五体満足であること

　五体不満足という本をお前達も読んだはずだ。お前達は五体満足に生まれ、体のどこにも不自由なところはない。だけど、その五体を十分に活かさないとなんにもならないだよ。眼が見えること、耳が聞こえること、匂いも味も感じられること、さわることの感触、それらすべてがどんなに幸せなことかまだわからないと思う。たまには眼を閉じて、耳を澄ませてみてほしい。耳をふさいで、眼を見開いてほしい。眼を閉じて、匂いをかいでみてほしい。そのとき、きっと今まで見えなかったものが見えるし、聞こえなかった音が聞こえるし、いろんな匂いがするはずだ。いつも周りには、いろいろな映像、音、匂いや味があふれている。それに慣れてしまうと何にも感じていないこととおんなじなんだよ。たまには眼を凝らし、耳を澄ませ、鼻を利かせてみてごらん。必ず、新しい発見があり、生きていることの面白さがわかるよ。平凡な父も、今日、桜のつぼみを見たよ。もう明日には咲きそうだ。五感を研ぎ澄ませるときっと感じ取る心ももっともっと開かれてくるよ。
　五体満足に生まれたからには、お前達には人や自然を観察する能力を磨いてほしい。将来、生きていくうえで必ず、役に立つはずだ。


おまけ　楽天連敗中！　頑張れ、あきらめるな東北楽天　

強い気持ちがあれば何かが起こる

　今日はワールドカップの日本対バーレン戦を見たよ。きっとお前達も見ていたことだろう。オウンゴールで一点を取って何とか勝利を収めることができたが、平凡な父も月並みな表現だけど手に汗を握って見ていたよ。そのとき思ったことだが、勝利への強い気持ちがあれば何かが起こるということだ。一生懸命やれば、そして強い気持ちがあれば、きっと天は見ている。必ず何かいいことがあるということだ。がむしゃらに目標や夢に向かって頑張ること、かっこ悪いくらいに一生懸命努力すること、そうすればきっと何かが起こる。冴えない勝ち方かもしれないけど、間違いなく日本の選手たちがもたらした勝利だ。
　平凡な父はそこまで強い気持ちで目標や夢に向かったことはなかったけど、お前達は強い気持ちや望みを持って夢や目標に向かってほしいんだよ。

楽天頑張れ

　やっぱり今日も楽天は負け。先発メンバーは名選手の懐メロ特集っぽい雰囲気。負けてもいいけど、あきらめるな。判官びいきじゃないけど、応援したくなるのが人情。百敗してもいいよ、数少ない勝利に乾杯！　選手の皆さん、まだまだ君たちは若い、決してあきらめるな。苦しかろうがその姿が感動を呼ぶ。

これまでの自分に負けるな

　急がなくていいんだ。少しずつ少しずつ前に進むことだよ。誰に勝った負けたじゃない、これまでの自分に負けないことだ。あせらず、騒がず、くさらず、これまでの自分に少しでも今日の自分が勝ち、明日の自分はもっと勝つように頑張ればいいんだよ。周囲の状況に惑わされず、流されず、踊らされずじっと自分を見つめなさい。他人に負けても自分との戦いに負けるな。月並みな言い方だけど、自分に勝てば、時がたち振り返ったときにきっと進歩しているし後悔しないはずだよ。

なにごとも山あり谷あり

　人生山あり谷ありというけれど、何事も悪いことばかりは続かないし、いい事ばかりも続かないものだ。どん底にいるときは上に向かうだけだし、絶頂のときは下るばかりだ。すべて自分の思うとおりになると思ってはいけないよ。十の願望があっても一つか二つかなえば幸運と思いなさい。若いときは一つでも思い通りにならないと不満に思うし、不幸に感じがちだが、多くの失敗の中の一つの成功を喜び、努力を続けることが大事だ。
　継続は力なり。成功に浮かれず、失敗に絶望するな。何事も山あり谷あり。人間の強さは、逆境や逆風にどれだけ立ち向かい乗り越えられるかで大きな差が出る。苦しいときこそ笑い飛ばしなさい。夢や目標を見失わなければ、必ずチャンスは訪れる。うつむくな、それを逃さないようにまっすぐ前を見つめなさい。心配でたまらないことばかりだが、声援を送ることしかできない平凡な父の願いは、まっすぐ前に進んでいく姿をみることだけだ。

当たり前のことを当たり前にできること

　成功は、当たり前のことを当たり前にやってこそ生まれる。普通のことが普通にできる、基本を忘れない、基礎知識や基礎技能を身につける、そういうことが当たり前のことが当たり前にできるということなんだ。スポーツでもファインプレーは基本ができてないとできるわけがない。芸術でも学問でも基礎ができていないとすばらしい結果は生まれない。すばらしい結果だけを追い求めて、基本や基礎を忘れると、どこかでつまづくものだよ。先を急がず基礎を固めるという当たり前のことは簡単だけど面倒なものだ。面倒だから省略しがちだ。
　お前達も先を急ぐな。近道をするな。当たり前のことを当たり前にできることはやさしいようでほんとうに難しい。

