坂道をのぼりながら

感じたこと、考えたこと、などなど。

いざ、夏の学校

2006-07-29 06:56:56 | Weblog
これから生物物理学会の夏の学校に行きます。
2泊3日です。

有馬温泉の近くにあるセミナーハウスで
行われるので、かなり山の方にあると思われます。

色んな大学から先生や学生が集まるので、
すごく緊張します・・・。

それでは行ってまいります!

アインシュタインがもし今の時代に生きていたら、

2006-07-26 01:11:14 | Weblog
この前の日記に対して、井口さんからいただいたコメントの中に、
アインシュタインが今の時代にもし生きていたらどんなことを研究していただろうか、という部分がとても気になっていたら、
研究室の本棚に雑誌「現代思想」(1994年5月号)の中に、
アインシュタインについての金子務さんの連載があって、
とてもおもしろかったので、何箇所か引用してみます。

エルサレムのアインシュタイン資料を過去五回にわたって調査したさい、私にとって最大の驚きは、アインシュタインが晩年にいたるまで複数企業から少額とはいえ特許権料を得ていたことであった(注)。あのついに不毛の内に終わってしまった統一場理論への傾注を知るものには、まったく無関係なかずかずの技術的領域においてアイデアを惜しみなく注ぐ情熱を一生持ち続けたということが驚異ですらあった。(14ページ)

(注)たとえばオランダの特許事務所GIROから1927年に27ドル、1937年には324ドル等が振り込まれている。


アインシュタイン自身の言葉も紹介されていた。

物理学の最初の授業は実験ができて、見て面白いことだけにすべきです。よい実験は、本質的にしばしば、私たちの頭から絞り出された20の公式よりも価値があるものです。物理現象の世界にこれから道を見出していかねばならない若い精神は、数式などに決して近づけないことが特に大切です。彼が物理学を学ぶとき、数式は世界史の日付の数字とまったく同じく、不気味で恐ろしい役割を演じます。
(アインシュタイン自身の言葉、17ページ)

アインシュタインが特許局で働いていたことは知っていたけど、
僕は、アインシュタインがてっきり空想・想像の達人というか、
実験的なこととは無縁の人だと思っていたので、
こんなにも実験に興味を持っていたことに、すごくびっくりした。

そういえば、1905年に発表された特殊相対性理論の論文は、
電磁誘導の話から始まっていたような・・・。
実験的なことからアインシュタイン思考は深められていったの
かもしれない。

僕にはもうひとつ想像できないことがある。
アインシュタインがもし今の時代に生きていたら、
バリバリにコンピュータを使って研究していただろうか。
紙と鉛筆で計算していたり、椅子に座ってパイプをくゆらせながら
考えたりしている姿は思い浮かぶけれど、
ノートPCを持って歩き回っている姿を、うまく思い浮かべることができない。

でも金子さんの文章を読んだら、アインシュタインの先端技術に対する興味は
そんじょそこらのものではないことが分かったので、
僕の想像とは裏腹に、コンピュータを駆使して研究をしている姿が、
アインシュタインの本当の姿なのかもしれない・・・。

***

アインシュタインの人柄などが分かるような本でおもしろかったものは、

アバウトアインシュタイン
―アインシュタインをめぐる70のミステリー (単行本)

(竹内薫)

アインシュタイン自身の言葉が、英語と日本語で紹介されていて、
とてもお得な本です。

フリーランスの物理学者

2006-07-21 06:20:50 | Weblog
今日は木曜日。

発達科学部の教室で量子化学のセミナーの日だったけど、
今日は中止。

その代わりに、発達科学部で行われた講演会に参加。
フリーランスの物理学者、井口和基さんによる講演で、
タイトルは「”物理学でないもの”の物理学」。

ネットワーク理論の話。
最近はやっている、スモールワールドネットワークや
スケールフリーネットワークなどについての数学的基礎や
現実世界への応用について。

ネットワーク理論についての本はたくさん出ていて、
例えば、バラバシの新ネットワーク思考―世界のしくみを読み解く
紹介される。

ネットワークでものごとを考えるということは、
空間的な距離という概念は消えてなくなって、
あるものとあるものの「関係」だけが存在することになる。

例えば、友達の友達が、自分の友達だった、みたいな場合に、
人間がアメリカにいようが、日本にいようが、屋久島にいようが
関係なくて、ある人とある人が友達であるということに
変わりはない。

遺伝子ネットワークやエイズの感染などに、
ネットワーク理論がどう適用されるかなど、
現実世界における役割も非常に大きくて、
いろんな分野でネットワーク理論が
活躍していくことになりそうだ。

今、ネットワーク理論が熱い!

