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平凡な父のHitori言

平凡なサラリーマンのありふれた道程の記録

何もかも飲み込む経済の発展

2006年02月28日 21時14分14秒 | シジミの夢物語
 すべての発展は経済の成長なしには成り立たないのか。環境と経済の両立を目指す日本は、何もかもお金に変えてしまう。金メダルもお金に換算され、カーリングの健闘もビジネスのネタにされ、あらゆるスポーツは金儲けにつながっていく。純粋なスポーツを愛する気持ちも経済的成長がなければ意味がないのだろうか。経済的発展は底なしの欲望となり、富みを持てる者と持たざる者、勝者と敗者にすべての人間を峻別していく。富める者は失うことに怯え、貧しい者は生活に追われ喜びを失い笑顔を忘れる。自然環境も経済の犠牲となり、富める者だけの所有物となり、すべてが消費され、枯渇していく。そんな悪夢を想像してしまう自分が嫌になるときがある。決してそんな世の中にしたくないと思う強い気持ちと人間はそんなに愚かではないという信じる心がまだ残っているが、豊かさが経済的発展しか意味しないうちは持続可能な社会への道は遠いのだろう。
 豊かさが心の豊かさにつながるように世界のすべての人が変わり、所有への際限のない欲望が自然と人類の深い愛に変わるそんな日を夢見た。

シジミのつぶやき夢物語 「プロ野球界への提言」

2005年10月25日 21時16分24秒 | シジミの夢物語
 水底でなにかをつぶやくシジミ貝の小さな声が聞こえる。
プク、プク、プクプクッ、なんだか今年の秋も騒々しいな。世の中一体どうなってんだ。
久しぶりの、シジミのつぶやき物語の登場だ。

 今年もまた、日本プロ野球界がガタガタ揺れ動いている。いくつかの球団の合併、阪神の株式上場、10球団1リーグ制の噂、有力選手の大リーグ移籍、横浜ベイスターズの買収などさまざまな話題が噴出している。また、パリーグのプレーオフ制度にも異論を唱える人が多い。これもすべては、日本のプロ野球界がもう古くなって、時代にそぐわなくなってきたせいだ。去年1リーグ制にファン,選手たちが猛反対し、何とか2リーグ制を保つことができたけど、またまた、いろいろ噂が飛び交っているな。球団の経営者たちも、どうしてもっと球界全体のことを考えて議論し、検討しないのだろう。セパ両リーグの枠を超えて、プロ野球界全体のことを考え、ファンの期待、要望に応えるべきだろう。

 たとえば、パリーグのプレーオフだって、セパあわせて考えれば、セリーグの一位、二位とパリーグの一、二位が、タスキがけで日本シリーズ決定進出のプレーオフをやる案だってあるんじゃないかと思う。そうすればいくつかの問題は解決するはずだ。この案が最善とは思わないが、こうした全体的な構想が必要な時期に来ている。プロ野球選手達だって、個人の利益を追いかけるだけでなく、球界全体の利益を考えて行動すべきだ。長期的展望ってやつに立てば、結局、球界の利益は、いずれ自分たちに戻ってくるのだ。大リーグへ移籍するのもいいが、その目的をはっきりファンに表明していくべきだ。日本とアメリカの差がなくなってきた今、確かに質や量的大きさに違いはあるけれど、レベルは変わらなくなってきた。いまや、日本の球界で生涯活躍することが、視野の狭いこととも思えない。

 このシジミの味噌汁のような平凡なおじさんも巨人の大ファンの一人だったが、巨人頼りの球界のあり方には大いに疑問を感じている。経営者たちも、自分たちの利害を中心に考えるのではなく、一人ひとりが球界全体の経営者の立場で考えるべきだ。一ファンとしては今でも巨人に優勝してほしいが、正々堂々と戦い、フェアでビューティフルなプレーで勝ち抜いていってほしいよ。また、球界も、ファンの声や意見、アイデアをどんどん取り入れるべき時だ。ファンもみんなでアイデアや意見を出せる場を待っていることだろう。

 個人的には、野球界を面白くする一つの案として、野球の新ルール導入も考えてもいいと思っているよ。たとえば、敬遠の拒否権の導入だ。せっかく期待のバッターにチャンスが回ってきたのに敬遠ではつまらない。一試合に一度だけ、敬遠拒否権を発動できるようにし、その場合は、フォアボールを与えたとき、そのバッターは次の打席も一回だけ次のバッターと入れ替えて打てることにするというルールだ。実際のケースとして、ツーアウトランナー二,三塁の時を考えてみよう。普通は、強打者は敬遠され、次のバッターと勝負することになるだろう。しかし、この権利を発動すると、もし、フォアボールを出した場合は、次のバッターがランナーとして出て、フォアボールとなったバッターが打席に立つことになるわけだ。ただし、作戦に幅を待たせるため、この権利は一試合一度だけの利用とする。そのほかにも、ルール変更の案があるがまたの機会としよう。

