月刊「祭御宅(祭オタク)」

一番後を行くマツオタ月刊誌

三木市政70周年イベントの課題<月刊「祭」第34号 2014.11月>

2014-10-26 12:15:29 | 屋台・だんじり・神輿-組織、祭全体、社会との関わり-

 2014年10月25日、三木市の市政60周年を記念して、市内28台の屋台が三木市総合運動公園の陸上競技場に集結しました。神社が違うために普段顔を合わさない屋台が共に練るなど、楽しい思いをたくさん味わえました。出来ることなら、70周年も同様のことができれば嬉しいものです。そこで、よりよい70周年記念にするために、実際に参加して感じたことから、課題を提示したいと思います。




⚫︎腹減る喉渇く
 屋台を担げば腹が減ります。そして喉が渇きます。各屋台はそれぞれ弁当を持参しましたが、観客や予定外の助っ人の方などの分を賄えるわけではありません。そうなると、露店が必要となってくるのですが、あまりに数が少なく、どの店も50mを超える長蛇の列になりました。
そして、自販機は売切れが続出し、喉が渇いたと泣く子も多数見られました。
 10月末とはいえ、晴天の下で屋台をかついだり、声を出して歩き回ったりすると、水分を体が欲します。脱水症状や熱中症の危険もあります。売り切れ対策や、飲料水の露店などの対策が次回は必要になりそうです。

⚫︎坂道の台車運行
 屋台イベントの会場となりうるスポーツ施設などは、多くが切り開かれた山の上にあります。イベントが終わった後の帰り道は疲れて気も緩みます。
 そこに、慣れない長い下り坂を行くと、下からの棒押しなどブレーキ役が不足するだけで、大きな事故になりかねません。


⚫︎日程と助っ人の確保
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⚫︎来れなかった屋台
 上の通り、日程と祭礼日に問題があるだけではなく、来れなかった屋台があるようです。その理由は知らないのですが、予算配分などを考慮し、全屋台が揃うようになれば嬉しいですね。

⚫︎屋台運営人材の確保
 三木市の人口も大幅に減ることがみこまれます。なので、屋台を組める人、太鼓を叩ける人、屋台の運営のノウハウを知っており、荒くれたちをまとめ上げる器量を持つ人材の確保は急務です。特に幼少期より祭に親しんで、あらゆるノウハウを手にしている人間を手放す危険を、屋台を持つ自治体は自覚せねばなりません。

⚫︎文化財保護
 このイベントのおかげで、祭の活性化は期待できそうです。その一方で、新調が相次ぎ、気がつけば三木独特、三木の中の各地域独特の屋台文化が失われる危険もはらんでいます。
 新しい図書館や城郭資料館??の建設に付随して、せめて、コーナーの一角だけでも屋台文化に関する常設展示がほしいものです。

⚫︎総練り担ぎ上げの掛け声
 掛け声を「打ってくれ、もひとっせ、あーよーさんどい、あそーらさーしましょー」に統一しましたが、やはり、これは各地域のやり方を尊重すべきです。そこでひとアイディア。

1.各屋台、担ぎ上げに要する時間をあらかじめ計測する。
2.「担ぎ上げ何分前です」。のアナウンスから、各屋台が担ぎ上げに必要な残り時間になったら、上げ歌や掛け声をかけはじめる。

 なかなかタイミングが合わないかも知れません。ですが、10年に一回とはいえ、たかがイベントです(本当に楽しかったのも事実ですが)。本番はあくまで祭です。各地域の祭を尊重してこそ、より楽しいイベントになるのではないでしょうか。

<追記>
 このブログを見た方から、情報を頂きました。そのお知らせによると志染の屋台二台は、慣れない担ぎ上げの掛け声を使わずに、自分達の掛け声を貫かれたようです。
 当たり前ですが、祭>イベントだし、法被>制服で、祭>政です。安全に問題があるわけでもないので、「打ってくれの掛け声でかつぎあげろ」や「太鼓を止めろ」の指示に従う必要はありません。
 しかしながら、上からのプレッシャーに屈せず自らの担ぎ方を貫かれた二台の屋台には頭がさがります。
 また、「打ってくれ」の掛け声に合わせて下さった屋台には、我々「打ってくれ側」は、感謝しなければなりません。
 貴重なお知らせを下さったmさま、本当にありがとうございました。

