月刊「祭御宅(祭オタク)」

一番後を行くマツオタ月刊誌

130. 金具ビフォーアフター(月刊「祭」2019.7月11号)

2019-07-14 20:46:18 | 屋台・だんじり・神輿-装飾の工芸、新調、改修、修復-

ギンギラギンの屋台はイマイチという方もいるとは思いますが、やはり、光るべきところは光っていてほしいものです。
その代表格が金具です。

約五十年眠っていた金具は再び輝くのでしょうか?

●三木市吉川町若宮神社お先だんじり
若宮神社の祭りといえば、ヤホー神事が兵庫県の無形文化財に指定されています。しかし、宮座や稚児のやりとりなどに関心は向けられていましたが、お先だんじりに研究者の関心が行くことはありませんでした。
管理人が見かけて驚いたのは2008年、ナメラ小僧氏はすでにその存在に目を向けていました。そして、三木が誇る屋台研究家の横山氏の音頭で、昭和40年代に運行を休止していた若宮神社屋台(お先だんじり)が2012年から2013年にかけて整備復旧されました。



破損箇所は木材で補い、彫刻は、細い木の棒などを使ってつなぎ合わせました。
そして、輝きを取り戻すのに必要なのが、金具の復旧です。色のくすんだ金具はどうなったのでしょうか。


ビフォー

頑張って磨きました。
アフターはだいぶ下です。













アフター

管理人の仕事はほんのすこしだけです。横山氏や屋台模型作家のF氏、四国のI氏、明石のK氏のご活躍によるところが大きい復旧となりました。







129. 神戸市東部地車外ゴマの理由(月刊「祭」2019.7月10号)

2019-07-14 19:01:15 | 屋台・だんじり・神輿-台車、骨組み、かけ声、楽器、担ぎ方-

●外ゴマのリスク
神戸市灘区、東灘区には素晴らしい地車が多々あります。その中には大きいもの、小さいもの、自村で発注したものや他村から購入したもの様々あります。
例えば灘区の春日神社都賀地車は大阪から1996年に購入しました。しかしそのままでは使っていません。灘区や東灘区の村が他地域から購入した時に必ずと言っていいほど改変するのが、内側から外側へのコマの付け替えるのです。


現在の大阪市野堂北だんじり コマは内側についています。


外に取り付けられた灘区の地車

しかし、外ゴマの場合、曳行中にコマに足を踏まれる危険性がかなり増すので運行者はかなり気を使わないといけません。
ではなぜそこまで、外ゴマにこだわるのでしょうか

●祭の華の安定

この地域の地車祭の華は、若者たちの屋根の上でのパフォーマンスです。安全紐を腰に当てた状態で屋根の外にせりだすように体を傾けます。このような状態だと両サイドにかなりの重みがかかり、内ゴマだと地車が倒れかねません。なので、外側にコマをつけ地車を安定させているのです。
祭の仕方によって地車がかわるし、もしかしたらこの地域の地車が別の地域に売り出された時、そこの地域の祭りも少し変わるのかもしれません。



128. お経の省略(月刊「祭」2019.7月9号)

2019-07-14 13:17:32 | 民俗・信仰・文化-伝承・信仰-
●12000秒くらいかかる法華経
この世の中にはかなりの数、膨大な数のお経があります。例えば法華経は六万字を超えるので、一秒に5文字となえたとして(かなり早口)、12000秒つまり、三時間二十分かかる計算になります。
読経を専門にしているお坊さんならまだしも、信者にとっては大きな負担になるし、お坊さんにとっても、行事が目白押しの中では必ずしもそれだけに時間を費やすことができないのが現実です。
ですが、人々は読経と同じ功徳を得られる様々な方法を生み出しました。いえ、人々が生み出したのではなく、仏さまが教えてくださったのかもしれません!?

●アコーディオン!?
三木市口吉川町蓮華寺鬼踊り(毎年2月第1日曜日)の前の読経です。この日は、近隣の寺院からもお坊さんが馳せ参じお経を上げてくださいます。そして、写真のようにお経をバラバラと読み上げます。写真をクリックすると5秒の動画へジャンプします。


●般若心経を
大阪市平野区長宝寺のものです。おそらく般若心経です。一回まわすと一誦したことを意味するのでしょうか。


●ネパールから
大阪市平野区全興寺にて。学校建設のお礼にいただいたもので、中にお経が入っているとのことです。