響けブログ

音楽コドモから「音楽コドナ」へちょっと進化。ドラムとバイオリンと小鼓を弾く、ヒビキの音楽遍歴。

馬のしっぽも長さ次第。

2008-08-30 | バイオリン・レッスン
バイオリンの弓の毛は馬の尻尾の毛でできている。馬の毛も人間の髪の毛と同じように、その表面にキューティクルというものがあって、そのケバ立ちのひとつひとつが弦にひっかかって震わせるのが発音原理なのだそうだ。だから弓を動かすごとに、弦は細かく弾かれ、バイオリンは切れ目なく音を発し続けるのである。また、キューティクルのひっかかりには向きがあるため、毛を半分ずつ向きを変えて装着してあるのだという。

と、そこまではバイオリンの先生にきいて知っていたのだが、前回の続きで毛替えに出したところ、その受け取りの際に──

「しばらく音が出ません」
と言われてしまったのだ。確かに先生も馴染むまでに一週間ぐらいかかると言っていたので、そのことかなとは思った。
「脂を塗ってください。けっこうたくさん塗らないと音が出ませんから」
脂はなめらかにするためじゃなくて、実はその馬のキューティクルが引っかかりやすくするために塗るらしい。
「塗りすぎてもだめなので、塗っては弾いてみて、音がでたらそれ以上塗らないでください」
なるほど。

というわけで、家に帰ってからヒビキにさっそく試してもらった。すると、見事に本当に音が鳴らないのだった。これにはヒビキもびっくり! 二人で交代でせっせと脂を塗ったのだが、たしかにかなり塗らないとぜんぜん音が出ない。これでは確かに「脂を塗らないと音がでない」ということを知らないとマズいことになっていたはずである。

というわけでそのうち出るようになったのだが、出たらもうすっかり以前より弾きやすいようだった。(特にスタッカートなどが弾きやすいようだ)

ところでこの毛、シモクラには2種類の長さのものが吊してあって、単純な話が長ければ値段が高い、短ければ安いという。
「それが結構、これだけの長さの差で、値段が倍ぐらいちがってしまうんですよ」
のだそうだ。したがって分数バイオリンは比較的毛替えが安い。数千円で見違える弓になるのだから、これはかなりオトクな話である。しかし、これまで分数バイオリンの毛替えをするなんて思いも寄らなかった。演奏のプロであるバイオリンの先生は、いつも楽器への投資効果と、練習の投資効果とが、厳密に計算されているのだった。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
. (トモ)
2009-11-10 08:45:34
お値段はいくらくらいでしたか?
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バイオリンの弓の毛替え価格 (ヒビキ母)
2009-11-10 12:30:12
忘れました! ぜんぜん覚えていません。
しかし、以下に価格表があるので、参考にされてはいかがでしょうか。
http://www.shimokura-violin.com/price1.html
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