現代日本人文芸

現代に生きる日本人の文芸です。小説、エッセイ、俳句、短歌、川柳、現代詩、日本の伝統文芸を愛し新しい日本の文芸を創作

二宮冬道小説:ある女医の遺書第48回

2012-01-31 07:13:43 | 日記

 真理は奇跡的に意識を回復して久幸と由紀の結婚式に参列する事ができた。

「恐らく最後の力を振り絞ったのだろう」

 二人の結婚式を見届けた後、由紀に、

「久幸さんを宜しく頼みます」

 こう言って、また意識を失った。そしてその意識は二度と回復する事はなかった。

ちょうど二十四時間後、真理はこの世を去った。

死に顔は安らかな仏のような顔をしていたのだった。

久幸と由紀は遺体に取りすがって泣いたが、真理の心がもうこの世に戻ってくる事はなかった。

「かわいそうに」

 由紀が涙声で言うと、

「いや、真理ちゃんは由紀ちゃんという人が見つかって幸せだったんだ」

 とやはり涙声で言うのだった。

真理は三十三歳の生涯を閉じたのである。


1月30日(月)のつぶやき

2012-01-31 01:53:02 | 日記
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二宮冬道小説:ある女医の遺書:久幸と由紀は結婚式を明日に控えていたが、真理の意識が混濁して久幸と由紀の言葉に反応しなくなった。「だめか」久幸ががっくりしながらこう言うと真理が「大丈夫」と声を返し... goo.gl/TLtS4

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広島文芸:お好み焼きとカープ大好き人間太郎君の人生第19回:太郎とあきこは朝六時から自分達がどこでお好み焼きを開業するか広島の街を探している。広島駅の近くの喫茶店で読んだ読売新聞の28面に「丸外野手スタメンへ闘志」と書いてあった。「あきこちゃん丸選手は今年はがんばるでえ」:続く

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厳島神社・広島城で防火訓練 - 中国新聞 chugoku-np.co.jp/News/Tn2012012… via @ChugokuShimbun

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広島湾観光の課題探る - 中国新聞 chugoku-np.co.jp/News/Tn2012013… via @ChugokuShimbun

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音戸の舟唄 情感込め朗々と - 中国新聞 chugoku-np.co.jp/News/Tn2012013… via @ChugokuShimbun

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酒蔵のまち 景観保全評価 - 中国新聞 chugoku-np.co.jp/News/Tn2012013… via @ChugokuShimbun

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二宮冬道小説:ある女医の遺書第47回

2012-01-30 03:03:20 | 日記

「しっかりしろ真理ちゃん」

 久幸が必死で真理の耳元で囁いている。

結婚式を明日に控えて真理の意識が混濁し始めたのである。

「真理さん、明日よ。明日私達の結婚式よ」

 由紀も必死で真理に呼びかける。

「反応はない」

 真理が開業する予定だった医院で久幸と由紀は結婚式を挙げるのだ。真理の意識さえしっかりしていれば問題はない。

「その意識が混濁し始めたのだ」

 久幸と由紀は絶望感に襲われた。

「だめか」

 打ちひしがれて久幸がこういうと、かすかに真理が反応してか細い声でこう囁いたのである。

「大丈夫、結婚式にはでる」

 真理も薄れ行く意識の中、必死で病魔と戦っていたのだ。

「ああ真理ちゃん」

 久幸と由紀は真理の手をしっかりと握ったのだった。


1月29日(日)のつぶやき

2012-01-30 01:51:42 | 日記
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二宮冬道小説:ある女医の遺書第46回:元気そうに見えた真理だが体に巣食った病魔は急激に真理の体力を奪って行った。久幸と由紀は結婚式を早める事にしたのだった。 goo.gl/cjB6z

09:21 from web  [ 10 RT ]
広島小説:お好み焼きとカープ大好き太郎君の人生第18回:太郎は恋人のあきこと広島の夜景が見渡せるホテルで語り明かしている。「はやくミコライオの160キロ近い速球が見たい」太郎の言葉に「2メーター5センチの長身から投げる球を私も早く見たいよ」とあきこが言葉を返すのだった:続く

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「維新の会」候補、150人が応募…現役官僚も(読売新聞) - Y!ニュース headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120129-…

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二宮冬道小説:ある女医の遺書第46回

2012-01-29 07:19:35 | 日記

 元気そうに見えた真理だが病魔は急激に真理の体力を奪っていた。

「足が立たなくなり、意識が混濁するようになったのである」

 久幸と由紀は、

「なんとか真理の意識がしっかりしている間に結婚式をあげよう」

 こう思い立ち、完成間近の真理が開業する予定だった医院で近親者だけの結婚式をする事にしたのだった。

「真理さんがんばって、結婚式まであと一週間」

 久幸と由紀は真理を励ました。

だが、刻一刻と真理の状態は悪化して行く。

予断を許さない。