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作家「吉村昭さんお別れ会」

2006-08-25 13:21:00 | インポート
昨日の夕方日暮里のホテルで7月31日にすい臓がんで亡くなった作家吉村さんのお別れ会が開かれるのを知り、日暮里での開催なら参加者も少ないのではないかと思い出かけて見ました。
開催前に会場へ着いたら既にいす席は埋りぽつぽつと立っている人がいるほどで始まる頃には立ち見の人も増え会場には3-400人は入っていたのでは。

30年前の猛暑の夏に「高熱隧道」を一気に読み感動して黒部の廊下へ行って見たく思いながら年月が経ち、10年ほど前に下の廊下を歩く機会が出来た。V字型の黒部の谷に人一人が歩ける水平道路が延々と続き、泡雪崩で当時の飯場が対岸の岩場へ叩きつけられたと云う志合谷は今も急斜面で崩落が有り道はトンネルになっていた。
阿曽原小屋の露天風呂の近くに有るトンネルの出口に行くと今でも湯気が噴出しておりサウナの様に蒸し暑さでトンネル工事当時の難儀が判る。きっと吉村さんは執筆する時に此処を歩きながら構想を頭の中で練っていたのでは。

正面にはモノクロの大きな遺影が飾られその下に天皇陛下からの賜り物が有り、周りを白い花で飾られる中で黙祷が行われ、作家、編集者等の弔辞が有り最後に夫人の挨拶が有りその中で壮絶な癌の治療の話が有り、「吉村は自ら点滴を外し自決しました」と声を詰まらせながら述べた時には、それまで後ろでザワザワしていたがシーーンとし涙をこらえるの必死になった。
一段落したところで会場を出たら会場の中に入れずにロビーにも多数の人がおり驚いた。なぜ日暮里でお別れ会が開催されたとかと云うと、この会場のホテルの敷地に昔、吉村さんは住んで居たそうで自分の予想が外れる訳だ。