(敬治君に)
あんたがくるといふけさの椿にめじろ
そこら一めぐりする椿にめじろはきてゐる
椿が咲いても眼白が啼いても風がふく
眼白あんなに啼きかはし椿から椿
生垣も椿ばかりでとしよりふうふ
椿を垣にして咲かせて金持らしく
笠へぽつとり椿だつた
潮騒の椿ぽとぽと
椿ぽとり豆腐やの笛がちかづく
椿ぽとりとゆれてゐる
椿またぽとりと地べたをいろどつた
ぬくうてあるけば椿ぽたぽた
日向の椿がぽとりと水へ
ぽつとり椿が雨はれたぬかるみ