 最近の世の中、経営者の論理と欲望だけで、企業の買収やらリストラが行われ、長期的展望や眼には見えない価値を大切にしない風潮が強い。平凡なおじさんには、当たり前のことしか見えないが、もっと眼を凝らして、自分たちの短期的な利益だけじゃなく、顧客やファンの眼でビジネスを長期的に見ないと、きっと後で後悔することになると思っている。今の世の中、地球環境の大きさ(環境容量という)も限界に来ている。そんな中、スポーツ産業は将来的にも大いに有望な産業だ。スポーツを見て、楽しんで、語り合うことは環境に与える負荷も少ないし、スポーツのできる豊かな自然環境や社会そのものが決して失ってはならないものなのだ。賢き経営者たちよ、大きな心と長い眼で、多くのファンや顧客、未来の子供たちのこと、地球環境、社会のことを考えてくれ~~~~。当たり前のことを願う切なる思いが届くことを祈るばかりだよ。
プクプクッ。


シジミのつぶやき夢物語 「選手Kの復活」最終章

2005年09月04日 15時01分17秒 | シジミの夢物語
 久しぶりにみる見事な対決だった。内野席の一番奥で、額に汗をかき、手に汗を握って見ていた蜆の味噌汁のよう平凡なオッサンが、ふと電光掲示板を見ると、160キロのスピードガン表示が輝いていた。そして、実況中継室をみると、あのTアナウンサーが顔中涙だらけか、涙中顔だらけかわからないくらいの大べそをかいて、言葉にならない言葉を発していた。ふと、外野席の看板をみると、オッサンの愛するチョーさんが、「うーん、ベリーグッドな勝負でしたね、ベリーナイスでした。」とちょっとうわずった声でささやき、右手の親指を突き出しているのが見えた。

 結局、その年のセパ交流戦でのKとTの対戦成績は、八打数七三振、一ホームランであった。その対戦まで2割そこそこだったKの打率は、その後急上昇し、シーズン終了時点では三割一厘、ホームラン三十七本、打点百十七で、無冠の帝王は始めての打点王のタイトルを獲得した。誰もがKの復活を確信し、来シーズンの一層の活躍を期待していたが、Kはそのシーズン後、自軍ベンチの片隅にそっとバットを立てかけ、静かにグランドを去った。

 またひとり、野武士がグランドを去ったが、これは夢の終わりではなく、新たな夢への旅立ちである。そのことを知っていたのは、Kの暴れん坊ぶりと心根のやさしさを知っているあのN元監督だけだった。その背中をポンポンと叩き、「これからも活躍を期待してますよ。」と、そっと前に進めと押し出したに違いない。Kはこれからも燃え上がる炎のような野球魂をみせてくれることだろう。


 ひょっとしたら、格闘技の世界で、数多のデッドボールを跳ね返してきたその肉体を見せつけるかもしれない。
「オンドリャー!!!」

夢、夢、夢...夢の終わりはいつも次の夢へのスタート。

シジミのつぶやき夢物語 「選手Kの復活」Ⅲ

2005年09月03日 18時46分20秒 | シジミの夢物語
A :「ここは正攻法で、高めに外れるボールのストレートで様子見か。」
T :「ここは悔いの無いように外角高目のストレートしかない。三球勝負だ!!」
K :「得意の一番早い球でこいヤー!!」
Tはサインを覗きこむと、一度、二度首を振り、三度目にしてやっと肯いた。大きく振りかぶり渾身の力を込めたTの指先から放たれたボールは、太く白い光線となってホームベースへと向かっていく。

 外角高めのストレート、Kは、待ってたとばかりにグアーンと唸りをあげんばかりのフルスウィングで応えた。しかし、ボールを打ち砕かんとしたバットを微かにかすめ、白いロケットとなったボールは、Aのミットにズド~~~ンと爆裂音を立て、再びめりこんだ。その一瞬、ホームベース上で火花が走り、きな臭い匂いが流れたのを感じ取ったのは、一番近くにいるキャッチャーのAだけではなかった。球場全体が、閃光が走ったのを感じたに違いない。


「ストラ~ック、アウ~ト!!」、球場中にアウトのコールが流れる。数秒間の沈黙の後に、ズズズ~~~ンとTSUNAMIのような歓声が球場を押し流す。球場中の人間がこの勝負に酔いしれた。すると次の瞬間、球場のどこからともなくKの愛称を呼ぶ声が聞こえてきた。「Kよくやったぞー。B長この日を待ってたぞー。」、ホーム、ビジターの観客席に関係なく、多くのファンの間から聞こえてくる。
その掛け声は、じきにKのテーマナンバーの大合唱となって流れ出した。その合唱を背に、Kは数秒間天を仰ぐと、くるりとホームベースに背を向け、バットを右手にゆっくりとベンチに去っていた。

