現代日本人文芸

現代に生きる日本人の文芸です。小説、エッセイ、俳句、短歌、川柳、現代詩、日本の伝統文芸を愛し新しい日本の文芸を創作

現代日本人文芸:二宮正治小説:小池百合子をひとりで歩かせてはならない第68回:(フィクション)

2016-11-28 04:37:03 | 日記

 Nの仲間のひとりが28日の朝、

「Nさん、五輪3会場はあす結論だね」

 こう言った。

「四者は自分のメンツにこだわらず、東京五輪の事を第一に考えてもらいたいよね」

 Nがみんなを見渡す。

そしてこうも言った。

「森委員長や丸川大臣は『東京五輪には世界の期待がある』この事を認識して欲しいな。その期待に応えるには『小池百合子東京都知事の力』これが必要不可欠なんだ」

 このNの言葉に、

「小池百合子都知事の未知数の力は魅力だよな」

「そうだ」

 みんなが相槌を打つ。

「小池百合子都知事は東京を世界のモデル都市にするだろう」

 Nはこう言って仲間を見渡した。


現代日本人文芸:二宮正治小説:小池百合子をひとりで歩かせてはならない第67回:(フィクション)

2016-11-26 03:49:54 | 日記

「石原慎太郎元都知事の管理責任は免れないよなあ」

 Nは自分に言い聞かすようにこう言った。

「そもそも豊洲移転なんて誰が決めたんだ。これ利権がらみじゃないのかい」

 Nの仲間が口を添える。

「都議会で証言してもらわないとな、これらの関係者には」

「そうだ小池都知事が可哀想だ」

 違う仲間がこう言った。

「全国の地方自治体の中で東京都の職員だけはまともだという神話がもろくも崩れた」

 Nのこの言葉に仲間が黙って頷く。

「まあ今後の小池都知事の都政の中で一番気にかかるのが・・・・・・」

 Nが言葉を止めた。

「何だいそれはNさん」

「うん、都の職員が上山さんを嫌っている事だ」

「そうだなあ、それは問題だ」

 Nとその仲間は顔を見合わせた。


現代日本人文芸:二宮正治小説:小池百合子をひとりで歩かせてはならない第66回:(フィクション)

2016-11-26 03:05:13 | 日記

「毎度の事ながらメディアも小池都知事に飽きてきたのだろうか」

 Nがポツリと呟いた。

「そんな事はない」

 仲間が慰める。

「次から次へと難題が降り掛かってくるなあ。前任者達のツケが。でもここでへこたれる小池百合子都知事ではない。必ず『災い転じて福となる』この世界になるだろう」

 Nの言葉に仲間は黙って頷く。

「晴海埠頭で『築地市場の魚売買ショー、野菜売買ショー』これを入場料を取って見せたらどうだろうか。子供だけでなしに大人も面白いよ。世界から観光客が来るだろう」

「うん、いい考えだ」

「東京の心意気を見せる事ができる」

「発想の転換が必要だ」

 みんな小池百合子都知事を助けようと必死なのだ。

「世界から観客がくれば必ず東京は栄える。もちろん日本もね」

 Nはみんなを見渡せてこう言うのだった。


現代日本人文芸:二宮正治小説:小池百合子をひとりで歩かせてはならない第65回:(フィクション)

2016-11-25 06:06:14 | 日記

「2020年の東京五輪は二元政治で動くのか」

 Nはこう言ってため息をついた。

「多くの国民は森喜朗先生の活躍を期待していないんだ」

「ボスは誰かと言う事をはっきりさせないと」

「キャピタル東京 世界の憧れ 楽しい夢の東京を作る事ができるのは小池都知事しかいない」

 仲間が口々にこう言う。

「小池都知事は粘りながらも何とか持ちこたえるんじゃないの」

 仲間が心配そうにこう言う。

「ところで豊洲移転が難航したら、晴海埠頭で臨時市場を解説したらどうだろう。昭和二十年代のような市場を再現するのだ。日本の戦後の復興をもう一度たどるんだ」

 Nは仲間を見渡した。

「東京名物になるかも」

「世界から観光客が来るぞ」

 仲間が手を叩いて喜ぶ。


現代日本人文芸:二宮正治小説:小池百合子をひとりで歩かせてはならない第64回:(フィクション)

2016-11-23 03:57:30 | 日記

「みんな昨日の読売新聞読んだか」

「何・・・・・・」

「五輪6項目経費1.2兆円:組織委提示総予算2兆円前後とある」

「ああそれか。小池百合子都知事が登場して恐ろしいまでの五輪予算の膨張が止まったよね」

「そういう事」

 Nとその仲間は顔を見合わせた。

「小池都知事が登場しなかったら確実に四兆円ぐらいに膨れ上がったろう」

「うん、うん」

「やはり小池都知事は非凡な才能を持っている」

 もう一度Nとその仲間は顔を見合わせた。

「歴史に残るオリンピックを開催して欲しい。世界の憧れ東京で開催されるのだから」

「小池都知事が後の世に賞賛されるようなオリンピックをね」

 みんな鼻息が荒い。

Nはポツリと、

「一兆円削ったね」

 こう呟くと、

みんな黙って頷いた。