現代日本人文芸

現代に生きる日本人の文芸です。小説、エッセイ、俳句、短歌、川柳、現代詩、日本の伝統文芸を愛し新しい日本の文芸を創作

現代日本人文芸:二宮正治小説:小池百合子をひとりで歩かせてはならない:第116回:フィクション

2017-02-17 01:46:36 | 日記

「石原慎太郎さんはもう限界だ。参考人招致で事を説明する能力も体力もない。無理をさせれば命を落とす。君たちはどう思う」

 Nは仲間を見た。

「一応はやってもらわないと」

 仲間のひとりがこう言った。

「のらりくらりとかわして時間が過ぎるだけのような気がする」

 別の仲間が口を開く。

「小池都知事には明日に向かって歩いてもらって対策を考えてもらったほうがいい。石原慎太郎元都知事の責任は免れないが、あの老いの目立つ心と体では『ヤブをつついても何も出てこない』これが関の山だ。後の世の人に『時代の寵児石原慎太郎の最後は哀れだった』こう言われてもしようがない」

 Nはまた仲間を見る。

「小池都知事には東京と過疎地の県を結ぶ新しい経済圏をつくってもらおう。石原慎太郎氏は『小池百合子氏には総理は無理』こう言うが、都知事でこんな禍根を残した人に言われたくないよなあ」

 仲間の一人が力強くこう言った。