***

もう一つ興味深かったのが、井口さんがフリーランスの物理学者だということ。
大学にも企業にも所属せずにフリーで科学をやっている。
日本代表の青いTシャツに短パン姿の科学者。
井口さんのブログを見てみると、
サッカーがとても好きだということが分かる。

「大学に”所属していなくて”まともな研究ができるんだろうか?」
講演を聞く前は、プロフィールを見ても大学名などが
何も書かれていなかったので、不思議に思った。

講演を聴き終えて思ったことは、
「大学に”所属していて”まともな研究ができるんだろうか?」

ネットワーク理論の専門家は、
いろんな専門家の壁をひょいひょいと乗り越えて、
現実のネットワーク世界を駆け巡っているような印象だった。

こういう生き方があるということを知れたことに
すごく感動したし、どこにいても「考える」という行為は
できるんだなと思った。

カップヌードル

2006-07-19 04:20:10 | Weblog
研究室で朝をむかえることになりそうだ。

夜中の3時くらいに、学食の近くにある自動販売機で
カップヌードルのシーフード味を買って食べたら、
すごくおいしかった!
自動販売機に給湯器が付いていて感動、その場で
雨宿りをしながら麺をすすった。

お腹が満足したようなので、もう一息がんばるなり。

誰もいない夜のグラウンドで

2006-07-18 02:45:04 | Weblog
雨が降っていて、涼しい日。

こういう日は坂道を登るのが、
とても楽しみだ。

水がざーざー流れてたり、
チョロチョロ流れてたりするのを見るのが
おもしろい。

水の流れる音を聞いていると、
なんだかわくわくした。

葉っぱについた水玉がきれいで、
鳥もチュンチュンとうれしそうだった。

誰もいない夜のグラウンドで、
イノシシが赤いポールに、
何度も体当たりをしていた。

外灯の光のおかげで、
その光景をはっきり見ることができた。

まるでこの世界にイノシシだけが
取り残されたような感じだった。
イノシシはそんなことは気にもせず、
ひたすら赤いポールに体当たり。

あまりにも不思議な光景だったので、
すごく印象に残っている。


"Sence of Wonder"

2006-07-18 01:37:56 | Weblog
I'm sorry to reply lately.

You had a very exciting experience!
Since I have never attended the concert of classic music,
I will try to attend the concert in this Mozart's year !!

Recently, I feel that my sensation to the world and nature surrouding me is gradually lost.
I want to get back the feeling of "Sence of Wonder".

I think that when I was a child, I was suprised to anything that I saw and heard and experienced.

Internet is a very convenient tool in mordern society.
I could know you due to Internet.

On the other hand, we must consider negative side of Internet.
When we access informational space throught internet,
five senses[touch, taste, hearing, eyesight, and smell] is not so important.

To get over this problem, I will try to attend , for example, the concert as you did.
My five senses and sixth sense must be activated.


国際的なカラオケパーティ

2006-07-16 00:12:38 | Weblog
金曜日は、新しく来た研究員と秘書の方の歓迎会。

研究員の方はトルコ人。
アメリカの大学で博士号を取得して、
ポスドクとして日本の大学へ。

今回の歓迎会の店の手配を僕が担当することに。
神戸のことはあまり知らないので、
Hot Pepper
見ながらいろいろ調べる。

三宮の「くいもんや あっ!」という店に決定。

役に立つ日本語の話(どうも、トイレはどこですか?、ありがとう、など)や
研究の話などで盛り上がった。

僕はすきっ腹の状態でビールを2杯くらい飲んだので、
すぐに酔いがまわった。

宴会終了後、カラオケへ。
中国人の研究員のLさん、トルコ人の研究員のMさん。
Lさんの友達(外人)も参加して、国際的なカラオケパーティに。

Lさんが歌った中国語バージョンの「愛は勝つ」には感動した!
いつか中国語で「愛は勝つ」を歌えるようになると、
ひそかに心に決める。

Lさんの友達は日本語が上手で、おおきな古時計や
慎吾ママのおはロックなどを熱唱。

日本人の学生も場の雰囲気を感じて英語の歌が多かった。
僕はもののけ姫のテーマ曲を歌った。
久々のカラオケだったのですごく緊張したけど、
楽しいひとときだった。

国際的なカラオケパーティを終了。
夜の三宮は宴会帰りの人でにぎわっていた。
カラオケが終わってから酔いのほうはほとんど醒めていたけど、
体がふわふわしてるような感じがして、まわりの景色や音が
うまく認識されてなくて、なんだか色んなことが頭の中を
駆け巡っていたような気がする。

