●不安定な身分
好きな祭の研究を仕事にしたい。などとひとすじのチャンスに追いすがったのは遠い昔、今は在野街道まっしぐらの管理人です。そこまで読むかという査読の精度に感嘆したり、的確に酷評されたりしたこともあれば、これみよがしにひけらかした成果が大間違いだったことも多々ありました^_^;
幸か不幸か、在野街道まっしぐらだったので、食うには困らないで、それなりに好きなことができるようになってきています。後は成果が、、、
●「食えない」という弊害
「食えない」ことが、ハングリー精神につながり、ガッツをもって頑張れる。それがもてはやされた時期もありました。でも、一つの道にかけることで、逆にその道が閉ざされているように見える時もあります。例えば学芸員などの試験はかなりの倍率になります。そして、その可否を判断するのは、現在プロとして活動している方々です。波風は立てないにこしたことはありません。
「失敗したら食えない」。これは、無条件の従属につながります。「これ違うやん」「これおかしいやん」「おれ、私、そう思わへん」「絶対嫌」「今のスタンダードおかしい」を目上の人に言えなくなります。せっかくの珠玉の意見も、手をあげるのを躊躇わせてしまいます。
そして、周りがイエスマンだけになると、上も腐ります。上が腐るとその上の方の能力も落ちます。そうなると、肝心の論文の投稿の判断基準が「何を書いたか」ではなく、「誰が書いたか」「どういう肩書の人が書いたか」になってしまいかねません。
さて、そのようなイエスマンにならなくても食いぶちを稼ぎながら研究を続けるのに向いている職業はどんなものがあるのでしょうか?
●くいぶちにこまらぬ職業
メリットとデメリットを独断と偏見であげます。やはり「手に職」がついていると安心です。
教員
管理人もついこないだまでしていました。プロの人文学系研究者の中には元教師の方が、かなりいます。なんと言っても、児童生徒との出会いは一生の宝物になっていきます。
旅する巨人・宮本常一をはじめとして、小中高の教員だったプロの研究者も多々います。また、昭和50年代に編集された神戸の民俗芸能シリーズにも著者として学校の先生方が名を連ねています。
今の学校の先生は、教えるプロとして、教えることの研究者として勤務の勤務されている方が多いようにかんじます。逆に郷土史の研究者としての顔を持つ方は、今の時代では少なくなっているようにかんじました。
管理人は地元の先輩に「お前郷土史家やろ!」と葉っぱをかけられたことがあるので、多分そうみたいです。当時の管理人はまさしくボンクラ教職員の権化でしたが、その管理人ですら、研究との両立は体力的にきつく感じました。本当にしっかりと勤められてる方には、到底その余裕は無くなってきてるように思います。知る限りでは、現役の教員でありながら、祭の研究もされている方は3名(いずれも本当に素晴らしい研究者)いらっしゃいますが、かなり少数派といえるでしょう。
小学校
メリット
休みなどにまとまった休みが取りやすい。
デメリット
・授業の準備、雑務が大変
・全教科から給食、掃除、休み時間まできめ細やかな対応が必須で、その準備で休みがなくなる。
中学高校
メリット
・好きな科目を教えられる
デメリット
・部活の指導など、休みの少なさ
・思春期はやっぱりむずかしい
・授業の準備、雑務が大変
塾講師
メリット
・勉強さえ教えていれば、児童生徒のプライベートは基本ノータッチ
デメリット
・休みがとりにくい
・人気商売のプレッシャー
運転手
どなたかの現在の職業です。
メリット
・気楽。
・祭好きな人が多く色んな話が聞ける
デメリット
・危険。
各種デスクワーク
友人がしていますが、驚異的な忙しさの中で精力的に活動しています。体が二つあるんでしょうか。。。
ユーチューバー、ブロガー
メリット
当たればでかい
デメリット
忙しい
ブログで、収益を得ることは考えたのですが、残念ながら月刊「祭」が使用しているグーブログはアフィリエイトのみで広告収入は得られません。アフィリエイトて何それおいしいの?状態でしたが、商品の宣伝などしないといけないみたいです、多分。あまりにも、やりたいこととかけ離れていて、見込める収入も期待できなさそうなので、今はしていません。
ユーチューバーは、戦略と活動量で一躍有名人になれるのかもしれませんが、研究の片手間でできるものでもなさそうです。
在野のメリット、デメリット
デメリット
・信用されにくい。●●大学の、、です。の力はやっぱり大きいです。残念ながら得体の知れない人物はなかなか信用していただけません。
・資料の閲覧に時間がかかる
メリット
・周りにはばからず自分の意見を言える。
「こいつに嫌われても飯は食える」という環境は、その人から「忖度」というブレーキを緩ませがちになります^_^;
管理人はそんなに口がたつほうでもないし、キツい性格でもありません。しかし、どうしても許せないことに対しては、かなりのお偉いさんに対しても、「普段から学生さんに教えてらっしゃることでしょ」などと、かなり厳しい言い方をしてしまうことを自分で最近知りました。「もしかしたら、同じような思いをもの言わぬ若い人や学生さんたちも思っているかもしれない。」という自覚をもって厄介者街道を進むのも一興です。
研究の喜びは、みんなが白いとおもっていたものが実は黒いということを見つけ、それを黒だと胸を張って言うことです。誰かの顔色を見て明らかな黒から目をそむけたり、話をずらしたりすることではありません。
いざとなったらウェブページ
在野のいいところは、とにかく自由に物が言えるところです。^_^
「いつでもやめたらあ」の気概で、どこにも掲載してもらえなくなったら、ウェブページで自分の考えを公開すればいいのです。雑誌では載せられないけど、自分がおもしろいと思うもの、こと、法にふれなければ、倫理から外れなければ何を載せても自由です。
思いの外、よく読んでくださる人がいるし、そこからチャンスが舞い込むかもしれません。
しかし。剽窃されることには気をつけてください。