菜の花や垣根にはさむわらぢ銭
菜の花やかすみの裾に少(すこし)づゝ
菜の花や袖を苦にする小傾城(こけいせい)
かるた程門(かど)のなの花咲(さき)にけり
遠里(とほざと)や菜の花の上のはだか蔵
なく蛙溝のなの花咲(さき)にけり
なの花にうしろ下(さが)りの住居(すまひ)哉
菜の花にかこち顔なる蛙哉
なの花に上総念仏(かづさねぶつ)のけいこ哉
なの花に四つのなる迄(まで)朝茶哉
なの花のとつぱづれ也ふじの山
なの花の中を浅間のけぶり哉
なの花も猫の通(かよ)ひぢ吹(ふき)とぢよ