまけに、オーディオ用のスペアナは使いこなせる段階まで来る人は少ないために、非常に価格が安く、オシロ、発振器2種(広帯域型と、低歪型)、電圧計、ブリッジ、歪率計と揃え終わったら是非検討すべきです。使い慣れると、オシロと同じくらい使用頻度が増える機器です。

 
FFT

 スペアナは前述のように大変便利な測定器ですが、周波数が低くなるほど測定時間が長くなるという欠点がありました。例えば1Hzのバンド幅を持つヒューレットパッカード社の3580Aはそのバンド幅で測定すると掃引に大変な時間が掛かるのです。そこで、周波数分析をディジタル的に処理するフーリエ分析器は従来型スペアナなら長時間掛かる測定をごく短時間で終えてしまう何とも有りがたい機器です。ただ、上限周波数に限界が有り、結局、100KhzまではFFTで、それ以上はスペアナでとなる場合が多いです。

べらぼうに安く出品される重量級低周波スペアナ

 低周波スペアナはハムには人気がさほど無く、オーディオをやる人はスペアナを使いこなせるレヴェルまで来る人が少ないという事情からひどく安くなる傾向が有ります。勿論問題は有って、本格的な機器はかなりの重量になるというネックは有るのですが、場所に余裕の有る人は検討したらどうでしょうか。

HPの3585A、アンリツのMS420シリーズ、タケダのTR4171などがそういう機械です。   

 




スペアナについて

 ラジオ技術社の スペアナのすべて は名著であろうと思いますが(入手は殆ど困難)、そのなかに、この測定器がこれほど人気が出るとは誰も予測しなかった という意味の記述が出てきます。ここで私の事を言えば、スペアナというのは、ファンダメンタルとハーモニックスをCRTの管面に表示するのが主な測定器の筈だが、それが見えたからといって、何なの? という受け取り方でした。ただ、経験豊富なOM達はまず例外なく所有し、その人たちの間では スペアナも持っていないんじゃぁ、、、、といった雰囲気が有ったのも事実です。かくてはならじと私も持つようになったのですが、その有用性(とりわけトラッキングジェネレーターがついたもの)は入手前の予想をはるかに上回るものでした。随分前から、測定器は買う前の検討時間の長さと買った後の満足感の間には何の関係も無い、 ということに気づいておりましたが、それはスペアナの場合にも成り立つ経験法則でありました。

 こうした経験を何度も積むと、買う前によくよく(くよくよ?)考えたり、持ち主に細かく聞いたりということはやらなくなるものであります。で、私の場合も買う前の検討を省略し、まず入手してみるというふうになったのですが、そうなると私宛に売りたい相手が次々に現れるようになり、所有欲と、資金力の狭間で苦慮するようになりました。ただ、幸いにも当今はオークションがあり、要らないものの処分が以前とは比較にならないほど容易になりました。現実にも買ってばかりでは資金と空間の両面で行き詰るので、まず、検討はそこそこで切り上げ買ってみる、要らなくなったらオークションで売れば良い、とまぁ、軽忽とも言えるほど気軽に考えれば良いのです。そうでなければレヴェルアップは不可能です。これまで多くの人との出逢いがありましたが、慎重に検討 というタイプの人は向上はまず困難というのが実感であります。










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