サロン・風変わりな人材開発の宴 

人の育成について、色々な視点から書いていきます。これは、体験記であると同時に、次の人材開発施策に対するトライアルです。

「戦わずして負ける」

2017年02月08日 07時19分34秒 | 企業経営
大企業に勤めている人から聞いた話し。
「消しゴムとかの文房具用品が数十年分くらいある」と。思わず「文房具屋さんなの?」と聞いたら、「いやいや、普通の会社。在庫として持っているだけ」 

重ねて「毎年、〇億の部品を捨てている」というので、「そんなに粗悪品の部品を買っているの?」と聞いたら、「いや、使わない部品を在庫で持ってた。使わないから捨てた」と。

私は、「使わないなら、なんで買ったの?」と聞くと、「繰りかえしてダブって発注している。それと、これだけ持っておけば、短納期の対応のときに助かるから」 

私は黙った。心の中で、「短納期対応についてはまだわかる。簡単にジャストインタイムができるビジネスではないことも認識できる。しかし、『繰り返すダブル発注』はいけない」

「絶対にこれを無くそう」という掛け声(方針)は挙がるが、動かぬ組織・人に驚きの念を抱いた。多分、「だれかやれよ」なのだろう。ダブル発注については、システム上の問題と、システムを動かす人の問題がある。更に上流では、顧客情報の正確さも検証すべきだろう。

それをやらなくても、この人たちの給料は下がらない。自分の懐が痛まないなら、やるわけがない。

所詮、他人事。というか、他人事にしておいたほうが得。もし、その問題を解決して成果を出しても評価してくれないなら、無理してやる必要はない。人事制度を知って入れば、そうなる。例えば、50代になると経営者候補は明確。それ以外の人は、頑張ってもそれ以上の地位には上がれない=給料は同じか、ある年齢で下降する。よって「やるわけないだろう」が本音。

そうだとすると、「問題は人事制度にある」というのは癪に障るが、「ひどい社員だ」ともいえぬ。

この負の遺産を背負うのは、50代以下の社員。将来ある人たちにして見れば、不甲斐ない50代に腹が立つ。しかし、50代は内心わかっていて、「この問題、将来ある君たちが必死に取り組んでみろ。きちんと報酬はくれるから」と思う。

こうしているうちに、会社は衰退化の道を辿るのか。
これまでの議論の中に、強い外敵の存在は無い。つまりこれは自滅。
故に「戦わずして負ける」



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