本と映画の日々  そして、ゆめのつづき

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塩野七生著「ローマ人の物語」 ローマは1日にしてならず

2008年12月06日 | 
「ローマ人の物語」


塩野七生著「ローマ人の物語」を愛読している。
現在単行本の「ローマ人の物語Ⅸ 賢帝の世紀」、
5賢帝の時代の、トライアヌス帝の章を読んでいる。

ただ、つらいのは、シリーズものを読み始めると、
それが面白ければ面白いほどその本の虜になってしまうことだ。
まさしく、「ローマ人の物語」の奴隷状態だ。
ここ何ヶ月も、他の新刊本を読んでいない。

しかし、良い点は、通史を読むと、俯瞰的に歴史を見渡せる。

なぜローマ人だけが、
あれほどの巨大な領土を、長期にわたって領有した大帝国・文明圏を作り上げたか?
というテーマを、シリーズを通して見渡す。

塩野七生は、歴史家でもなく、小説家であるため、ミステリー仕立てで、
分かりやすく、語りかけてくれる。
それも、かなり思い込みのある解説だ。
ユリウス・カエサル(ジュリアス・シザー)には惚れきっているといった感じだ。

シェークスピア「ジュリアス・シザー」との、180度違うシーザー像が
描かれている。



P.S.

ローマとギリシアとオリエント

ローマを語るには、ギリシアのポリス(都市国家)を抜きにしては不可能だ。
都市国家ローマの建国伝説は、「トロイ戦争」に由来する。
ローマは、「トロイ戦争」の敗者、トロイの王家の子孫とされているロムルスと
レムスの双子の兄弟によって建国された。建国は前743年とされている。

7代続く王政の下で国家としての形態をローマは整えてゆくが、
前509年、共和政へ移行している。
その後、成文法制定のために先進国ギリシアへ視察団を派遣する。

ローマ人は絶頂期のギリシア、ヘラクレスの治世に、何を見たのか――

ロムルス王の時代は、王政からスタートをした。
それが、前509年、共和政へ移行したのは、
ローマには、オリエント社会のような一人の王による独裁よりも、
元老院主導の共和政があっていると判断をしたからだ。

それはギリシア式の政体、ポリス(都市国家)から派生している。


ローマは、成文法を制定し、法により統治をする法治国家としての
共和制を取りいれた。
そして、ユリウス・カエサル、アウグストゥスにより、帝政に移行する。

ギリシアやローマの古典古代文明は西洋文明の土台を築いた。
その舞台になったのがギリシアやローマのポリス(都市国家)だ。

その成立を巡る問題は世界史的な意義を持っている。




P.S.


1巻:ローマ人の物語I ローマは一日にして成らず
2巻:ハンニバル戦記
3巻:勝者の混迷
4巻:ユリウス・カエサル ルビコン以前
5巻:ユリウス・カエサル ルビコン以前
6巻:パクス・ロマーナ
7巻:悪名高き皇帝たち 
8巻:危機と克服
9巻:賢帝の世紀
10巻:すべての道はローマに通ず
11巻:終わりの始まり 
12巻:迷走する帝国
13巻:最後の努力
14巻:キリストの勝利
15巻:ローマ世界の終焉


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