社会的インパクト評価」シリーズ⑤
第3章 成果指標
3.1 成果の優先順位づけ、評価する成果の決定
ロジック・モデルを作成したら、評価する成果を考えます。
成果をすべて網羅的に把握し評価することは困難です。
そのため、成果に優先順位をつけ、評価する成果を決める必要があります。
□ 成果と事業との関係性は直接的ですか。
□ 評価する成果は事業目標の達成に有効なものですか。
□ 事業の受益者、資金提供者にとって重要な成果ですか。
□ 評価する成果の測定にコストはかかりすぎませんか。
□ 評価する成果を測定した結果、信頼性のあるデータが手に入りますか。
評価する成果を考えるときのポイント
評価する成果を決める際、事業実施者、資金提供者・仲介者等の利害関係者間で協議することを推奨します。
それが難しい場合には、評価する成果の優先順位づけの根拠を示せるようにしておきましょう
初期成果 中期成果 長期成果
外部要因による影響
把握困難性
一般的に、成果は長期・広範になるほど、外部要因による影響を受け、その把握の困難度は増していきます。
例えば、小学生向けの学習支援プログラムについて考えてみましょう。
当プログラムは小学校における学力の向上には直接的な影響を及ぼしますが、大学への進学については
予備校などの他の外部要因による影響を受けている可能性が高いでしょう。
どこまでを評価の対象とするかは、評価の目的、資金提供者のニーズ、組織が有する資源等を踏まえ、
関係者の合意の上、決定されます。
初期成果の多くは、事業活動の結果に直結するため、少なくとも1つは評価対象として選択することを
お勧めします。
例
- 学力の向上
- 社会情動的能力の向上
- 希望する進路の選択
- 経済的自立
- 生活自
3.2 成果指標の検討
評価する成果が決まったら、それらを具体的にどう確認していくかを検討していきます。
つまり、成果指標を考える必要があります。
例えば、「基礎的知識・技能の向上」は何で確かめれば良いでしょうか?
さまざまな指標が考えられますが、例えば「教科の知識・技能を問うペーパーテストの点数」が指標として
考えられます。
なお、指標は必ずしも定量的である必要はなく、定性的なものも考えられ、定量データと定性データの双方が活用できます。
例えば、「コミュニケーション能力の向上」は何で確かめれば良いでしょうか?
さまざまな指標が考えられますが、例えば「言語活動の状況」が指標として考えられます。
「言語活動の状況」は質問紙調査(アンケート)によって確かめることができます。
第3章の振り返り
成果の優先順位づけ、評価する成果の決定において、どういった点が実務上の課題となりますか。
成果指標の検討において、どういった点が実務上の課題となりますか。
成果の優先順位づけ、評価する成果の決定における実務上の課題はどのようにすれば対処できますか。
成果指標の検討における実務上の課題はどのようにすれば対処できますか。
評価する成果について、成果指標は何ですか
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