鶯や舌があぶない糊の桶
鶯や巣には本尊を懸(かけ)残し
うぐひすや堤をくだる竹の中
うぐひすや何ごそつかす薮の霜
鶯や野中の墓の竹百竿(ひやくかん)
鶯や耳は我が身の辺(ほと)りなる
鶯や茨くゞりて高う飛ぶ
うぐひすや梅踏(ふみ)こぼす糊盥(のりだらひ)
うぐひすや笠ぬひの里の里はづれ
うぐひすや賢(かしこ)過たる軒の梅
鶯や柏峠(かしはたうげ)をはなれかね
うぐひすや家内揃ふて飯(めし)時分