⚫︎アナウンス
 某SNSでの声を聞いての追記です。メインは太鼓の音。アナウンスは屋台紹介と動きの指示などの必要最低限でいいでしょう。BGMは不必要です。
 また、後で映像をみて感じたことですが、いくらドラマ放映中とはいえ、カンベイ、ハンベイ、ヒデヨシの名前を挙げて、別所長治公の名を挙げ ないのはかなりな罰当たりです。三木の主役は屋台であり、その心意気は、先見の銘がある官兵衛というより、不器用でお人好しで領民思いゆえに敗れ去った名武将に通じるものがあるはずです。

重箱の隅をつつくような指摘もありますが、以上が感じた問題点です。

⚫︎編集後記⚫︎
 今年行われた60周年記念、私自身は本当に楽しめました。その一方で上のような問題点を感じたのも事実です。そこに共通するのは、祭実施者の声をまだまだ充分に吸い上げられていないという点があげられそうです。
 また、予算配分などでも本当に必要なところに金を回しているのかという声も聞こえました。

 今回は行政批判的な内容になりました。が、いかなる政権でもまだ二回目のイベントなので似たような状況になったとも思います。一方の評価できる点としては、市長など政治に携わる方が前に出てこなかった点です。この日の「まつり」は「政」でなく「祭」ということをご理解されていたのだと思います。それは、某市議の方が祭を満喫し屋台運行に献身的に協力して下さったことに現れていたように思います。



<月刊 「祭」 祭前特別号 第22号>助っ人参加のマナー 

2014-10-01 10:50:41 | 屋台・だんじり・神輿-組織、祭全体、社会との関わり-

三木の秋祭が近づいて来ているので、「上げ」ます。

 10月は、播州では祭月です。各地で屋台が組み立て、衣裳付けされて、練習の太鼓の音が響き渡ります。今回は、祭前ということもあり、助っ人参加のマナーというテーマで特別号を掲載します。

 播州の祭は、その多くが屋台を担ぐ祭りです。大型化する屋台に対して、少子化で、町内、村内の人間だけでは、長い距離を担ぐことはできません。

 そんな時に不可欠な存在が、助っ人の存在です。助っ人の多くは、他の神社での祭礼の担い手として活躍している人たちですし、私もその一人です。
 こうした人材交流は、個人レベルから、屋台同士、青年団同士での交流が見られ、年に一度の祭が何度かできるようになるというメリットが生まれます。

 さて、祭の助っ人としての参加は、本当に楽しいものですが、自分なりに気をつけたいと思うことがいくつかありましたので、ここで紹介します。

1 地元の祭礼当事者の指示に従う。
 
これを守れない人は、はっきりいって、助っ人の資格はありません。
 もう少し担ぎたいな、あと一往復したいな、まだ台車いれたくないなと思うこともあるかもしれません。
 または、逆のこともあるかもしれません。
 しかし、これらの行動の決断は、地元の祭礼当事者に一任されるべきです。
 そして、もう少し担ぎたいという類の思いが最も強いのもその当事者です。
 しかし、祭全体の運行を考えた上で、当事者は決断します。ですので、その決断は尊重しなければなりません。

 屋台関係者の決断が、警察などの指示と相反する場合も、制服よりも「法」被の言うことを聞くのが基本です。 ただ、しょっ引かれる、事故が起きるの可能性もあるので、そこは、お上に従ってもかまいません^^;
 

2 自分たちの祭を持ち込まない
 
同じ屋台の祭仲間たちと助っ人として参加したいときに気をつけたいことです。
 その土地の屋台の掛け声になじめず、ふざけて自分たちの祭の掛け声をかけるのは、非常に失礼な行為です。
 また、大規模な祭礼の掛け声を、助っ人として参加したときに持ち込むと、その地域独特の掛け声を棄てて、大規模祭礼の掛け声の模倣をすることも起こりかねません。それは、何十年後かの指定民俗文化財の芽を摘み取る行為になりえます。
 自分たちと違う掛け声や、太鼓の良さを認めることも、助っ人参加のマナーとして求められます。
 完全に覚えるのは、無理かもしれませんが、その祭の中で、少しでも覚えようとすることが大切です。
 

●編集後記
 今回の記事も短いのですが、祭りの季節が来るたびに、「age」たい記事の一つとなりました。