うら山すずしくよい鶯もゐてくれて
枯山あまねく日のあたる鶯うたふ
けさは鶯がきてこうろぎも鳴く
たまたま鶯が来て妻と二人
なんとけさの鶯のへたくそうた
春もすつかり鶯うまくなつた
草山のしたしさは鶯のなくしきり
水音、機音、山鶯がしきりになきます
山うぐひすしきりに啼けば河鹿も鳴いて
ゆきあたりばつたりの旅で、うぐひすしきりに啼いて
あたゝかく店の鶯がもう啼いて
鶯よう啼いてくれるひとり
お山はさくらちりのこり啼くは鶯
子を歩かせて草山の鶯のなく方へ
寝足りし朝よ谷鶯の啼きたえず
へたくそな鶯も啼いてくれる
うぐひすうぐひす、和尚さん掃いてござる
うぐひすよ、もとのからだにはなれないで夏
山鶯も山頭火も年がよりました
うしろは藪でやぶうぐひす
どこで倒れてもよい山うぐひす
春の山のぼればのぼれるうぐひす
山奥の田草とる一人には鶯
鍬のえに鶯鳴(なく)や小梅(こうめ)村
武士(さむらひ)や鶯に迄(まで)つかはるゝ
月ちらり鶯ちらり夜は明ぬ
(葛 生)
梅さけど鶯なけどひとり哉
(布川元貞来。某寛来ル)
来るも来るも下手(へた)鶯よ窓の梅
三ヶ月やふはりと梅にうぐひすが
今朝きつる鶯と見しに啼かで去(さる)
撞木町(しゆもくまち)うぐひす西に飛去リぬ
啼あえでうぐひす飛(とぶ)や山おろし
家にあらで鶯きかぬひと日哉
留主守(もり)て鶯遠く聞(きく)日かな
我宿のうぐひす聞(きか)む野に出(いで)て
篁(たかむら)にうぐひす啼やわすれ時
鶴は南うぐひすは北に啼(なく)日哉
低い樹に鶯啼(なく)や昼下り
人間(ひとあひ)に鶯啼や山ざくら
古庭に鶯啼きぬ日もすがら
うぐひすに老がひが耳なかりけり
鶯に終日(ひねもす)遠し畑の人
鶯は花月(はなつき)の坐は蛙かな
鶯はやよ宗任(むねたふ)が初音かな
鶯を雀歟(か)と見しそれも春
鶯の啼くやあちらむきこちら向
うぐひすの鳴(なく)やうどのゝ河柳
うぐひすの啼や師走の羅生門
うぐひすの啼(なく)や小さき口明(あ)イて
鶯のたまたま啼や花の山
鶯の二声(ふたこゑ)はなく枯木かな
うぐひすの二声(ふたこゑ)耳のほとりかな
鶯の声遠き日も暮にけり
鶯の音をや入(いれ)けん歌袋
鶯の日枝をうしろに高音哉
鶯の浅井をのぞく日影かな
うぐひすのあちこちとするや小家がち
うぐひすの逢ふて帰るや冬の梅
うぐひすの老母草(おもと)に来ぬる師走哉
うぐひすの枝末(しずゑ)を摑む力哉
うぐひすのかぞへのこした枝寒し
うぐひすの竹に来そめてしぐれ哉