一般社団法人日本経営士会はSDGsの基礎にもなる「環境CSR経営」の普及支援を行っています。環境経営士が支援を行います。

中小企業に役立つ情報、環境CSR経営、経営改善手法、補助金、日本経営士会の御案内、経営コンサルタント・経営士の活動など

中小企業の生産性向上とIT化 シリーズ⑤

2020-03-20 13:20:42 | 経営コンサルタント

⑤ IT化には順番があります
・自社ホームページの制作
・ソーシャルメディアの活用
・電子商取引(BtoB、BtoC)
・業務効率化のための基幹システムやソフトウェアの開発

一方経済産業省は次の様に3つのステージを推奨しています。
中小企業が短期間であらゆる業務にITを導入しようとすると、コストの増大だけでなく、スケジュールが煩雑になり結果的に中途半端なクオリティのシステムになるリスクがあります。せっかくITを導入しても使い勝手が悪ければ逆効果ですし、投資した意味がありません。IT化の検討にあたっては、以下のように段階を踏んで導入することをお勧めします。  


「置き換えステージ」は                                 社内にパソコンを導入し始めた段階で、紙や口頭での連絡をメールに置き換えることや、ホームページで自社製品・サービスを紹介するなどの活用方法が想定されます。この段階は社員のITリテラシー(IT情報を使いこなす能力)もまだ低い状態です。


「効率化ステージ」は
顧客情報の共有や業務支援システムの活用、ネット販売などITをさらに業務に取り込み効率化を促進する段階です。


「競争力強化ステージ」では
ITを業務効率化だけでなく競争力強化に活用する段階で、高度な分析システムをフル活用して販路拡大や新商品開発を進めます。


ITを導入する際は、社員のITリテラシー(活用能力)やステージを意識して計画を立て、着実に進めて行くことをお勧めします。(出典:攻めのIT活用指針|経済産業省)


中小企業の生産性向上とIT化 シリーズ④

2020-03-10 13:17:00 | 経営コンサルタント

④ IT化のメリット
IT化のメリットは③でも書きましたように、あくまでも平均値ですが売り上げ拡大とか
利益率が向上します。
さらにIT化のメリットとして、まず挙げられるのが「業務の効率化」です。
例えば、経費精算を紙やエクセル管理で行っている中小企業は多いですが、経路や金額の申請・承認に手間がかかる他、その後の経理のチェックや仕訳、振込手続きまでを別途手作業で行う必要があります。


その点、経費精算にITを導入すると、経路を入力するだけで交通費が自動計算される他、出張が多かったりすると滞りがちな申請・承認処理がスムーズにできるようになります。また、会計ソフトと連動したシステムであれば、仕訳作業や振込データ作成も自動化されます。
つまり、IT化で一連の作業を一元管理すると、作業の時間や手間を省くことができる上、ペーパーレス化によるコスト削減にもつながるのです。ミスなく正確な処理ができる。  社内および社外とのコミュニケーションが円滑になる
この他、IT化は販売情報管理や在庫管理、顧客情報のデータベース化などへの活用も可能なので、長い目で見ると生産性の向上や売上・利益アップにもつながるでしょう。


デメリットは
設備投資に多額の費用が必要
システム管理には専門的な知識が必要、
情報セキュリティの脅威(ウイルス感染、情報漏えいなど)等が考えられます。


中小企業の生産性向上とIT化 シリーズ③

2020-03-02 13:13:05 | 経営コンサルタント

③ 生産性はIT化と密接な関係 IT化を阻害している要因
生産性は「1人の従業員がどれだけの儲け、売り上げ、付加価値を挙げたか」ですが
何もIT化をすれば生産性が上るとはとは限りません。IT化と称して高価な費用をかけて失敗すれば元もこもありません。
それより現行の仕事をフロー図に書き出し一つの作業毎に見直し、無駄がないか、同じ作業をするのに他の方法がないか、職場の仲間とワイワイガヤガヤと案を出した方が効果が出るかもわかりません。これ以上は無駄がないとなれば、IT化を考えればよいかとも思います。
IT化を阻害している要因として次のことが考えられます。


・資金が足りない/コストがかかる
IT化費用は通常よく言われるのは売り上げの1%といわれていますが、あくまでも平均値です。
人力でもうこれ以上無駄が見つけられないまでになれば(どこまでが無駄かとの議論がありますが)、IT導入仕様書を作成して2~3社に見積もり依頼をします。この折のIT業者との打ち合わせでIT 化とはどのようなことかおぼろげに理解されます。この場合、導入費用とメーンテナス費用、従事する従業員の費用なども考慮する必要があります。

・IT化の促進を担える人材不足
労働人口減少傾向の中では、新卒や中途採用の拡大のみで、IT 人材の 量的確保を解消していくことは難しい。IT 人材確保の方法として女性活用、シニア IT 人材の活用や外国籍 IT 人材活用といったダイバーシティ推進を進める必要があります。
 IT人材不足の対策として早期に着手していくことが求められます。特 に、外国籍 IT 人材活用は、これまで取組が遅れてきたが、企業活動のグローバル化への 対応力の強化のメリットに加え、グローバルに優秀な IT 人材を 獲得できる可能性も広がることから、拡大に向けた取組の推進が期待されます。
出典:経済産業省のホームページ

・ITへの投資効果が分からない
IT投資を行っている企業と行っていない企業の直近3年間平均の売上高、売上高経常利益率を業種別に比較した表を下記します。これを見ると、売上高、売上高経常利益率共に、IT投資を行っている企業の方が、行っていない企業に比べて水準が高い
 中小企業の業種別に見たIT投資有無と業務実績の関係      調査数;IT投資あり3428社 IT投資なし618社
      
(1)IT投資有無別の企業の売上高   (千円)
         全体 製造業 卸売業 小売業 サービス業その他
IT投資あり 2,369  2,292  3,340  2,351  1,788  1,809 
IT投資なし 1,140  876  1,783  1,229  1,002  893 
(2)IT投資有無別の企業の売上高経常利益率                                                (%)
        全体 製造業 卸売業 小売業 サービス業 その他
IT投資あり 3.0  2.9  2.1  2.0  3.8  3.8 
IT投資なし 2.7  2.3  1.6  1.6  3.3  3.6 
資料:中小企業庁委託「中小企業の成長と投資行動に関するアンケート調査」
(2015年12月、(株)帝国データバンク)     
   売上高、売上高経常利益率は2012年~2014年の3年間の平均値を集計している。

     
・ITをどのように活用すれば分からない
企業の部門別導入の高い順では 財務・会計、人事・給与、販売、調達・仕入れ、社内の情報共有、生産、開発・設計、物流の順にIT化を進めている。
出典:中小企業白書2018年版

・個人情報や機密情報の漏えいが不安
中小企業では「個人情報の流出・漏えい」「システムへの不正アクセス、乗っ取り・情報収集の起点化」が多く発生している。割合は高くないものの大きな被害が発生する可能性のある「サイバー攻撃による自社の事業所設備への物理的被害」、「インターネットバンキングの認証情報流出、不正送金被害」が一定数発生している点は注意が必要である。
対策として
「定期的なソフト・システムアップデートの実施」が「データの廃棄・処分の規定を制定」「重要情報へのアクセス制限」、「従業員への研修」である。