現代日本人文芸

現代に生きる日本人の文芸です。小説、エッセイ、俳句、短歌、川柳、現代詩、日本の伝統文芸を愛し新しい日本の文芸を創作

現代日本人文芸:二宮正治小説:小池百合子をひとりで歩かせてはならない:第117回:フィクション

2017-02-19 04:21:57 | 日記

「石原慎太郎元知事を百条委員会に呼ぶ事は大賛成だが、あの人の心とカラダがそれに耐えられるかどうかを判断しないと、下手をすれば命を落とす可能性がある。リンチ(私刑)であってはならないからなあ」

 Nはこう言って仲間を見た。

「ホントだなあ。よぼよぼして老いが目立つ。だが責任は免れないよNさん」

「そりゃあそうだ。ただ、あのよぼよぼした足取りとおぼつかない喋りで厳しい百条委員会での答弁ができるかな。医師の判断必要だ。」

 Nはため息をついた。

「なにしろ世界の憧れ東京の築地市場の移転だからなあ。ヒ素やシアン化合物が出てくるような場所に移転はできないよ」

 こうも付け加える。

「小池さんも前任者のケツ拭きで本当に大変だが頑張ってもらわないとなあ」

「そういう事」

「世界がこの件に関して注目しているからなあ」

 Nとその仲間は顔を見合わせる。