現代日本人文芸

現代に生きる日本人の文芸です。小説、エッセイ、俳句、短歌、川柳、現代詩、日本の伝統文芸を愛し新しい日本の文芸を創作

現代日本人文芸:二宮正治小説:小池百合子をひとりで歩かせてはならない:第105回:フィクション

2017-02-06 05:20:55 | 日記

「Nさん、勝ったよ」

「そうだね」

「自民党大物がNに負けたと嘆いたそうだ」

「おれは関係ない。勝つべくしてかったんだ」

 Nとその仲間は千代田区長選の勝利を祝っている。

しばしの沈黙の後、

「これが自民党のためになるんだよ。地方の自民党は生まれ変わらないとだめだ。大ボス小ボスが跋扈するような組織に明日はない」

 Nはみんなを見渡した。

そして、

「小池百合子都知事の最大の敵は大災害だ。大災害が起きた時の対策はしっかりしておかないと、責任を問われる」

 こう言うのだった。

「地方の政令都市にも小池旋風が起きて欲しいな」

 仲間が口を揃えてこう言うのだった。