楽なことと喜びの違い

　好きなこととやらなければならないことは同じじゃないよ。誰でも好きなことやしたいことばっかりやっていられたら楽かもしれない。だけど、楽と喜びは一致しない。本当の喜びは夢や目標をやり遂げたときに得られるものだ。そのためにやらなければならないことは、嫌なことや困難なこと、面倒くさいこと、辛いことが多いものだ。一つの喜びを得るためやなし遂げたときの達成感を得るために、成功を勝ち取った者はどんなに苦労していることか。だけど、目標や夢がはっきりしていれば苦労も後になれば喜びに変わるし、決して苦労に思わないものだよ。
　楽な道や楽しいことばかりを選ぶんじゃないよ。自分の夢をかなえるため、プロとして認められ、いい仕事をできるようになるため、やるべきことを一つずつやりなさい。自分を甘やかすな。楽なことを選ぶな。喜びは困難が多いほど大きいものだし、周りの人たちも一緒に喜んでくれるものだよ。お前達のそばにいる人たち、一番大事な人も平凡な父以上に喜んでくれるよ。

決意と熱意と誠意

　何かをやり遂げようとするときは決意と熱意と誠意が必要だ。この三つを持っていなければ夢や目標をやり遂げることは絶対できない。強い決意がなければ困難にぶつかったとき挫折し、失敗に終わる。燃える熱意がなければ人の共感を呼ばないし、独りよがりに終わる。ほんとうの誠意がなければ人を説得できないし、ただのほら吹きに終わるんだ。夢や目標に向かうとき、この三つの決意、熱意、誠意を心に刻み込んでいつも握り締めていれば必ずうまくいく。
　お前達も何かを成し遂げようとするときこの三つを忘れるな。決意と熱意と誠意があれば、いつも輝いた眼で堂々と胸を張って生きていけるはずだよ。平凡な父は、小さなことでもいいからお前達が一つ一つ決意と熱意と誠意を持って実現していくことを楽しみにしているよ。

チームワークで仕事をすること

　チームで仕事をやるということはみんなで楽しくやることとは全然違う。友達や先輩とスポーツをしたり、飲み会したり、みんなで楽しむことは一人で遊ぶよりずっと楽しいだろう。だけどチームで仕事をすることは遊ぶこととは全然違うことなんだよ。それぞれがその役割や役目に応じて、チームから必要とされる能力、技能を発揮しなければいけない。まず、その中で一人一人がチームに貢献できる十分な能力や技能を備えていなければならない。自分がチームにどんなことで役立てるか、役割は何か、よく考え理解して行動しないといけないんだよ。野球やサッカーでそのポジションによりそれぞれの役割があるように、チームの中でそれぞれの役割を果たし、チームとして同じ目標にひとつにまとまったときに、初めてよい結果が得られるんだ。簡単なことのように思うかもしれないが、チームの中で仕事をすることは大変なことだ。自分のミスがチームの失敗につながることもあるし、ほかのメンバーのミスをカバーしなくちゃいけないこともある。
　お前達も、その難しさはよく知っているつもりでいるだろうが、世の中に出たときに本当の難しさがわかるはずだ。苦労が多い分、仕事がうまくいったときの喜びも大きいけどね。平凡な父は、お前たちが今のうちに何か得意なことを見つけ磨くことを願っているよ。

夢、やりたいことを言葉にする

　自分の夢ややりたいことを言葉にすること、文章にすることはいいことだ。何が好きか、どんなことが得意か、何が楽しいか、どんな人を目指したいか、何に価値、意味を感じるか。そのためにどんなステップを踏んでいくか。今何をすべきか。そんなことを言葉にして文字や文章にすると、もっと自分のやりたいことや将来の夢、ビジョンがはっきりしてくるんだ。それを何度でも見直し、素直に見つめ、読んでみてほしい。何度でも何度でもじっと見つめていると、きっと夢や目標、やりたいことが形になってくるはずだ。
　独りよがりの夢じゃないか、多くの人と共有できるか、客観的に見ても魅力を感じるかよく考えてほしい。そして、形が見えてきたら、その実現に向けて今何をすべきか考えなさい。地に足をつけ、あせらず、急がず、ひとつずつ積み重ねていけば、間違いなく夢に近づいているよ。嫌いなことや、不得意なこと、いろいろな知識や勉強も何一つ無駄なことはない。それらの努力一つ一つが夢に近づくことにつながっているんだから。