goo blog サービス終了のお知らせ 

なら斬り開く?!

アジもホッケも、物事さえをも、斬り開く。

タイトル未定

2007年05月24日 | 虚事
押入れを開けたら、そこは神保町だった。

ヒトがいた。たくさんいた。

でも無視した。

なにしろそこは押入れだから。

みんなのなかでは神保町でも、僕にとっては押入れだから。

でもちょっと心苦しかった。

だから叫んだ。思うまま叫んだ。

そしたら、そこはもう神保町じゃなかった。

下落合だった。

怖くなった。不安になった。泣きたくなった。

だから振り返った。

見慣れた自分の部屋が広がっていた。

ケータイの充電しなきゃ、と彼は立ち上がった。けど、

足がしびれてた。

独り言(ひつじの)

2007年05月04日 | 虚事

「にんげん?
 あぁ、あの二足歩行をする人間さんのことだメェ。

 まぁ僕らは4本足で歩くのメェ、
 2本足で歩く彼らのことはわからメェけど。

 身体の表面積に対する地面と接した部分が、
 他の生物より明らかに少ないというデータはでていメェす。

 でもそれも、時と場合によって変化していくことが
 先日の学会で発表されメェした。

 それは、歩くとき、座るとき、寝るとき、などの違いだそうメェす。

 それらによる本質の違いはまだ明らかにされていメェせんが、
 なにやら興味深いものがあると心得ておりメェす。

 大地や水や空気や、他の生物・事象などとより多く接する生物は、
 どの世界でも、圧倒的に有利な立場を獲得されていメェす。

 人命を救命するメェンバーに加盟する使命を持つことが重要でメェす。
 人間さんは大変だメェ!」

とひつじが申しております。

独り言(カエルの)

2007年05月01日 | 虚事

「まぁ なんだかんだあるけどカエル
 やっぱ 生きてくには 動機が必要なんだカエル

 どういうふうに生きたっていいカエル
 そこに動機があればいいカエル

 腕組みするのにも 動機が必要だカエル
 目を見開くのにも 動機が必要だカエル

 神に仕えるのにも 動機が必要だカエル
 都市が栄えるには カエルが必要だカエル

 カエルとカエルは カエルもカエルだカエルにアルエがコルネとツールドフランス

 全く世のなか 大変だカエルねぇ」

とカエルが申しております。

独り言(水の)