階段、坂道、階段、坂道。

2006-07-14 02:42:27 | Weblog
今日は、発達科学部で行われたセミナーに参加。
量子化学(Quantum Chemistry)の勉強会。
量子化学は、量子力学(Quantum Mechanics)を基礎として、
分子の性質や化学反応の性質を追求するための理論。

量子力学の理解が未熟なため、発達科学部のポスドクの方に、
量子力学の基本的なことを解説してもらった。

量子の位置と運動量の不確定性について。
古典力学では位置と運動量は確固とした値を持っているけど、
量子力学では、「観測」という行為が行われるまで、
位置や運動量は決まっていなくて、「観測」されてはじめて、
位置や運動量が決定されることになる。
(注:理解があいまいです)

位置や運動量が決まらないって、どういうことなんだろう。
今日は、そんな訳の分からない世界を少しだけ感じることができてうれしかった。

ところで、
発達科学部のキャンパスまで行くのがすごく大変だ!
発達科学部はすごく高いところにあるので、
僕のいる理学部のキャンパスからさらに20分くらい
歩かないといかない。平らな道を歩くのなら問題ないけど、
ひたすら階段、坂道、階段、坂道。
今日はすごく暑かったので、歩いていると額から汗が
ポタポタ、ポタポタ。

途中、水泳部の人たちがプールで泳いでいるのを見て、
プールに飛び込みたくなった。

セミナーは6時くらいに終了。
教室の外に出ると、夕方の風がさらっと頬をなで、
どこか遠くへと消えていった。

色んなものが色んなものと色んな形で

2006-07-09 14:18:28 | Weblog
昨日は、夕飯にラーメンと焼飯とギョーザを食べた。

ラーメンにはトッピングとして卵をつけてもらった。

ラーメンと焼飯を交互に食べていたら、
ふと気が付いたことがあった!

ラーメンの中に入っている卵と、
焼飯の中に入っている鶏肉が、
実は同じであると思って、ハッとした!

ラーメンに入っている卵は、鳥になる前の卵なんだと
思った瞬間に、すごい発見をしたような気になった。

卵が成長して、鳥が卵からかえる姿が、目に浮かんできた。

卵を、ゆで卵とか目玉焼きみたいな形でよく食べるけど、
これまで今、鳥を食べてるのかということは、
一度も意識したことがなかった。

から揚げとかチキンカツを食べているときと、
ゆで卵や目玉焼きを食べているときの味覚とか雰囲気は、
僕の日常の中ではあまりにもかけ離れたものだったので、
卵と鳥がつながったことに新鮮な驚きがあった。

卵と鳥に限らず、形は違っても、
色んなものが色んなものと色んな形で、
つながっているのかもしれない。

目の前にみかんがあるとして

2006-07-08 14:52:22 | Weblog
過去の日記に、情報理論の勉強をしていて、あるテキストを読んでいると書いたけど、
一通り読み終えて、この分野はとても魅力的で奥が深いと思えるようになってきた。

いいかえると、分からないことが、たくさん出てきた!

情報とは何か、複雑さとは何か、ランダムさとは何か、
正直、どの質問にもうまく答えられる自信がない。

情報について考えてみても、
例えば、目の前にみかんがあるとして、
ある人にとっては、そこにオレンジ色のみかんがある、
というのが情報かもしれないし、
またある人にとっては、どうしてみかんは黒い色をしていないのか、
という目の前にないものを情報として受け取るかもしれないし、
1つの出来事から受けるとる情報の質や量は、
たぶん人によって全然違うと思う。

このみかんの例では、情報という言葉の使い方が、定まっていないというか、
人によって情報の指しているものが全然違うので、
あの人のほうがこの人よりもたくさん情報量を得た!というような言い方を
することはできない。

テキストの話に戻ると、情報理論(Information Theory)では、
なんとも漠然とした情報というものを、ある基準にもとづいて測定する
ことができるので、ある出来事から得られる情報量と
別の出来事から得られる情報量を、ちゃんと比較することができる。

こういった仕事を最初に行った人が、
クラウド・シャノン(Claude Shannon)。

シャノンは、この漠然とした情報というものをどういう基準で、
測定しようとしたのだろうか。

つづく・・・(つづきがあるかどうか分かりませんが(汗))