2020年1月16日の今日は
リベラルアーツについて説いた新書「大人の教養」を紹介していきます。
(*本書において、リベラルアーツとは「現代の教養」の事です。)
この本は 池上彰さん によって執筆されました。
この本の冒頭は 池上氏のある気づき から始まります。
それは「 海外の学生達が徹して教養を学んでいる 」という事です。
池上氏が視察に向かったマサチューセッツ工科大学では、一般教養の一つ音楽の授業がとても充実していたそうです。疑問に思い1人の学生に話を聞くと、その学生は「どんな技術を学んだとしても、世界の動きは早いから大体4年で陳腐化してしまう。だが、音楽などの一般常識は陳腐化することがないし、一生使う事が出来る。」との返答したそうです。
ここで池上氏はリベラルアーツ教育の重要さを悟り、日本のリベラルアーツ教育に対して疑問を持ちました。
この本によると、元来、日本は大学において教養部という部門で「教養」を学生に教えていたそうです。しかし、教養部があった当時、この「教養」という分野を嫌う学生が多く、新卒社員が欲しい企業側も学生に対して「専門性」を求めていた事から、大学の教養部のほとんどが解体となり消えてしまったんだとか。
ですが、ここである問題が起きました。教養部をなくした結果、世間から『最近の学生達は一般常識が身についていない』という意見が挙がるようになったのです。危機感をもった池上氏は、東京工業大学の講義において、リベラルアーツの重要性を説き学生達に教養を教えましたが、地下鉄サリン事件を起こしたオウム真理教の事を知らなかった学生たちを見て、講義を恒常で開催すると決め、現在も開催しているそうです。確かに、テレビなどで「最近の若者はなんだ」と言っている方がいましたが、こういった裏事情があると、そうなることも仕方がないように思います。
本の紹介ではないかもしれませんが、以上で終わります。
私はこの本を読み『宗教、宇宙、人類の進化、病気の歴史、経済学、普遍的な歴史、「日本人」の誕生』という7つの概念は、一般常識として今後も知っておきたい事柄のように思いました。
興味を持たれた方は是非読んでみてください