𝓛𝓮 𝓖𝓻𝓪𝓷𝓭 𝓜𝓮𝓪𝓾𝓵𝓷𝓮𝓼
さすらいの青春(229)
—————————【229】—————————————
A deux reprises, la jument se déroba et avança
de quelques mètres. Le marchepied vint le
frapper à la tête et la roue le blessa au genou.
Il s'obstina et finit par triompher de la bête
peureuse; mais le caillou se trouvait si bien
enfoncè que Meaulnes dut sortir son couteau
de paysan pour en venir à bout.
——————————(訳)———————————————
2度、馬はこっそり数メートル前に進んだ.昇降段が
モーヌの頭にずんと当り、車輪がモーヌの膝を出血さ
せた.(それでも) 彼はねばって、やっと臆病馬を制御
した; ひづめには小石があまりにしっかりはまり込ん
でいたのを見たため、その除去作業を終えるため、モー
ヌは農夫の使う小刀を取出さなければならなかった.
..—————————⦅語句》——————————————
reprise:(f) ①再び取ること、取戻し、奪回
❷再開、継続、反復; ③ 再放送、④ 繕い
⑤ (中古車などの)下取り
à deux reprises: 2度繰り返して、2度も
à trois reprises: 3度繰り返して、3度も
à plusieurs reprises: 何度も
Il m'a téléphoné à plusieurs reprises.
彼は何度も電話をかけてきた.
déroba:(単純過去3単) <dérober (他)[文語]
こっそり盗む [à から]
se dérober (à を) 逃れる; se dérober au regards 人目を避ける
avança:(単純過去3単) <avancer (自) 前に出る、前進する
s'avancer:(代動) 前に出る、進む、前進する
marchepied:(m) (乗り物の)昇降段、ステップ、足場
② (目的達成のための)踏み台、手段
frapper:(他) 打つ、たたく、殴る
roue:(f) 車輪
vint:(単純過去3単) <venir
venir + 不定詞:~しに来る
venir de + 不定詞:~したばかりである
s'obstina:(単純過去3単) <s'obstiner (代動)
意地を張る、執拗である、ねばる
[dans~ に] 固執する
peureux(euse):(形) 臆病な、こわがりの、おびえた
triompher:(自) [de に] 打ち勝つ、 圧勝する
finit par ~:(単純過去3単) <finir par ~ ついに~でする
finir par triompher de ~:ついに~に打ち勝つ
finir par triompher de la bête:ついにこの馬を制御する
enfoncè:(過去分詞) <enfoncer (他) 打ち込む、突っ込む
差し込む
<enfoncer (自) [dans に] はまり込む
bout:(m) 終わり、果て
en venir à bout:それ(小石除去作業)を終える
venir à bout de ~ :~を終える、に打ち勝つ
————————— ≪意訳≫ —————————————————
Le marchepied vint le frapper à la tête.
ステップがモーヌの頭を叩きに来た.(直訳)
この場合venir は数メートル前からの動きを
言っているので、動きの擬態音を入れました.
「ステップが叩きに来た」では不自然な表現なので
「(馬が動いて)ステップがビュンとモーヌの頭に
ぶつかった」など、日本語があまりぎくしゃくしな
いように訳したあと調整するのがいいと思います.
ただし何もかも意訳にしてしまうと、学習に混乱
をきたすので、意訳はそこそこにして直訳に戻し
ます.
私たちの学習の目的はもちろんフランス語の習得
にありますが、仏検問題で合格答案を書くことも
含みますので「健全な妥協点」を考えながら訳し
ていきます.