鶯の麁相(そそう)がましき初音かな
鶯の枝ふみはづす初音かな
うぐひすの歌の字余る引音(ひきね)哉
うぐひすのわするゝばかり引音(ひくね)哉
鶯の浅井をのぞく日影かな
うぐひすのあちこちとするや小家がち
うぐひすの逢ふて帰るや冬の梅
うぐひすの老母草(おもと)に来ぬる師走哉
うぐひすの枝末(しずゑ)を摑む力哉
うぐひすのかぞへのこした枝寒し
うぐひすの竹に来そめてしぐれ哉