大盃の梅の花を飲む
ここもやしきあとらしいうめのはな
寺があつて墓があつて梅の花
人を葬るところ梅の花
あさぢふや犬の盒子(がふし)も梅の花
(あさぢふ=浅芽生)
一日も我家(わがや)ほしさよ梅花(うめのはな)
をさなごや尿(しと)やりながら梅の花
黒土や艸履(ざうり)のうらも梅花(うめのはな)
下戸(げこ)村やしんかんとして梅の花
そら錠(ぢやう)と人には告(つげ)よ梅の花
畠打(はたうち)や手洟をねぢる梅の花
我(わが)春も上(じやう)々吉(きち)よ梅の花
(此裡に春をむかへて)
我もけさ淸僧(せいそう)の部也梅の花