次回は最終章だよ。

シジミのつぶやき夢物語 「選手Kの復活」Ⅱ

2005年09月02日 20時08分55秒 | シジミの夢物語
 Tの投げた第一球目は、外角低めに向かってグ-ンとスピードを増し、ズドーンとAのミットにめりこんだ。まさに鉛の玉だ。
「ストライ~ク!!」アンパイアの右手が力強く宙に突きあがった。
A :「よし、いいコースに決まった。さすがのKさんもピクリともしなかったな。」
T :「Kさんの得意の外角低目なのにどうしたんだろう。悠然と見逃したぞ。一体なんの球を待ってるんだ。」
K :「うーんいいコースだ、そのうえなんて球威だ。さすがに20年にひとりのピッチャーと騒がれることだけのことはあるわい、全然、手が出んかったわ。」

 一塁上のランナーもただ、この勝負を見守るだけだった。キャッチャーからの返球を受け取ると、Tは次のボールのサインを覗き込んだ。
A : 「ここはひとつボールになるカーブで様子を見ようか。」
T : 「うんそうだな。一球目のストレートに反応しなかったのを見ると、変化球を待っているのかなー。もう歳だし、ゆるい変化球を待っているのかもな。ここはボールになるカーブで様子見だ。」
K : 「今のストレートだ。絶対あのストレートを打ってやる。」

 またもや大きく振りかぶると、第二球目の球は急ブレーキが掛かり、ベース直前で鋭く曲がり落ちた。ほんのちょっとのコントロールミスから、ボールにするはずの球は真ん中低めのストライクコースへと落ちていった。
「ストライ~ク!!」またもや、アンパイヤのストライクのコールが鳴り響く。
Kのバットはまたもやピクリともせず、Kは悠然と見逃した。打ちごろのコースにもかかわらず、全然反応しない。
A :「ふー、やばかったよ。ボールのはずがストライクコースに入ってくるからもう駄目かと思ったよ。助かったー。」
T :「なんでだ。なんの球を待ってるんだ。もう次は一番得意のストレートで勝負するしかないな。」
K :「変化球もいいモノを持ってるなー。でもあの球だったら打てるが、俺が待ってのはそのボールじゃあらへんぞ。」

 さあ、第三球目はどうなる? ひとつ遊ぶか、それとも三球勝負?
球場中のみんなが静まり返っている。ビール売りのお姉さんも、ボールボーイも、そして解説席のベテランアナウンサーTさん、解説者のEさんもジーっとみつめている。

この夢の続きは明日だよ。

シジミのつぶやき夢物語 「選手Kの復活」

2005年08月31日 21時13分59秒 | シジミの夢物語
 ブログの新カテゴリーとして平凡な父の夢、希望、願いを短編小説にすることにしたよ。我が家の誰かさんが、平凡な父のことをシジミ貝に似てるっていうから、シジミのつぶやき夢物語という題名にするよ。記念すべき第一弾は愛する野球夢物語で「選手Kの復活」だ。

 澄んだ湖の水底で小さなシジミ貝がなにかをつぶやいている。プクプク、プクップクッ、そーっと耳を澄まして聞いてみようか。

 ウォ~~~、ウォ~~~と、どよめく歓声の中で、選手Kはネクストバッターボックスの中で、マウンド上の新人ピッチャーTを睨みつけていた。昨年、甲子園球場を大いに沸かせ、150キロを超えるストレートで三振の山を築いた甲子園のヒーローである。

 九回の裏、ワンアウトから味方のエラーで一塁ベース上にランナーがひとり。今まさに前のバッターが自慢のストレートで三振に討ち取れた場面である。スコアは1対0、まさに最少得点差だ。Kはゆっくりと右バッターボックスに向かおうとしている。そんな刻、Kはひとり、去年のシーズンを思い出していた。

 在京の人気球団でクリーンナップを打ち、ファンからはいつも大きな声援をもらい、登場のときには球場中にKのテーマナンバーの歌声が鳴り響いた。ところが、優勝を期待されたにもかかわらず、開幕当初からチームの不振が続き、最下位寸前の惨状だった。自らの膝の怪我やたび重なる内角攻めのデッドボールにより、打撃不振に陥り、チーム不振の責めを一身に受けた。八月からはレギュラーをはずされた。

 そのシーズン後自由契約となり、安い年俸にもかかわらず、東北の弱小チームRに移籍したのだった。もう限界だ、態度がデカク使いにくい、とか散々マスコミに叩かれ、もうどこも行くところがないと覚悟したが、東北の弱小チームのオーナーの「高い年俸は払えないけど来てもらえないか」の一声で決心したのだった。とにかく野球が好きだった。野球がやりたくてたまらないのである。

 「つい去年のことなのに遠い昔のようだ」ひとり、心の中でつぶやき、バッターボックスに入った。軽く一度素振りをし、ぐっとピッチャーTを睨んだ。Tは怯むことなく澄みきった眼で睨み返してきた。一塁にランナーがいるにもかかわらず、大きく振りかぶり第一球目を投げ込んだ。真っ白なボールがうなりを上げ向かっていく、まさに火の玉だ。さあこれから名勝負の幕開けだ。

 残念ながら続きは明日だよー。プクプク。