オウムガイは水圧がないと飼育できないのだろうか

　オウムガイが気になってしょうがないので鳥羽水族館で飼育・繁殖がされているオウムガイに関するブログの書き込みを読んでいたが、どうやら飼育・繁殖は上手くいっていると言えないようである。オウムガイを通常の水槽で飼育すると通常の数倍の速さで老化することや卵が異常形成されて胚が上手く発生しないことによるものだそうだ。水温や水質、光の明度、エサはほぼ生息海域に近い状態に保っているらしく、それらの障害の原因不明なようだ。

　私はその障害の原因として水圧があるのではないかと考えた。大きな要因だが再現するのに障壁が高いので基本的に水圧を加えなくても大丈夫な深海魚の魚種を選んで飼育・展示して居る状況であると以前読んだ本や見たページに書いてあった気がする。飼育水槽で水圧を再現するのはかなり難しい事で日本では葛西臨海水族館などのわずかな水族館や研究施設にしかそのような装置は無い。水圧を加えないと老化が早く進んだり、卵が異常形成されるという事は本当に水圧に起因しているのかや水圧が原因でタンパク質のコンフォメーションが変化しているのが原因なのか調査するにはその装置が必要なのだが、当然、普通に暮らしている人が容易く購入したり製造できるようなものではない。また、オウムガイ自体も手に入ることは無いだろうと思われる。想像が容易なのに未発見の科学的事実があったとしても資本や機器などの物的要因、時間の制約、法的問題で調査できない事は多いわけで私は数学以外では驚かないが、なんとなく自分で行きたくなる気持ちがあるのが悲しい。

　深海魚由来細胞株を用いた高水圧環境下での細胞分裂の分子生物学的解明という研究を見つけたが、この研究の要旨において、『深海魚由来細胞は、加圧下においてM期が大気圧条件の4倍かかる事も明らかとした』とあるのでオウムガイで老化が早く進む原因も細胞周期の変化によるものなのかもと勝手に推測するが、この謎が解明されるのは想像よりも未来の話になる気がする。

自分は『だれも知らない』という小学校で使った音楽の教科書に載っていた曲がいまだに好きなのだが、どのくらいの頻度で私と同じに気に入ってくれる人がいるのだろうか。