2007年04月30日 | 虚事

水が言う。

「これ、ほんとさぁ。まだ誰にも言っとらんだけどさ。
 あのよ、やっぱよ、なんちゅーかよー。

 重力には逆らえないってことだよ。

 これまじでほんと切実な話でよ。
 俺も出来れば上のほうに行ってみたいとか思うだけどよ。

 重力とかいうすんげぇ強い力で押さえ込まれてさ。
 そんな簡単にいかねんもんだわ、人生ってばな。

 でもよ、まぁ悪いことばっかじゃねぇーんだなぁ。

 重力のおかげで安定が保たれて、潮の満ち引きがあって、
 地球も軌道に乗って、危険な隕石も月に守られてな。

 そんなん考えとったら、上に行きてぇなんて
 どーでもいい話だって思ったんわけ。

 俺みたいな普通な水でも、流れてたら良いことあるんかな。

 なんて思いながら、
 これからも重力と仲良くしていこうかなぁ。なんつって」

と、水が申しております。

分裂

2007年04月29日 | 虚事
分裂する。

細胞も、方角も、輪郭も、時間も、物質も、目標も、媒介も、

分裂する。

今日も分裂した。一昨日も分裂した。

だから明日も分裂するだろう。

分裂したとかしないとか、分裂にするとか、

D端子分裂ケーブルとか、USB充電機能付き分裂トランスミッターとか、

見渡しても分裂するだけ。

分裂しながら、分裂を装って、分裂から追い出される。

♪分裂しそうなんだ 抗鬱剤をちょうだい

だれもかれも、どこもかしこも、いつもいつまでも、

分裂して、分裂して、分裂して、分裂して、分裂。

なにかが失いはじめる。

分裂しながら分裂を。

おうせー・ふっこと傷跡を

2007年04月22日 | 虚事
お店を開いてからの、おうせーくんとふっこちゃんの生活は、
とても楽しく、笑顔であふれ、毎日が輝いていた。

しかし、そんな幸せな生活も長くは続かなかった。
戦争によって破壊されたのだ…。

戦争による情勢の不安定から、
世界が2つに分断されてしまった。

それも、ちょうど2人の家を切り裂くように…。

それからの、おうせーくんとふっこちゃんは、
お互い別々の世界で暮らすこととなった。

苦しくても、寂しくても、声が聞きたくても、
体に触れたくても、お互いの存在を確かめたくても、

もう会うことは叶わなかった…。


ある日、おうせーくんは押入れから
ふっこちゃんが大切にしていたカスタネットを見つける。

おうせーくんは、そのカスタネットを叩く。

乾ききった弱々しい音の波紋が、部屋中に響きわたる。
その音の振動はリズムとなって、世界中を埋め尽くす。

力強く奏でる音楽と祈りは、奇跡的に壁をこじ開ける。

それはまるで「精神と時の部屋」に閉じ込められた
魔人ブウのようだった。


おうせーくんは、今、もうひとつの世界へと足を踏み入れる。


おうせー・ふっこの奮闘記

2007年04月21日 | 虚事
ふっこちゃんには、この冒険を始めてから、
ひとつだけ気になることがあった。

それは「なぜ地球はまわっているのか」ということ。

地球がまわっているのか。まわるのが地球なのか。
地球にまわらされているのか。地球がまわらされているのか。

ふっこちゃんは悩み、沈み、苦しみ、考えた。

そして苦しみながら、あるひとつの答えを導きだした。


オムレツのなかにチーズを入れてみよう、と。


いつもと変わらないオムレツにちょっとだけ飽きつつあった。

チーズのおかげで口のなかがまろやかになり、
チーズの味と香りが体中に溶け出し、駆け巡った。

ふっこちゃんは、しあわせだった。

それを見たおうせーくんも、しあわせだった。

その5ヶ月後、おうせーくんとふっこちゃんは、
新しくチーズオムレツのお店をオープンさせた。

店は大繁盛だった!


あの忌々しい出来事が起こるまでは…。

おうせー・ふっこと旅の扉

2007年04月20日 | 虚事
おうせーくんとふっこちゃんの冒険は、早くも2日が経過していた。

アリアハンを出発し、レーベを経て、
スライムやおおありくい、いっかくうさぎを倒しながら、

やがて2人はいざないの洞窟へとたどりついた。
と、そこで2人はある重大なことに気がついた。

2人のレベルが余りにも違い過ぎる。

1回も死なずにきたのだから、もらえる経験値は同じはずなのに、
ふっこちゃんのレベル 12 に対し、おうせーくんはいまだレベル 2 だった…。

それは何故か?

答えは簡単だ!

おうせーくんは敵からもらえる経験値には目もくれず、
緑黄色野菜ばかりを必死にかき集めていたからである。

貰い手がない経験値は自動的にふっこちゃんが手に入れた。
こうなれば2人のレベルのひらきは当然だ。

栄養か、経験か。で、やがて2人は揉め始めた。

1000年に1度しかない「おうせー・ふっこの大号令」は
ここにきて早くも重大な局面に差し掛かった。

しかし、ふっこちゃんにとっては、そんなことどーでもよかった…。

おうせー・ふっこの大冒険

2007年04月19日 | 虚事
おうせーくんは緑黄色野菜が大好きな人間だ。

緑黄色野菜のステーキ、緑黄色野菜かけご飯、
ポッキーの緑黄色野菜味、揚げ出し緑黄色野菜、

緑黄色野菜大福、緑黄色野菜入り小麦粉、
おでん風味の緑黄色野菜、緑黄色野菜的カニ。

緑黄色野菜ならなんでもこい!とおうせーくんは言う。

おうせーくんは週に2回、
大好きな緑黄色野菜を購入するため、近くのスーパーへでかける。

今日もいつものスーパーへ行こうと玄関を開けた。
と直後「ピィィィーーーーーーー!!!!」とけたたましい笛が鳴り響き、

気が付くと、おうせーくんはロンドンのパディントン駅にいた。

そして、そこには、
また同じようにして辿り着いたふっこちゃんもいた。

これが1000年に一度訪れる、おうせー・ふっこの大号令だ!

果たしてふっこちゃんは緑黄色野菜が大好きなんだろうか
と、とっさにおうせーくんは思う。

しかし、ふっこちゃんはそんなことどーでもよかった。

二人は冒険にでかけた。

Free as a ...

