ロサンゼルスで、着物暮らし

太陽燦燦のロサンゼルス近郊で接する和なあれこれ。
LAに帰って来ました。肌寒い日が続いています。

結納でいただいた鼈甲

2007年01月23日 | こもの
二年前の今日、結納で非常に緊張した時間が一しきり過ぎた後、義母が箱を一つ取り出されました。木箱を開けると鼈甲の簪。着物を着る私のために予想外のプレゼントを用意してくださっていたのです。そのお心遣いが非常に嬉しく、緊張もほぐれてホッとしたのを思い出します。
改めてみますと江戸鼈甲と書いてあり、同封の説明書によると、全て手作りの鼈甲は古くから世界各国で愛用され、奈良の正倉院にも鼈甲を応用したものが数多く秘蔵されているのだとか。「長寿」「貞淑」「魔除け」などのしるしなのだそうです。湿気を嫌うということで、LAの気候にぴったり。先日一緒に日暮里を散歩した際、何軒か周辺のお店を廻って選んだくださったことを伺いました。改めて、ありがたい思い出の品を大切にしていきたく思います。

友人が企画した帯揚

2006年10月19日 | こもの
いしのすけさんやずっと以前にさくら子さんも興味を持っていてくれた帯揚です。
大学時代の友人が呉服卸問屋に就職し、しばらくしてから彼女のセンスで染めて商品化した帯揚は、いろいろな色の組み合わせがあったかと記憶しています。その中から、この色目を選んだのは彼女だったか私だったかよく覚えていませんが、プレゼントしていただき愛用しています。
金茶という色は落ち着いた中にも華やかさがあって、和物ならでは色合いだと私は思います。空気が秋めいてくるとこの帯揚を手に取ることが多いような気がするのは、木の葉の色の移り変わりを意識せずとも心に描いているからでしょうか。
当時二十代の友人が関わったこの帯揚を使うとき、「もっとEちゃんのセンスでたくさん作ってほしいわあ」と言ったらば、「いろいろあってそうもいかへんねん」と話してくれた事情など思い出します。「作らはるほうも大変やねんなあ」と思ったことです。その彼女も退職して、今は京都を離れちょうど結婚一周年の秋です。おめでとう。

余り布のがま口

2006年09月30日 | こもの
祖母が亡くなった後、箪笥の整理をしているといろいろなものが出てきたものでした。その中の一つがこのがま口。既製品だと思っていたので、母の箪笥にある単衣と同じ生地でできているのに気づいたときは、驚きました。初夏に一時帰国したときに初めてお揃いで使い、殆ど目に触れることはないにしても、楽しい気持ちで一日を過ごしたことでした。母によると、細長いクラッチのようなかばんも誂えてあったようです。残念ながら、そちらは母がどなたかにお譲りしたということで、これもまたご縁なのでしょう。どこかで大切に使われているとよいなあ、と思います。

バンコクで買ったかばん

2006年06月07日 | こもの
今回の帰国中、かたものを着るときはほぼ必ず持ち歩いているこの木製の手提げかばん。よく注目していただいて、いろいろなところでお声掛けいただきます。三年前のバンコク出張の折、自由時間で出かけた青空マーケットで見つけたもの。何ということはなく着物にも合いそう、と思ったのです。高価なものではないですが、使いやすいお利口さんです。今日も神楽坂の割烹の女将さんと芸者さんがお目に留めてくださり、お世辞よね~、と思いながらも嬉しいことでした。
同席した某大学の教授も前回に続きお着物でいらして、私の着物姿を嬉しそうにご覧になっていました。着物を着る人が少なくなっていることを憂いているそうで、企画中の着物イベントについて教えてくださいました。秋に北陸でおもしろそうなものがありそうですよ。男性着物の先輩、しかも相当な巧者と見て、夫用お薦めの履物屋さんもしっかりと教えていただきました。

行躰さんの白足袋

2006年04月23日 | こもの
随分前に仕事上、秋になると「にっぽんと遊ぼう」というイベントの手伝いをしていました。ドン・○リニオンなどが協賛して、二尊院に始まり永観堂、高台寺、大覚寺、仁和寺、平安神宮など錚々たる寺社を会場に日本独自の美を感じていただこうというもので、全国からいろいろな方が集まってこられました。確かドンちゃん飲み放題、という今から思うとバブル崩壊後とは思えない企画(笑)。当時大人気だったサッカー選手が美しい奥さま連れでいらして、別の意味で目の保養をさせていただいたこともありました。
さて、二条城で和魂洋才をテーマに催しがあった年のこと、庭園「清流園」でお茶席を設け、当日の一切は某千家の行躰さん(お家元の高弟)が面倒を見てくださることに。案内係を務める予定だった私も、担当者と行躰さんとの現地下見にご一緒させていだきました。いろいろな細かい打ち合わせが進む中、本筋に関係のない供は、目をあちこちに走らせ、ふと行躰さんの足袋の表面がでこぼこしているのに気づき、はっとしたのです。ハレの席にはきちんとしたものをお履きの方も、ケのときはこうやって始末してはるんやなぁ、毎日お着物で過ごす方はこういうことをしはるんかぁ、と。
後にも先にもあんなにしっかり綴った足袋を見たことはなく、何かの折にはその行躰さんのお顔は覚えていないのに、あのつま先を思い出すのです。だからといって、茶の道も着物の道も究めるではない私は、あれから一度も足袋を破れるまで履いたことがなければ、綴ることもない、という暢気なこと。どちらかというと足袋の手入れが大の苦手で、ネットに入れて洗濯機ということもする始末で、我ながら困ったものです。そうそう、どこかで読んだことがある「京都の町で白足袋にはかなわない」というような言葉、何やら言い得て妙だと思いませんか。

白い半襟いろいろ

2006年03月10日 | こもの
稽古事の関係もあって、半襟は決まって白です。色襟をつける機会がなかった、ともいえるでしょうか。
先日、「あなたの半襟はベージュがかっているようね」とある方がおっしゃいました。そうしましたら、横から今の師匠が「昔の絹ものは焼けるのよ。今のものはそういうことはないの」とすかさずおっしゃったことでした。おっしゃるとおり、そのとき付けていたのは母のたんすからいただいてきた(笑)昔の半襟で、柔らかものを着る場合は何となくその肌触りのよい半襟を選んでしまうのです。反面、かたものや少しくだけたときはしゃきっとした今様の塩瀬を手に取ることが多いかもしれません。同じ白でも写真左端のようにしぼがあるものは、ちょっとしたお出かけの時、例えば年始の集まりのような場合に少し晴れがましい気分でつけてみたり、その右の葉ものが織り込まれている半襟なら大島などに合わせると面白いかしら、と思います。
一口に白といってもいろいろと楽しめますね。難しそうだけど憧れの刺繍半襟にいつか挑戦してみたいなあ、と考えています。

きもの小物、最近の定番

2006年03月02日 | こもの
最近、この桃色のお財布を帯に挟むことにしています。はとこのKiaiさんからいただいたゑり善製のお財布は、控えめなラメ地に金糸刺繍が綺麗な上、軽くてかさばらず非常に重宝です。そしてその中にネクタイピンをしのばせておくと、こちらは食事どきに大活躍。akeさまお薦めのアイディアで、襟元にナプキンや写真の下に敷いたような大判のハンカチを留めると、ちょっと手元が狂っても安心です。
お稽古事の関係で手荷物をどこかに置いて動き回る機会が多いので、せっかくかばんの中に入れておいてもいざという時に役立たず、といったことが、これで随分解消されました。