今回は会社の電話や無線で困っている方、人前で上手に話したいがうまくいかない方、若いころから他人から理解されないと感じて来た方々が来て下さいました。吃音は色々なところで私達の話し方をでこぼこ(非流暢・インフルーエンス)な状態にします。厄介です。私達は「自分の名前や会社名ぐらい言えなくてどうするの」という世界に生きています。電話で会社名や自分の名前を「○○会社の××課、△△△です。お世話になっております」のように定型文的にしゃべるのが普通。「そんなこと迷うことも、忘れる事もないだろう。小学生でも言える事だろう!」と、叱られたり不思議がられることがあります。これを「個人の努力不足だよ」と言われ、「気にするな」と言われます。『そうじゃなくて!』と言いたいのですが、理解してもらえそうにもないなと先に思ってしまうこともありませんか?
世の中で吃音のある人への有名な助言の一つに「ゆっくり話しなさい」というものがあります。私も小さい頃に「お前もっと落ち着いてゆっくり話しなさい」と言われました。この助言はそれなりに意味のあることです。私達がスポーツをする時には自分の能力以内のことしかできないというのが本当のところです。自分の運動能力の範囲内であれば怪我をする確率は低くなりますし、スポーツを楽しめます。「ゆっくり話す」というのはそれと似ています。「ゆっくり話す」というのは「流暢性を保ちながら話して、言いたいことを言い尽くす」ために有効な手段です。自分の話し方をコントロールする可能性を高めます。なぜそうなのかは吃音勉強会、特に8月16日(日)の「北海道吃音を語る会」でじっくり話し合いができると思います。
「ワード・バスケット」というゲームはこれとは全く逆の発想のトレーニング方法の提案になります。このゲームは「あ~わ」*1 の文字が書かれたカードを使ってしりとりをします。その他に様々なスペシャルカードがあります。最初に山札をめくってバスケット(箱)の中に出たカードを入れます。そのカードが頭です。手元の自分のカードの中のどれかが尻になる言葉(一般名詞、有名な固有名詞、地名)を声に出して言いながらバスケットの中に投げ込みます。速い者勝ちです。カードには大人用と子供用があります。今回は大人用でやってみました。結構タイムプレッシャーがかかり、ドキドキします。ペナルティーもありますが“ゲーム”ですので安心してできます。「ゆっくり話す」のが基礎トレーニングとすると、速くしゃべらなければならないこのゲームは少し現実生活に近い面があると思います。*1しりとりなので「ん」のカードはありません。
ひとしきり皆さんが楽しんで、そろそろ店じまいかなと思っていると、青年が一人いらっしゃいました。「もう、終わりですか?」との一言に、もう一度座り直しました。「就職活動に何回か落ちてから今の職場に入ったのですが、電話で会社名が出なくなりました。自分に吃音があることを会社の人には説明してみました。でも飲み会では吃音が出ないので、お前飲むときには出ないよなと言われます」と、話してくれました。吃音のある人が社会に出てまず経験することだと思いました。でも同じような経験をしていてもその感じ方、苦しさは千差万別です。この話題、もう少し続けましょう。
取りあえずの助言は「言わなければならない定型文をカードに書いてそれを見ながら、ただ読み上げるようにしてはどうか」、「電話がなったらゆっくり息を吐きながら受話器に手を伸ばす。息をゆっくり吸いながら受話器を持ち上げる。そーっと息を出しながら話し(読み)始める。」と、ここまで言って『あ、これ固定電話用だ。携帯は・・・』との思いが胸をよぎりました。この続きは月曜日に。
次回のマンデーナイト吃音カフェは8月10日(月)です。お待ちしています。(とど)
世の中で吃音のある人への有名な助言の一つに「ゆっくり話しなさい」というものがあります。私も小さい頃に「お前もっと落ち着いてゆっくり話しなさい」と言われました。この助言はそれなりに意味のあることです。私達がスポーツをする時には自分の能力以内のことしかできないというのが本当のところです。自分の運動能力の範囲内であれば怪我をする確率は低くなりますし、スポーツを楽しめます。「ゆっくり話す」というのはそれと似ています。「ゆっくり話す」というのは「流暢性を保ちながら話して、言いたいことを言い尽くす」ために有効な手段です。自分の話し方をコントロールする可能性を高めます。なぜそうなのかは吃音勉強会、特に8月16日(日)の「北海道吃音を語る会」でじっくり話し合いができると思います。
「ワード・バスケット」というゲームはこれとは全く逆の発想のトレーニング方法の提案になります。このゲームは「あ~わ」*1 の文字が書かれたカードを使ってしりとりをします。その他に様々なスペシャルカードがあります。最初に山札をめくってバスケット(箱)の中に出たカードを入れます。そのカードが頭です。手元の自分のカードの中のどれかが尻になる言葉(一般名詞、有名な固有名詞、地名)を声に出して言いながらバスケットの中に投げ込みます。速い者勝ちです。カードには大人用と子供用があります。今回は大人用でやってみました。結構タイムプレッシャーがかかり、ドキドキします。ペナルティーもありますが“ゲーム”ですので安心してできます。「ゆっくり話す」のが基礎トレーニングとすると、速くしゃべらなければならないこのゲームは少し現実生活に近い面があると思います。*1しりとりなので「ん」のカードはありません。
ひとしきり皆さんが楽しんで、そろそろ店じまいかなと思っていると、青年が一人いらっしゃいました。「もう、終わりですか?」との一言に、もう一度座り直しました。「就職活動に何回か落ちてから今の職場に入ったのですが、電話で会社名が出なくなりました。自分に吃音があることを会社の人には説明してみました。でも飲み会では吃音が出ないので、お前飲むときには出ないよなと言われます」と、話してくれました。吃音のある人が社会に出てまず経験することだと思いました。でも同じような経験をしていてもその感じ方、苦しさは千差万別です。この話題、もう少し続けましょう。
取りあえずの助言は「言わなければならない定型文をカードに書いてそれを見ながら、ただ読み上げるようにしてはどうか」、「電話がなったらゆっくり息を吐きながら受話器に手を伸ばす。息をゆっくり吸いながら受話器を持ち上げる。そーっと息を出しながら話し(読み)始める。」と、ここまで言って『あ、これ固定電話用だ。携帯は・・・』との思いが胸をよぎりました。この続きは月曜日に。
次回のマンデーナイト吃音カフェは8月10日(月)です。お待ちしています。(とど)