2007年03月16日 | 虚事

次のシーンでは、君は
非常にお出かけ好きな鳥と出会うこととなる。

「こんにちは」君が云う。
「こんにちは」鳥が云う。

「どこへ行かれるのですか?」
「京都へ」

奇遇だった…。
僕も明日、君を京都へ向かわせる。

(京都で運命を変えられたらいいのになぁ…)君は願う。

しかし物事はそんな簡単に変わらない。

僕は文章で、君をどこへでも連れていくことができる。
空を飛ぶことも、動物と話すことも、瞬間移動でさえも。

でも君に、僕と違う考えを持たせることはできない。
君はすべて、僕の行動に委ねられている。

君と僕は、明日京都へ行く。

アビイロードの情景

2007年03月15日 | 虚事

ゆっくり門をくぐると、アビイロードにたどりついた。

ここぞとばかり、持っていたデジカメで写真を撮るが、
すぐにメモリがいっぱいになってしまう。

ポールがイヌの散歩をしている。

日本では景気回復の兆しが見える。

ジョンが発言をする。

遺伝子の解読が終了する。

ジョージがギターのチューニングを終える。

コーヒーを煎れる。

リンゴが笑う。

音が流れ始める。

場面が暗転し、スタッフは次のセットを組み立てる。
とても手際が良く、僕は感心してしまった。

思念と誕生と

2007年03月14日 | 虚事

少しずつ虹色の煙が消え、
やがて目のまえに地獄の門が現われた。

……。言葉がでない…。

門が体内へと入り込んでくる。

(私は あなたの こころが 生みだした。
 これから与える道具で あなたは 私を 開かねばならない)

そこまで言うと、静寂が訪れる。

直後、この世にある全ての欲望と憎悪と孤独と混乱と絶望が
嵐のように俺のなかへと産み落とされていく。

俺は、考え、考え、考え、考え、考え、考え、
ひたすら考えから考えを考えるように考えて考える。

門はいっこうに開かない。

そして考え、さらに考え、そして考え、さらに考え、
考え考え考え考え考え考え考え考え考え考え考え考え考え、

考えが体内を支配する。
限界が肉体を支配する。

支配は見かねた俺を空虚へと導く。


思考が止まる…。


そして門は開かれた。

容赦なき出会い

2007年03月13日 | 虚事

2時間ほど歩くと、俺はそこでリスと出会った。

思わず見上げてしまうほど大きい身体…。
なにしろ今の俺はカマキリなのだ。

「こなとこで、なにしてんだぼ?」彼が訊ねる。
「実は少し迷ってしまって。すまないが道を教えてく…」

「おわ、おめの持っとうケータイ
 最新型じゃねぇかぼ。ちょと見せどぐらぁ」

彼は半ば強引に、俺の左手のケータイを取り上げた。

舐めるようにケータイを見回したあと、
「!!?」と驚いて、目を見開きながら、大声で叫ぶ。

「こ、こっ、このストラップ、どこでっ?!
 んんー、とうとう現われたみたいだな。挑戦者が…」

すると彼の姿は、みるみるうちに虹色の煙へと包まれていった。

荒野で漂流ス

2007年03月12日 | 虚事

俺は何処だか知らない草原で気を失っていた。

目を醒ましてからは、連続して頭痛に悩まされたが
奇跡的にも怪我ひとつしていなかった。

と直後、俺はあることに気がついた。

体がカマキリになっている…。

こんなことがあっていいものか
と一応考えてもみるが、今さら仕様がないことだった。

そういえば今日の星占いに
「あなたはもうすぐ生まれ変わる」とか書いてあったな。

よりによってカマキリだとは…。

これからどうしたらいいのだろう。
取り敢えずそのへんを歩いてみるかな。

まずはエサと水と目的を確保すべきなのだ。

まるでドラクエの、船を初めて手にしたような
不安と恐怖と好奇心が入り乱れていた。

空中大決戦

2007年03月12日 | 虚事

出発してから数時間が経過していた。
真っ暗な機内とアルコールで、俺はいつのまにか熟睡していた。

やつが言う。

「おい、起きろ!もう外国まで待てない。
 外にでて戦うことにする。舞空術はつかえるよな?」

いきなり叩き起こされると、
人間は他人の言うことが理解できない。

が、やつの目は本気だった。

「あぁ。あまり自信はないが…」
俺はそう答え、そそくさと席をたつ。

(これからやつと死闘がはじまるわけか…)

やつはパイロットに頼みこみ、ドアを開けさせた。
金で買収したらしい。

俺とやつは大空へ飛び込んだ。

しかし今日の俺は、何故か舞空術が使えなかった…。