月刊「祭御宅(祭オタク)」

一番後を行くマツオタ月刊誌

131. 杭全神社夏祭:神事を忘れさせない地車(月刊「祭」2019.7月11号)

2019-07-15 01:09:36 | 屋台・だんじり・神輿-組織、祭全体、社会との関わり-

●大阪市杭全神社の祭
7月11日 神輿を洗う
7月12日 地車曳行
7月13日 地車曳行
7月14日 神輿の巡行、太鼓台の巡行
が毎年決まった日程で行われます。

●地車運行
最近聞く話が、地車や屋台の祭がイベント化しているという内容です。確かに一斉にタイミング合わせて全町の屋台や地車が動き出すなど、趣向を懲らしたものが多々あります。
今年は久し振りに大阪市の杭全神社の祭を見に行くことができました。そこで、杭全神社の地車曳行と神輿の巡行を見て行きます。


今年は雨の中で激しく曳いていました。画像をクリックすると映像に行きます。


盛り上がり方はライブ会場さながらですが、よく見ると子どもも立派に役割を果たしています。後輪を上げて回していますが、てこ棒の短さを考えると非常にきつい所作であることが伺えます。

●神輿と太鼓
7月14日 この日は地車は出ません。本祭と言って、御神輿が渡御をします。また、その道を布団太鼓が清めるお先太鼓的な働きもしているように見えました。
神輿は九町中一町が当番制で担当します。今年は泥堂が担当していました。その前年は布団太鼓、今年のはじめには注連縄を地車を使って奉納しています。

三つある御旅所の二つはお寺でした。
御神職さんがご本尊に、ご住職さんが御神輿に恭しく頭を下げていらっしゃる姿に、胸が熱くなる思いがしました。


最後の御旅所長宝寺を出るときに、神社を創建した坂上家の家紋の提灯が先導します。

雨の中の渡御となりました。
画像をクリックすると、映像が見られます。


大念仏寺で布団太鼓の太鼓を打っていたお稚児さんや担ぎ手などを担当した馬場町の人と出会いました。
お互いに讃えあっている姿が見られました。画像をクリックすると映像が見れますが、映り、アングル最悪です(ToT)


こういう場面を見ると、祭はイベント化しつつあるのかもしれませんが、神事もまた、大切にされているのだと実感できます。だんじりによって祭の神事がなくなっていっているのではありません。だんじりがなければ、神事はとうの昔に忘れられていたか、細々としているだけだったかもしれません。だんじりによって、人々の心から神事を忘れないようにしているのではないかと感じた祭でした。