現代日本人文芸

現代に生きる日本人の文芸です。小説、エッセイ、俳句、短歌、川柳、現代詩、日本の伝統文芸を愛し新しい日本の文芸を創作

現代日本人文芸:二宮正治小説:小池百合子をひとりで歩かせてはならない:第109回:フィクション

2017-02-10 07:54:25 | 日記

「東京は世界の政治経済の中心で大阪は世界の台所になれば日本は繁栄する」

 Nは仲間を見た。

「小池百合子都知事は必ず東京を世界の中心地にするだろう。問題は大阪を誰がどうやって世界の台所にするかだよNさん」

 Nの仲間がこう言ってため息をつく。

「おれには策があるんだ。聞いてくんないかなあ」

 Nもため息をつく。

「小池都知事の仲間に人材はいないのNさん」

「いなくもないんだろうが、日本維新の会と組んだ方がいいかもしれない」

「それも大仕事だ。主導権争いが起こるだろう」

「日本は東京と大阪という毛色の異なる二つの大都会が共に栄えたら繁栄するぞ」

 Nは言葉を続ける。

「要するに江戸時代のようなシステムにすればいいのだ」

 Nの鼻息は荒い。

「がんばってくれ小池百合子東京都知事」

 Nの小池都知事に対する期待は大きい。