東大阪親睦会

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第十三支族

2009-04-17 15:15:05 | Weblog

 アーサーケストラーというハンガリー出身の思想家をご存知だろうか。彼の著書『スペインの遣書』は日本でも有名であり、その他に全体と個(部分)の係わりにおいて、東洋思想にも通じる「全体は個であり、個は全体である」との概念「ホロン」を打ち出したのも実は彼である。多くの実績を残しながらも、彼とその妻は謎の死を遂げたという。さらに不思議なことに、彼の死を報じた新聞はその業績とともに彼の多くの著書を紹介したが、発表当時、非常に話題になり賞賛されたある著書については全く報じられなかった。
  
 その著書の名は『第十三支族』で、その内容は現在では多くの欧米人が常識的に知るところではあるが、あまり口に出しては言えない、いわゆる「タブー」化した内容である。
アーサーケストラーはユダヤ人であるが、常に疑問を感じていたことがあった。ユダヤ人といえば、マルクス、フロイト、アインシュタイン、チャップリン、キッシンジャーなどなど数多くの歴史的人物を思い浮かべられ、日本の人口の1/10ほどに過ぎないユダヤ人が、ノーベル賞受賞者の3分の1以上を占めることや、世界の主要な金融、マスコミ等を牛耳っている等々、非常に優秀でしたたかなイメージを持つ。
ところが、不思議なことにほとんどが白人系である。ユダヤ人は黄色人種の特徴を有するセム系ではなかったのか?アーサーケストラー自身も白系ユダヤ人であり、自らのルーツを探る意味でもこの疑問を解決すべく研究を行った。
まさに、この謎を解明したのが『第十三支族』であった。
 
 
その内容を要約すると以下の通りである。
7世紀頃、カスピ海北岸に、人口100万位の「ハザール王国」という巨大王国が存在していた。住民はトルコ系白人で、周囲の国とは違ってこれといった宗教を持っていなかった。 不運なことに、キリスト教を国教とする東ローマ帝国とイスラム教を国教とするイスラム帝国は、ハザール王国をはさむ形で対立していた。そのためハザール王国は、次第に両国の干渉を受けるようになった。
普通ならば、どちらか強い方の勢力を選んでしかるべきだが、ハザール王は、国民まとめてユダヤ教に改宗させてしまったのである。 彼らはユダヤ教に改宗しただけでなく、自分たちは「血統的にもアブラハムの子孫」であるとした。いわばユダヤの仮面をつけてしまったのである。その理由は、キリスト教もイスラム教もユダヤ教を母体にした宗教だから、ユダヤ教に改宗してしまえば、両国からの宗教的干渉を回避できると計算したためであったという。
 その後、ハザール王国が滅亡した際、大量の難民(改宗ユダヤ教徒ハザール人)は、西へ西へと移住し、東欧に住み着いた。この東欧に住み着いた難民たちは「アシュケナジー系ユダヤ人」と呼ばれるようになり、祖国を失った彼らは、この時から“ユダヤ人”として生きることとなったのである。
以上が白系ユダヤ人発祥の概要であるが、現在、世界中に散らばっている“ユダヤ人”と呼ばれている人間の9割以上が、本来のヘブライ人とは全く関係のない非セム系民族の「アシュケナジー系ユダヤ人」である。
 
 
この内容がなぜタブーとなったか。シオニストたちがイスラエル国家へ執着する最も基本的な認識、すなわち約束の地に建国した国家であるとの認識を損ねかねないためだである。逆に言えば、イスラエル国の誕生は、旧約聖書に記述された先祖の土地を求めて建国されたのではなく、西側諸国の中東支配戦略の一環として建国されたという、非常に人為的で特殊な歴史的背景を有しており、現在に至るまで泥沼化している原因の背景となっていることを理解する必要がある。
 現在においても、一部の正統派ユダヤ人はイスラエル国家を認めていない。上述したことに加え、真の栄光に満ちたイスラエル国家はメシアが出現して初めて誕生するという信念があるからである。現在のイスラエル国家は偽りの国家であり、その解体を主張しているという。
内部からからも亀裂が入り、まさにイスラエルは袋小路の状態と言える。メシアが現れ、真のイスラエル国家が建国されるまでは、解決できないのではなかろうか。