在沪日記

流れゆく人生を残すブログ マウイ オアフ 上海 シンガポール そして日本

上海201X-017

2022-05-27 | 上海201X



 プラタナスの若葉がいっせいに芽吹き、アッというまに道が暗くなるほど
の新緑だ。

 上海のプラタナスはフランスからもたらされたので、「法國」の「桐」、
「法桐」と呼ばれる。

 法桐についてはいずれまたなにか書こう。

 上海で一番好きな月は5月だった。

 梅雨までのしばらくの間、乾いた気持ちの良い風が吹く日がある5月。

 2番目は11月だね。

 5月の上海。

 また訪れてみたい。



  2010年代、上海の街角。
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悲しきレストラン

2022-05-22 | ワイキキの影
 
 目ざめたときから気分が重かった。

 楽しかった旅ももうすぐ終わってしまう。

 なんとかベッドから抜け出して、カーテンを開けワイキキビーチの様子を
うかがってみる。

 今日も天気は上々のようだ。

 すでにたくさんのサーファーが海の中に浮かんでいる。

 ダイアモンド・ヘッドの真上にお日様が昇っている。

 思ったより早く起きてしまった。

 朝食をどうするか。

 昨日まではマウイのコンドミニアムにいた。

 そこならば冷蔵庫の中に入っているグレープフルーツジュースを飲んで、キッチンでパパイアを
切り、コーヒーをいれれば立派な朝食だ。

 だが、ここはワイキキの高層ホテルの一室。

 ことはそう簡単には運ばない。

 とりあえずコーヒーだ。

 シャワーを浴び、シャツを着て、エレベーターで一階のコーヒーショップに向かった。

 ベルデスクには昨日の午後、部屋までスーツケースを運んでくれたフィリピン系の
ベルマンがいた。

 むこうもこちらの顔を覚えていたらしく「グッモーニン」と挨拶してくる。

 昨日チップを渡すとラナイに出て、「今日は部屋からホヌ(ウミガメ)が見えるぞ」と
手まねきし、「ほらあそこ。見えるか?」と教えてくれたひとなつっこい男だ。

 「よく働くね」

 「朝飯食べたか?」

 「まだだよ。コーヒーを飲もうと思うんだ」

 「そうか。朝飯もたべた方がいいぞ。朝飯を食べれば一日を楽しめる」

 「わかった、そうするよ。ありがとう。じゃあまたね」
 
 ガラス張りのコーヒーショップで水とコーヒーを交互に飲みながらあらためて朝食について
考えてみる。

 去年このホテルに泊まったときにどこで朝食を食べたか。

「あの店に行ってみるか。オムレツもアサイー・ボウルも悪くなかったな」

 コーヒーを飲みおえると、カラカウア通りを西に4ブロックほど歩いたところにあるカフェ
に向かうことにした。

 アメリカ本土から家族で来るようなツーリストが泊まるホテルの1階にそのカフェはある。

 店に入るとガランとしている。

 先客は一組だけ。

 おそらくメインランドからきた白人の老夫婦。

 この時間にしてはすいてるな。

 少しイヤな予感。

 チーズのオムレツ、付け合せにはロウズマリーポテト、それにアサイー・ボウルを注文する。

 接客に出てきたのは「なんともローカルのおねえちゃん」とでも呼ぶべき20代後半の黒髪の
女性だ。

 白人とアジアの血を持った、この島ではよくいるタイプ。

 「あれ、去年はもうちょっと陽気なおねえさんが、気持ちよくあいさつしてくれたのにな」

 僕の注文を受けた黒髪の女性はニコリともせずキッチンの方へと向かった。



 「ああ、ここも変わっちゃったんだな。たった一年で」

 もう料理が出てくるまでもなくわかってしまった。

 オアフ島、とくにワイキキの一年は東京や上海の一年と変わらない。

 いやトキオの一年よりワイキキの一年の方が速く時間が過ぎる。

 このカフェ兼レストランも一年の間に、オーナーが変わったのか、スタッフが変わった
のか、とにかくもう一年前のあの「ちょっとイイ店」ではなくなってしまったのだろう。

 この島のいたるところでそんなことが高速で起きて、ツーリストの僕はもうついていけない。

 「来年の旅行でもまたこの店に来よう」そんな楽しみが毎年裏切られていく。

 オムレツもアサイーも接客も予想通りのものだった。

 店を出てまだ午前中の白い光の中へとさまよい出る。

 「オアフはもういいかな・・・・・・」

 晴れたリゾートの朝には似合わない足取りで、ふらふらと定宿に向け歩きだした。
 

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上海201X-016

2022-05-15 | 上海201X


  街頭でざくろやサトウキビの搾汁を売る A juice man
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50年vs3億年

2022-05-10 | 諸国つれづれ


 砂岩だけでできた広大な乾燥地帯。

 ホテルのプールにその岩はある。

 このプール自体が、この巨大な岩をながめるために作られたのだという。

 3億年の風化を経て岩は今の形になったのだ。

 プールサイドのカウチで上体をおこして岩とむきあう。

 「3億年、3億年」とこころの中で念じながら岩を見つめる。

 マクエルモ・ヴァレーでできたシャルドネをゆっくり、ゆっくり飲みながら「3億年、3億年」と唱えてみる。

 このワインは5年前にとれたブドウからつくられたという。

 「5年」対「3億年」・・・・・・

  私が生まれて50年

 「50年」対「3億年」・・・・・・

  心のなかで唱えながら岩を見る。

  風が吹いている。

  この風がこの岩を作ったのか。

  「3億年、3億年」

  また風が吹いてプールの水面にウロコのようなさざ波を立てる

  「3億年、3億年」

  5年のワインが50年の脳に入り、私はユラユラしながら3億年と対峙している。


 
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上海201X-015

2022-05-04 | 上海201X



 2010年代 上海の街角

 スマートフォンより新聞だよ
 
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