現代日本人文芸

現代に生きる日本人の文芸です。小説、エッセイ、俳句、短歌、川柳、現代詩、日本の伝統文芸を愛し新しい日本の文芸を創作

現代日本人文芸:二宮正治小説:小池百合子をひとりで歩かせてはならない第3回:(フィクション)

2016-08-29 06:11:09 | 日記

 地方行政が専門の大学院生町田春樹は小池百合子の手腕に期待していた。

「この人は素晴らしい都市外交をしてくれる。ただ、一匹狼で支えてくれる国会議員の数が少ない」

 町田はこの事が心配のタネだった。

「どうすればいいのだ」

 いつも夜が明けるまでこの事を考えている。

「そうだまず影響力のある有名人の小池百合子サポーター組織をつくろう。それには最初に若者の小池百合子サポーターをつくろう」

 町田は大学生の小池百合子サポーターをつくる事にした。

「小池百合子をひとりで歩かせない会」

 これをつくる事にしたのだ。

「でも都知事になったとたんに築地移転などという難しい問題をさばかないといけないんだもんなあ」

 町田は大きくため息をついた。


現代日本人文芸:二宮正治小説:小池百合子をひとりで歩かせてはならない:第2回:(フィクション)

2016-08-28 06:07:05 | 日記

江戸っ子の田中は小学校の時からの友達中村と東京の将来について話をしている。

 この二人は八十年来の付き合いだ。

「小池知事は都議会と共存できるかな」

「無理だろう」

 二人は顔を見合わせて苦笑した。

「助けてやろうぜ」

「もちろん」

「相手は都議会のドンだからなあ」

「ドンだろうが、なんだろうか、都民のためにならないことはやっちゃいけねえ」

 会話が弾む。

「小池百合子知事にいい仕事をしてもらうには東京都民だけのサポートじゃあ力が弱いよなあ」

「そうだなあ、全日本国民のサポートがいる」

「どうやって集めるんだよ」

「同級生に頼もうぜ」

「それじゃあ町内会にしかなんねえよ」

 二人は顔を見合わせて大笑いをした。

現在東京のあちこちで小池百合子知事をサポートする動きが大きくなっている。そしてそれは全国に広がりつつある。 


現代日本人文芸:二宮正治小説:小池百合子を一人で歩かせてはならない第1回:(フィクション)

2016-08-27 07:05:49 | 日記

 小池百合子は歴史に残るような勝ち方で都知事選に勝利した。

リオ五輪の閉会式も無難にこなし世界に好印象を与えた。

順風満帆な小池百合子都知事の船出に見えるが、

今から歩もうとする道はまさに茨の道である。

「築地市場の移転」

 まずこれを成功させなければいけない。

いかに小池百合子がすごい能力を有していようとも、

一人で事にあたるのは無理である。

「日本の将来は小池百合子の活躍にかかっている」

 こう言っても過言ではない。

地方の自民党は腐っている。膿は出さなければいけない。

「まず小池百合子に東京の膿を出していただきたい」

 多くの国民はこう思っている。

*本文敬称略、この物語はフィクションです。


現代日本人文芸:二宮正治小説:誰が日本で最初の女性総理になるか:第6回:(フィクション)

2016-08-17 07:53:20 | 日記

「野田聖子先生、小池百合子東京都知事が新党づくりに成功すると、あの人が日本最初の女性総理になる可能性がありますよ」

 野田聖子を支持している男性議員がこう言った。

「成功する可能性はあるの」

「大いにありますよ。大阪維新の会や民主党の保守派を巻き込んだら大きな勢力になります」

 野田聖子は言葉ができない。

「多くの国民は自民党の国会議員には満足しているんです。しかし自民党の地方議員にはうんざりしていますからねえ」

「それはよく分かる」

「だから、野田聖子先生の力が今の日本では必要なのです。全近代的な日本の地方と世界でもトップクラスの日本の中央のギャップを埋めることが出来るのは野田聖子先生しかいません」

 野田聖子はこの男性議員の言葉を黙って聞いた後、

「小池新党ができたら、日本の地方の首長のポストを自民党から奪うでしょうね」

「そういう事です」

「この日本で女性が総理になる事は簡単ではないわね」

 この野田聖子の言葉に皆黙って頷く。

 

 


現代日本人文芸:二宮正治小説:誰が日本で最初の女性総理になるか:第5回:(フィクション)

2016-08-13 06:49:34 | 日記

 日本で最初の女性総理を目指している野田聖子はある会合で、

「稲田朋美防衛大臣はもつかな」

 この声を聞いた。

「大丈夫、きっちりとやりこなすわよ」

 野田聖子はこう言葉を返した。

「やってもらわないと困るよなあ。世界が注目してるんだ」

 男性議員が強い口調でこう言う。

「この内閣、どれくらいの期間もつかなあ」

「解散があるかもね」

 みんなが自分の思いを言っている。

「地方創生には野田聖子先生の力が必要な事を安倍総理は認識して欲しい」

 ある男性議員がこう呟いた。